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温泉本 発行前夜 Part2

別府八湯温泉道が始まるキッカケとなった
「温泉本」発行前夜の物語 Part2です。

※別府八湯メーリングリスト(1997年5月29日スタート)から
 Oさんの「地獄温泉巡り」入湯記です。

前日
明礬鶴の湯   
   弱い白濁、少酸味、硫黄臭多し 雪の中の野湯となって
   よかった。フレッシュな硫黄泉で湯口透明、1槽目は
   析出開始の微細粉が舞う状態、2槽目は淡い白濁と
   変化がみてとれる。酸味は次の地蔵泉よりずっと弱く
   硫黄泉(硫化水素型)と見た。

地蔵泉
   酸性硫黄泉?(成分表見忘れ)48度とか
   白濁、酸味卵味、硫黄臭
   鶴の湯より酸味がつよく、明礬の渋味はそれほど
   感じられず。白さが強いのと適度な硫黄臭からか
   同行者には人気あり。すぐ隣に木造3階建ての貸間
   旅館があり ここで泊まってみたく思う。山田屋の湯
   ほどのパンチはないが、きれいに使われている共同
   湯の風情は良い。
神和苑
   夕方の薄暗さの中でさえも青白く光る露天風呂は
   幻影のようで、この世のものとは思われない美しさ
   である。また次の朝の鮮やかな青もまた違った良さである。
   食塩芒硝泉であろうか、塩味の中に強い薬味苦味鉱物味
   の複雑に入り混じったもの。鉄輪でも感じる噴気の匂いと
   でも言おうか?鉱物臭がつよく。匂い味とも濃く存在感は
   充分である。
   102度の源泉をゆっくり冷やして入れ数日でこの色になると
   のこと、ご主人の話だと1ミクロンのシリカ粒子が集まって
   40ミクロンになると青くなるとのこと。
   部屋は露天風呂入り口の離れで最も近く便利。窓から一面に
   噴気を眺めて寝、起きるという贅沢さを味わえた。
   朝一番で斎藤さんがみえて、源泉採取および入湯するが
   昨日より塩が薄くなっていた??
   九州の温泉文化を感じさせる良い宿でした。

当日
海地獄  地獄組合事務所
   別府の方々とお会いする。たいへんありがとうございました。
  ここの湯を語る前に海地獄、神和苑、かまど三丁目、かまど5丁目
  の4湯を比べたいと思う。それぞれ同系であるが違いを持っている
  ので以下に列記する。
       色  塩味、薬味  匂い

  海地獄  透明 塩薄い、しっかりした芒硝味 芒硝臭あり
  神和苑  青白 塩やや濃い、薬苦味強し 鉱物臭強い
  三丁目  微青白(ほぼ透明)塩薄いが海より濃い、
         芒硝味は一番強い  弱い硫黄臭あり
  五丁目  うす青三丁目より濃い 塩やや濃い神和より少なし、
       苦味は残る感じ 少硫黄臭(3丁目と同じ)

   色は青い順では   神和>五丁目>三丁目>海
   塩味        神和>五丁目>三丁目>海
   薬味または芒硝味  三丁目>神和>海>五丁目
   匂い        神和>海>三丁目=五丁目
となります。海地獄は思ったより薄くいちのいでのような感触をもっている。小さい個人用家庭風呂なので色を感じないのか、それとも昨日から汲み置き半分、足し湯半分という時間的な問題なのか不明だが青は感知できず。
もし「いちのいで会館」と同系の分析結果であればやはりメタ珪酸の大きさによるものであの池の大きさと湯の循環する(または入れ替わるまで)の時間による絶妙さで青さが美しいのではないでしょうか。
大分放送、朝日新聞、大分県の方もみえられていて、お付き合いいただきありがとうございました。

かまど地獄 三丁目の湯
  ピンクのタイルの小さな浴槽がある小屋にて入湯。
  あらきさんには残念ですが今回は適温、微妙に淡雪の
  ごとく濁る湯で、塩は弱く芒硝?だか薬味が濃い
  匂いはあまりないが微細な硫黄を感じた。
  かまど地獄は6つの地獄が並んでいるがこれには
  驚いた。昔2度ほど訪れていたのだが記憶が薄くなって
  いた。今回あらためて見学すると凄いものである。
  なんとか入湯したいと思ってしまい今でも脳裏に
  焼きついている。(特に1.4.6丁目)
  1丁目は赤泥湯、2丁目は噴気、3丁目は青白湯
  4丁目はピンク泥湯 5丁目は青い湯、6丁目は
  白いこてこての泥湯(坊主地獄のように湯は少ない)
  危険なことはやめましょう<自分に納得させなくては(^^ゞ)

かまど地獄 五丁目の湯
   旧旅館の浴槽で古くモルタル鄙びが来ている。
  三丁目の三倍くらい状況は進行していて驚く。
  廃墟に近づいている(^^ゞ
  三丁目より濃い青白い湯は塩味で苦味が残るもの
  神和苑にちかいであろうか?
  勝手な望みであるがやはり地獄の噴出しているのを
  見ながら入浴したいものである。
  そしてそれを引いているのが明らかに分かるように
  すればすごい実感が涌き出ると思います。
  別府の地獄は世界遺産にも匹敵するポテンシャル
  を持っていると思ってます。前記のようなことを実現するには
  国や県などの行政単位の事業でしょうが。(^^ゞ

山地獄  民宿文楽
   弱食塩泉(含芒硝?)透明、薬苦味、塩は薄い、金気臭
   鉄輪の湯煙と高崎山、そしてきらきらと輝く海が眺められる
   素晴らしい景観の立地条件にある宿。昨日の雪と雨も
   あがり美しい。湯煙は湿度によって量が増えるのであろう
   昨日の神和苑ではもっとも良い条件だったのか、まさに
   煙の中で景色が見えないほどにあがっていた。
   今日はいつもより多い気がするが、昨日ほどではない。
   ここの湯は金竜地獄からの上人湯にちかく、金気の
   強い熱の湯ほどではない。(別府まで下がると渋味がさらに
   強くなるが)昨日は雨だったからか?白濁したとのこと
   入れ替えてしまったとのことで残念。比較的個性は少ないが
   よわいすべすべを感じる。
   湯から上がると鬼山ホテルの上月社長さんがみえられて
   いてびっくり、私の別府に対する思いを散文的に
   順不同でお話しましたがご理解いただけただろうか?
   ご足労痛み入ります。

血の池地獄   Y専務ご自宅
   酸性明礬泉?  79度 薄赤褐色 酸味、明礬渋味
   少鉄臭(明礬湯の華のにおい)
   専務のご自宅に上がりこみ入湯。大変な無理をご理解
   いただき恐縮する。斎藤さん菅さん手配ありがとうござ
   いました。
   さて期待の湯に入る、「あちち」と手を入れ、実際に血の池
   で飲んだものと同じ湯である。沈殿の赤い泥をわずかに
   ひっぱり薄い赤も識別できる。 以前小川にて入湯したと
   きは沈殿の酸化鉄が舞い上がりまさに血の川で匂い味とも
   に当然のことで新鮮であったが上澄みの湯はこれであろう。
   感覚的にはおとなしくなってしまっている。気分の問題
   だがあの赤析出物をバケツ一杯入れたら感動ものだろう
   と思う、同浴の斎藤さんも同じ意見。
   正式に日本に誇る珍湯に入れて嬉しさは最高である。

長泉寺(飲泉)
   酸性明礬泉? 透明、酸味弱い明礬渋味、微刺激(酸)臭
   以前カラだったので訪れた。透明な酸性泉が掛け流しに
   なっていて、使い込まれた浴槽に注がれ雰囲気は良い
   この地で無ければ話題になる鄙び具合と泉質であるだろう。
   竜巻地獄の湯も骨格は血の池と同系。

※別府八湯温泉道の詳細は20周年記念講演会「別府八湯温泉道の 過去・現在・未来」をご覧下さい。

「温泉本」No.1~No.20の概要を紹介しています。

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