シニアマイスター 西村 なぎさ
シニアマイスターになるための「温泉に関するレポート」です。
縦にも横にも奥深い大分市の「大深度地熱温泉」 西村 なぎさ
はじめに
源泉総数及び総湧出量共に日本一のおんせん県おおいたは、複数の温泉郷から成る、まさに「温泉パラダイス」。その大分県を代表する別府温泉郷で日々汗と疲れを洗い流し、明日への活力を有難く得ている私も、時々違ったタイプの温泉に入りたくなります。そんな時、「モール泉」を求めてお隣の大分市まで足を運んでいました。そんな中、大分市各地の温泉を巡るうちに、一言で「モール泉」と言っても、実は自分が思い描いていたイメージを超える多種多様な「モール泉」が大分市には存在する、ということを知りました。また「モール泉」に加え、非常に濃度の高い塩化物泉や、以前は別府市にもあったとされる二酸化炭素泉など、希少で個性的な泉質の温泉の数々と出会うことができ、大分市の温泉は実は非常に奥深く興味深い温泉郷であることがわかりました。
そこで長くはなりますが、専門家の学術論文や、自身の調査や入湯体験をもとに、大分市の温泉について書いてみることにしました。大分市に湧く「大深度地熱温泉」とは一体どのように生成された、どのような温泉なのか、「モール泉」の奥行きも含め、その魅力に迫ってみたいと思います。
1)堆積形成や海面昇降等の激しい地殻変動が封じ込めた大分平野の「大深度地熱温泉」
大分県にある温泉地を、比較的浅い層から高温水が湧出している歴史ある温泉地と、近年開発された深層熱水型温泉地に大きく分けると、前者は海抜約400〜500m以上の高地部とそのごく周辺に位置するのに対して、後者は大分—熊本構造線より北側の海抜約300mより低地部で開発されています(吉川・北岡, 1985)。この後者にあたる大分市の温泉は、大分川と大野川の下流部に形成された大分平野に分布しています。
(「大分市地域防災計画 震災対策編 令和2年4月」より)
大分平野の温泉は、地質年代の新第三紀(約2,300万年前〜約260万年前)の後期から第四紀(約260万年前〜現代)にかけて形成された碩南(せきなん)層群、大分層群等と呼ばれる堆積岩中に貯留されています。碩南層群と大分層群は、今からおよそ200万年前から40万年ほどの短期間に繰り広げられた非常に激しい地殻変動により形成されたと考えられています。大分—熊本構造線や松山—伊万里構造線の活動により大分県の中央部が沈降し、大分市から由布市庄内町一帯に淡水湖ができたところへ碩南層群が堆積。その間、瀬戸内系の火山活動によって大分市南部へ噴出があり、碩南層群は一旦陸化したものの、別府湾周縁から大分市北部にかけた広い範囲が沈降し、そこへ大分層群が堆積。この大分層群の下部は滝尾層、上部は鶴崎層と呼ばれ、それぞれの地層が堆積する過程で海面上昇が2度ずつ起こり、現在の別府湾よりもはるかに広い内湾が形成され、同時に5度の大規模な火山活動がありました。また大分地域における最も新しい火山活動は、33万年〜24万年ほど前の高崎山の火山岩の噴出とされています(森山・日高, 1986)。
(大沢信二.「大分平野の温泉水の起源について」より)
以上のように何度も沈降、海面上昇、噴出・堆積等が繰り返され、内湾・淡水湖と幾度も姿を変えながら形成された大分平野の碩南層群と大分層群滝尾層。その厚い堆積層の奥深くに閉じ込められ、人間の想像をはるかに超える長き期間貯留した大分市の「大深度地熱温泉」は、現在地下およそ600〜800メートルの難透水性の地層に挟まれた堆積層から採取されており、それらの水は「深層熱水」、あるいはその由来から、「化石陸水」・「化石海水」(吉川・北岡, 1981)と呼ばれています。
ここでちょっと、想像してみてください。人類の繁栄で特徴付けられるという第四紀。約260万年前といえば人類史上、猿人や原人が暮らしていた頃とされています。また第四紀の地球は氷河期と間氷期が交代して現れる時代であり、氷河期の日本列島は大陸と陸続きで、約1万年前に氷河期が終わり急激に温暖化して海面が上昇するまで、ナウマンゾウのような大型動物が日本列島に生息していました(河村, 1998)。大分市史によれば、大分層群の鶴崎層からトウヨウゾウの化石が発見されています。大分市の温泉は、激しい火山活動と気候変動の中、ゾウたちが暮らしていた太古の時代から地中深くに閉じ込められ、今日汲み上げられるまでのとてつもない長き時間をかけて生成された、掛け替えのない地下水なのです。その生成の歴史だけをとっても見ても、大分市の「大深度地熱温泉」は非常に貴重な温泉であるということがわかります。
2)大分平野の非火山性「深層熱水型温泉」の生成
大分市の温泉は、火山の地下奥深くのマグマ溜りを熱源としていないことから、「非火山性温泉」に分類されています。
そこでまず、大分平野の「深層熱水型温泉」を作る地下の構造をみてみましょう。山から平地に変わる扇状地や、山間谷部の露岩地帯に多くみられる、温度の高い温泉が湧く「地熱温泉地域」。例えば別府温泉郷においては、朝見川断層と鉄輪断層のような断層の縦型の割れ目から深部の高温水や蒸気などが上昇し、扇状地の堆積物や浅層の割れ目部分に流れる地下水と混ざりあうことで様々な温泉水を作る「縦割り型の構造」を持っていると考えられています。それに対し大分市の「深層熱水型温泉」においては、透水性の良い地層と悪い地層が水平方向に何重も重なった「横割り型の厚い堆積層」に温泉水が閉じ込められ、ほぼ静止状態で深層部に貯留されていると考えられています(吉川・北岡, 1985)。
次に熱源について。深層熱水の温度は、貯留層の深度と地域の地殻熱流量の大きさが決め、下方からもたらされる伝導熱によって温められていると考えられています。その熱流量は非常に限られているので、地下深層部に貯留し、長い時間をかけて温められることによって、深層熱水が作り出されることになります。前述のように、実際大分平野の「深層熱水型の温泉」は、ゾウたちの時代あるいはそれ以前から貯留していると考えられています。また一般的に火山性の熱源がない平常地の地温勾配は100mに当たり約3℃とされていますが、大分平野の場合は100m当たり約5〜6℃と2倍近くも高い値を示します。地下600〜800mの深い掘削によって汲み上げられる大分平野の地下水(深層熱水)は30℃〜55℃程の温度で、その高温帯の走向は、別府から大分に向かう朝見川断層や別府温泉の高温帯とされる田の湯温泉脈や海門寺温泉脈などの構造線と同様の走向で、その関連性が注目されています(吉川・北岡, 1985)。
さらに成分の特徴を見ると、深層熱水には、淡水成堆積層の「深層地下水起源」のものと、海成堆積層の「化石海水起源」のものがあるとされ、大分市の「大深度地熱温泉」には、前者のような塩化物イオン(Clー)量の少ないアルカリ性単純温泉と、後者のような塩化物イオン(Clー)量が15,000mg/kgにも及ぶ高濃度の食塩泉、またその境目では両方が混ざった泉質が分布しています。大分市の温泉地の地温を見てみると、各深度において約15℃の幅があり、この温度の高い方の地域を境に、ほぼ同じ深さから採取された温泉でも、泉質に大きな違いがあります。それは、その境目で何重にも重なった海成堆積層と淡水成堆積層とが地殻変動によって上下にずれが生じた結果であると考えられています(吉川・北岡, 1985)。前者の火山岩類由来の塩分の少ない温泉水は、活発な火山活動の影響を受ける淡水の堆積環境にあった碩南層群の分布域から、また後者の塩分濃度が非常に高い海成堆積岩類由来の温泉水は、内湾の堆積層にあった大分層群滝尾層の分布域から採取され(大沢, 1996)、フィリピン海プレートが沈み込む際に付随する海水が原因となっていると考えられています(網田・大沢・杜・山田, 2005)。
(吉川恭三・北岡豪一.「いわゆる深層熱水型温泉について」より)
また大分市の「大深度地熱温泉」の中には、1リットル中に数グラムもの多量の炭酸成分が含まれているものがあることも大きな特徴です。その炭酸成分は、火山性の二酸化炭素(CO2)と、地殻熱流によって温められた地下水中の有機物起源の二酸化炭素(CO2)とが様々な割合で混ざったものと考えられています。大分平野の塩分濃度の高い深層熱水に溶かしこまれた大量の炭酸成分のほとんどは、別府温泉の地熱活動による火山性二酸化炭素(CO2)に由来するものと考えられており(例:ぶんご温泉高田の湯、塚野鉱泉など)、また(弱)アルカリ性深層熱水の炭酸成分は、地下水の中に一緒に閉じ込められた腐植性有機物起源(「モール泉」)ということです(大沢, 2001)。
(大沢信二.「大分平野の温泉水の起源について」より)
3)個性豊かな泉質の大分市「大深度地熱温泉」
1973年の第一オイルショックの頃より本格的に温泉の開発を開始した大分市は、今では250近くの源泉数を誇る温泉都市であり、現在大分市観光協会の「大分の湯めぐりガイドマップ」で紹介されている35箇所の温泉施設において、一般の利用客も「大深度地熱温泉」を堪能することができます。またその泉質は大きく分けると、弱アルカリ型、高塩分型、そしてそれらの混合型の3種類からなっています。
a)陸水起源の「深層地下水型温泉」のモール泉
大分市の温泉と聞いて、まず茶褐色のいわゆる「モール泉」をイメージする人は少なくないでしょう。では一体この「モール泉」とはどんな湯なのでしょう。モール泉の特徴は、褐色に帯びた色、多くの場合ぬめりの伴うアルカリ性または弱アルカリ性のpH、溶存性物質が少ない単純温泉や炭酸水素塩泉。また、この「褐色温泉」ともよばれる温泉の着色は、水中に含まれる有機物、すなわちフミン酸やフルボ酸などの腐植物質によるということです(高野・内野・青柳, 2018)。これらの腐植物質は、太古の時代の火山活動により地層が堆積した際に、陸水と一緒に堆積層の中に閉じ込めれた植物などが炭化したものです。
またモール泉の「モール」とは、「湿地」を意味するドイツ語の「Moor」に由来します(青柳, 2006)。泥療法(ペロイド療法)が行われているヨーロッパでは、腐食した植物由来の「泥炭土」のことを言い、その泥療法は肌の引き締め効果や抗菌作用、毒性物質の体外への排出、不妊治療などの目的で、顔や身体に塗ったり、全身浴・部分浴・歩行浴に利用されています。またその「泥炭土」に浸かるモール浴においては、筋肉や関節を温め、鎮痛や血行促進に期待ができ、リュウマチや運動器障害の治療に利用されています(阿岸, 2012)。一方、以上のような泥療法で直接身体に接する腐植物質の量と比べれば、いわゆる「モール泉」に入浴することによって肌に触れる腐植物質の量ははるかに微量です(青柳, 2006)。
「モール泉」とは、「鉱泉分析法指針」において療養泉として定められた正式な泉質名ではなく、一般的に「炭酸水素塩泉」、「アルカリ性単純温泉」、「塩化物泉」などの泉質名がついているようです。
温泉ソムリエのテキスト(遠間, 2017)で紹介されている「美人の湯」を参考に見てみますと、いわゆる「三大美人泉質」の1つとされる「炭酸水素塩泉」においては、カルシウムやマグネシウムー炭酸水素塩泉の重炭酸土類泉であれ、ナトリウムー炭酸水素塩泉の重曹泉であれ、一般的に切り傷や皮膚病に良いとされ、特に重曹泉は、皮膚の脂肪や分泌物を乳化して洗い流す作用があり、「美人の湯」として美肌効果が期待されています。また「三大美人泉質」に加え第四の美人泉質とされる「アルカリ性単純温泉」は、古い角質層の新陳代謝を促し、くすみを取り除き、肌をつるつるにする「美肌の湯」として紹介されています。水素イオン濃度(pH)によって湯がアルカリ性か酸性かなどの液性が示され、泉質表示ではpH7.5〜8.5未満が弱アルカリ性、pH8.5以上はアルカリ性に分類されますが、同テキストの「温泉の種類」の紹介によれば、pH7.5以上あれば美肌効果があるとされています。「塩化物泉」においては、皮膚に付着した塩分が汗の蒸発を防ぐことから保温効果がよく、別名「あたたまりの湯」として有名です。同テキスト中「泉質別特徴と代表的温泉地」では、肌の角質を落とすお湯に入った後に入ると、その保湿効果から「美人の仕上」ができると説明されています。
さらに、「大分の湯めぐりガイドマップ」で紹介の温泉では、大分平野東部の大野川より西に行くにつれて、よりモール泉らしい、水素イオン濃度がpH8〜8.9の弱アルカリ性からアルカリ性の、成分総計1〜2g/kg程の温泉が分布しているようです。また、温泉チャンピオンとして有名な温泉研究家・郡司勇氏が温泉ソムリエのテキストに執筆された「温泉分析書を更に深く読む」によれば、炭酸イオン(CO32ー)が20mg/kg以上含まれていればツルツル感がわかり、30mg/kg以上あれば非常に強いツルツル感を感じることができるということですが、「大分の湯めぐりガイドマップ」の中にも、炭酸イオン(CO32ー)が30〜40mg/kg含まれている温泉があります。また同マップの温泉は、最低でも65.6mg/kgを含む含有量2桁の5軒を除き、最高は256mg/kgと全て3桁とメタけい酸(H2SiO3)を豊富に含んでいます。巷では今や「美人の湯」の代名詞と注目されている成分のメタけい酸(H2SiO3)は、NMF(Natural Moisturizing Factor)という天然保湿因子の一つとされ(吉橋, 2017)、皮膚の水分を保持する効果があり、胃の粘膜を修復し角質膜の形成を促すともされています。「鉱泉分析法指針」で指定された療養泉には該当しませんが、温泉1kgに50mg以上含まれていれば「温泉法」に定められた温泉・鉱泉の定義に該当し、また100mg/kgを越えれば美肌効果が期待できると言われています。
以上のような「アルカリ性単純温泉」、「炭酸水素塩泉」、「塩化物泉」としての効果やメタけい酸(H2SiO3)の効果の説はあり、また褐色温泉には皮膚をなめらかにするといった効果も提唱されているものの、「モール泉」の適応症が正式に定義されているわけではありません(高野・内野・青柳, 2018)。「モール泉」特有の医学的な研究や実証等による効果の解明については、今後に期待したいところです。
「大分の湯めぐりガイドマップ」掲載で、ホテル系の「都の湯」や「府内温泉」等も濃厚な色付きですが、市内で最も黒い湯の一つであろう、炭酸イオン(CO32ー):38mg/kg含有の「あしかり旅館」では、太めの給湯菅が浴槽と洗い場の両方へ伸びており、浴槽・洗い場それぞれ専用のレバーを引くと、モール泉特有の香りを漂わせながら、44℃程のフレッシュなぬるぬる感あるお湯が惜しみなく注がれる、なんとも贅沢な造りです。水道からは37℃程度の地下水も出ます。大分市で最も歴史の古い温泉と言われている元九州温泉道対象施設の「王子温泉」(炭酸イオン(CO32ー):30mg/kg)は、大分駅前にある炭酸イオン(CO32ー):36mg/kg含有の「あたみ温泉」と並んで、県外の温泉ファンにも人気のレトロ感溢れる共同温泉です。いずれもあつ湯とぬる湯の2槽式の浴槽に、ぬめりある美しい透明の茶褐色の湯が張られており、カランからも色付きのお湯が出ます。「あたみ温泉」の女湯では、もう使われなくなった浴槽中央のライオン湯口の隣で、あつ湯側に設置された象の鼻の湯口から、またカランからも、「大分の湯めぐりガイドマップ」掲載の温泉では最も熱い50℃の褐色の湯が注がれています。温泉分析書に炭酸イオンの記載がない「金池温泉」は、炭酸水素イオン(HCO3ー)を1010mg/kgとたっぷり含んだ、約48度の熱めでぬるぬる感ある褐色の湯が、こじんまりとした浴槽へ注がれています。共同温泉の「いかりやま温泉」(炭酸イオン(CO32ー):30mg/kg)には地下150mから汲みあげる地下水の水風呂があり、ぬるぬるで美しい琥珀色の温泉と交互に入り長湯を楽しめます。ぼーっとゆっくり入りたい「神崎温泉・天海の湯」は、40℃の若干褐色の薄いモール泉。高台から別府湾を一望する絶景の露天には、炭酸水素塩泉のような優しい濁りを見せる23℃の井戸水の五右衛門風呂もあります。すぐ近くの「まるた屋温泉・西方の湯」は、炭酸水素イオン(HCO3ー)や二酸化炭素(CO2)などの成分をより多く含み、茶色見も滑りもより増しています。大分川と大野川の間に位置する「良の湯・舞千花」(炭酸イオン(CO32ー):30mg/kg)、ph8.9の「天然町温泉」(炭酸イオン(CO32ー):35.4mg/kg)、マップ掲載施設では炭酸イオン濃度トップの「宝珠温泉こがね湯」(炭酸イオン(CO32ー):42.5mg/kg)や、単純温泉の大分市西部の「新湊温泉」(炭酸イオン(CO32ー):37.7mg/kg)においても、その美しいモール泉の茶褐色や香り、なめらかなアルカリ性の肌触りを鮮度よく堪能できます。ちなみに今では閉業している「松の湯」は、pH8.42のナトリウムー炭酸水素塩・塩化物泉で、炭酸イオン(CO32ー)を50mg/kg含有していました。2槽式のあつ湯側で、ライオンの口から鮮度良い褐色のお湯が注がれる、レトロ感に満ちた共同浴場でした。今となってはただ懐かしむばかりです。
b) 希少な「高張性」・「等張性」を含む塩分高濃な「化石海水型温泉」
大分市には典型的なモール泉以外に、塩分の非常に高い塩化物泉もあります。強烈な高塩分型の中には、塩化物イオン(Clー)が2g/kg以上の温泉も複数存在します。海に近く、22℃の地下水の水風呂に、女性用にはミストサウナも完備されたホテルトパーズ大在駅前の「黄玉(おうぎょく)の湯」が、ナトリウムイオン(Na+):5500mg/kg、塩化物イオン(Clー):7600mg/kg、炭酸水素イオン(HCO3ー):3390mg/kg、二酸化炭素(CO2):395mg/kg、総計17.928g/kgで、「大分の湯めぐりガイドマップ」の温泉施設の中では最も高塩分・高濃度のど迫力の「高張性」温泉です。ほとんどの温泉が「低張性」なため、その希少性のあまりじっくり浸かりたくもなりますが、油断をすると湯あたりする可能性もあります。その名の通り黄色く、塩味の中に金気も感じる42℃の湯に入り程なくすると、身体の中にずっしりと成分の作用を感じます(個人的感想)。一般的に水風呂は、サウナや温泉で熱くなった身体を冷やすためのものですが、「黄玉の湯」クラスになると、まるで漬物の塩抜きのように水風呂を求めてしまいます(個人的感想)。同じく海に近い「おおいた温泉物語・三川の湯」は、ナトリウムイオン(Na+):2630mg/kg、マグネシウムイオン(Na+):54.3mg/kg、カルシウムイオン(Na+):340mg/kg、塩化物イオン(Clー):5270mg/kg、炭酸水素イオン(HCO3ー):193mg/kg、二酸化炭素(CO2):25.5mg/kgで、成分総計9.068g/kgの「等張性」温泉です。
元九州温泉道対象でファンも多い、成分総計8.916g/kgのナトリウム・マグネシウムー塩化物・炭酸水素塩泉「キャセイの湯」では、温泉マニア大好物の析出物が、浴槽縁の内側や湯が溢れ落ちる付近の床を飾っています。薄く濁ったその湯は、ナトリウムイオン(Na+):1647mg/kg、炭酸水素イオン(HCO3ー):2930mg/kgと重曹を含むからか、塩化物イオン(Clー)が2910mg/kgも含まれるのに塩辛くなく、むしろ旨味を感じる出汁系の味がします。二酸化炭素(CO2) 250mg/kg、メタけい酸(H2SiO3)も223.6mg/kg含んでいます。
さらに、塩化物イオン(Clー)3740mg/kgに加え、炭酸水素イオン(HCO3ー):2790mg/kgや、二酸化炭素(CO2):1490mg/kgと多量に成分を含み、成分総計11.503g/kgの「塚野鉱泉」は、「高張性」の含二酸化炭素ーナトリウムー塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。大分市の代表的な冷鉱泉であり、胃腸炎や慢性便秘への効果を求め遠方からも飲泉湯治客が訪れるそうです。意外と甘くて美味しい17℃の透き通った鉱泉を飲んでみても、40℃に沸かした濁りがかった浴槽の湯に浸かってみても、天然のガスを感じるいかにも効き目のありそうな湯で、「霊泉」と崇められるのがわかる気がします。ナトリウムイオン(Na+)の含有量が2710mg/kgと非常に多いため泉質名からは隠れてしまっているものの、マグネシウムイオン(Mg2+)245mg/kg、カルシウムイオン(Ca2+)211mg/kg、鉄(II)イオン(Fe2+) 4.4mg/kgと、他の陽イオンにも恵まれています。炭酸ガスのせいか、析出物で覆われた上向きの蛇口の小さな穴から、時々ピュッ!と鉱泉が飛び出します。その様子に見とれながらぬるめの湯に浸かっていると、じわじわと汗が出てきて、気づいたら身体の深部まで温まっており、その保温効果は長く持続するようです(個人的感想)。熱めの塩化物泉などとはまた違った冷鉱泉の温まり方を体感できます。
一方ほぼ無色透明で、塩化物イオン(Clー):1520mg/kg、成分総計3.021g/kgのナトリウムー塩化物泉「クリスタル温泉」は、湯の表面がキラキラ輝いて見えるのがその名の由来とか。地元の湯肌美人によれば、その湯に入ると肌もきれいに光るから、と言う楽しい説もあるようです。「クリスタル温泉」周辺の温泉では、モール臭や褐色も確認できます。色も香りもほぼ無い「クリスタル温泉」やその他の高濃度塩化物泉にも、はたして腐植物質は含まれているのか、成分分析をして数値が確認できたら面白いかもしれません。
c)混合型温泉
大分市内には、上記のような陸水起源の弱アルカリ性のモール泉や、海水起源の高塩分型「化石海水型温泉」があり、東寄りの大野川に近くなるほど、モール泉特有の茶褐色の色が薄れ、塩化物イオン(Clー)濃度が増しているのが特徴です。またその間には様々な割合で混ざった混合型の温泉も数多く存在しており、実はこの混合泉が、大分市「大深度地熱温泉」の独特な奥行きと楽しさを作っており、入る度にモール泉のイメージもどんどんと膨らんでいきます。
例えば、ウキウキするような茶褐色で腐植物質の香りもする、一見典型的な炭酸水素塩泉のモール泉に見える「下郡温泉」に入ってみると、大分市西部の典型的モール泉では2桁しか含有しない塩化物イオン(Clー)を、たっぷり491.8mg/kg含む塩化物泉。味も甘くなく微かなえぐみも感じる、騙され度ナンバーワンとも言える混合泉です。対照的に、見るからに塩分濃度の高そうなやや黄色く濁った湯にそっと体を沈めると、柔らかくただようモール臭に意表をつかれる「天然温泉 天の川」。ナトリウムイオン(Na+):2780mg/kg, 塩化物イオン(Clー):4870mg/kg、炭酸水素イオン(HCO3ー):2490mg/kg、二酸化炭素(CO2):413mg/kgと、成分総計11.826g/kgの圧倒的な「高張性」で、メタけい酸(H2SiO3)含有量では「大分の湯めぐりガイドマップ」でトップの256mg/kgです。また九州温泉道で知られる透明な琥珀色の「丹生温泉」は、その穏やかな見た目とは裏腹に、ナトリウムイオン(Na+):1640mg/kg、塩化物イオン(Clー):1950mg/kg、炭酸水素イオン(HCO3ー):1330mg/kgを含む成分総計5.324g/kgの塩化物・炭酸水素塩泉。モール泉の香りに癒されながら浴槽縁に目をやると、でこぼこと析出物にコーティングされています。
褐色・香り・肌触り揃って優しいこじんまりとした浴槽の共同温泉「みやざき郷温泉」では、炭酸イオン(CO32ー):37.8mg/kgを含むぬるぬる感ある湯を堪能できます。塩化物イオン(Clー):833mg/kg、炭酸水素イオン(HCO3ー):886mg/kg、成分総計2.76g/kgの塩化物・炭酸水素塩泉です。大きめなライオンの湯口が今では使用されていないのが残念な美しいトパーズ色の「甚吉の湯」は、モール泉らしい香りと肌触りを楽しめる塩化物イオン(Clー):1050mg/kg、炭酸イオン(CO32ー):36.6mg/kg、成分総計2.382g/kgの塩化物泉。大浴場と小浴場の男湯・女湯交代制となっており、男性は月木土、女性は火金日が大浴場の利用日です(2021年5月現在)。ナトリウムイオン(Na+):1247mg/kg、塩化物イオン(Clー):1923mg/kg、成分総計3.607g/kgの塩化物泉「鶴崎ホテル」は、褐色のほぼない透明な湯色に対し確かなモールの香りが意外性を楽しませてくれます。大浴場は男性専用なので、女性は家族湯のみ利用可能。このように、あれもモール泉?これもモール泉?と、いったいどこまでがモール泉なのか、それまでのモール泉のイメージを覆される楽しさがたまらないのが大分市の温泉の魅力です。
大分市「大深度地熱温泉」には他にも個性的な混合泉があります。様々な形や大きさの浴槽が迎えてくれる「鴛野(おしの)温泉・はなまるの湯」。露天のつぼ湯では、塩素臭を感じない、2号井の本来の姿に近いであろう湯に出会えます。内湯には人口の炭酸ガスを入れた36℃程の炭酸泉もありますが、露天のつぼ湯の泡つきは天然です。壁のボタンを押すと1分間フレッシュな湯がさし湯され、自分の為だけに、42℃程の肌触り良いお湯を壺の中に注ぎ入れ、その音とモール泉の香りを独泉で楽しむことができるのです。しばらくすると全身に泡がつき、その湯の鮮度の良さを感じられます。塩化物イオン(Clー):897mg/kgと炭酸水素イオン(HCO3ー):830mg/kgに加え、わずかながら二酸化炭素(CO2)も27.3mg/kg含まれる、成分総計2.727g/kgのナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉です。またその壺の大きさは、温泉チャンピオン・郡司勇氏も好みそうな、膝を折って入るコンパクト・サイズです。つぼ湯横のボタンは、炭酸ガス成分を思わせる独特なブレンドのモール泉を、鮮度よく堪能するための工夫です。湯の特色を最大限に生かすこの小さなつぼ湯が、露天の奥にひっそり3つ並んで座っています。
「ぶんご温泉・高田の湯」は、泉質名にもマグネシウムの名が登場する、「塚野鉱泉」と並ぶ個性派の二酸化炭素泉です。ゴボッ、ゴボッと2号井から元気よくお湯が注がれる露天の岩風呂の湯口では天然ガス臭が漂い、微塩・鉄味の中に旨味を感じるサイダー味にただものの湯ではない感動をおぼえます。その岩風呂の湯の中の浴槽の内壁を見てみると、岩風呂の縁上部をびっしり覆う針状の析出物とは対照的に、まるで海ガメの甲羅のような滑らかで美しい赤茶色の模様に見とれてしまいます。この海ガメの湯は、炭酸水素イオン(HCO3ー):2570mg/kg、二酸化炭素(CO2):1090mg/kgを含む、成分総計4.908g/kgの含二酸化炭素ーナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩泉。鉄(II)(Fe2+)の含有量においては7.1mg/kgと、「塚野鉱泉」を上回るツワモノが織りなす傑作です。
改めて学んだことは、消毒を行っている施設の中にも、一定の鮮度が保たれた貴重なお湯の個性と出会える場が潜んでいるということです。それは一種の「穴場」や「秘湯」とも呼べるかもしれません。
4)大分市「大深度地熱温泉」の設備と文化
大分市内のほとんどの温泉は、個人宅やホテルで、また病院、介護施設、集合住宅、スイミングスクールなどでも利用されているようですが、「大分の湯めぐりガイドマップ」対象の35軒の温泉を見てみると、昔ながらのアットホームな共同温泉から、ホテル・旅館型の温泉はもちろん、サウナ・ジェットバス・電気湯・寝湯なども完備した、中には休憩スペース・飲食・ゲーセン付きの大型施設の温泉もあります。様々な形やサイズの浴槽の施設もあれば、シンプルな浴槽一本勝負のこじんまりとした施設もあり、循環・ろ過や消毒等で衛生管理を行っている施設もあります。そのようなサイズや形態にかかわらず多くの施設において、ぬるめの湯、地下水の水風呂、サウナ利用等による「温冷交互浴」のくつろぎの文化がうかがえます。
例えば大分市西部のホテルで言うと、浴場の扉を開けたと同時に目に飛び込む、心踊るような濃厚な茶褐色のモール泉の浴槽と、意外にも確かに塩気を感じる冷たすぎない30℃後半程の地下水の水風呂が、仲良く隣り合わせに鎮座する「都の湯」。カランの水にも水風呂同様の塩気ある地下水を利用。同じく大分市西部の「府内温泉」は、モール泉をブレンドした美しい薄茶色の水風呂横にミストサウナを完備。メインのモール泉の浴槽はあつ湯とぬる湯の2槽式ですが、あっち〜湯で知られる隣の別府市内のあつ湯・ぬる湯の温度に比べれば、それぞれ3℃ずつほど低いゆったり入浴系の温帯です。大分市の温泉の中には50℃近くの湯が注がれて浴槽温度が高めのところもありますが、ゆっくり入れる42℃前後の温泉が多く見られます。また小規模な施設においても、サウナや水風呂を行ったり来たりの「温冷交互浴」が日常の習慣となっているようです。さらに、シャワーやカランにも温泉や地下水を利用している温泉施設がほとんどで、複雑にブレンドされた泉質の温泉だけでなく、様々な特色の地下水三昧を楽しめるのも大分市の醍醐味です。プライベートな湯空間を希望の利用客向けに家族湯を併設している施設も少なくありません。歴史の古い別府温泉郷のような高温の温泉地で育まれた、シャキッと毎日の汗を流す独特の共同温泉文化とは対象的に、大分市の温泉は平均して、心身の癒しを求めてゆったり入る、いわば都会のオアシスといった傾向が見てとれます。一方、別府温泉郷に多い区営のこじんまりとしたいわゆる共同温泉「ぽくない」「クリスタル温泉」や「ぶんご温泉・高田の湯」、「ニューおおざい」のような施設においても、顔なじみ同士の会話から、コミュニティとしての機能も感じられます。
地下600〜800メートルもの地中深くに湧く、対照的なモール泉と高塩泉。それらに天然ガス成分も多量に含まれ様々な割合でブレンドされたバラエティ豊かな湯。一体どこまでがモール泉?と思わせるようなそんな奥行きのある大分市の「大深度地熱温泉」に入り比べながら、太古の時代のロマンに思いを馳せてみるのも、湯の本来の価値に感謝することに繋がらないだろうか。その湯の貴重さや楽しさを肌で感じながら、長く大事に利用されることを願います。
おわりに
モール泉について、現行の「温泉法」に定められた温泉の物質には、腐植物質に関係する項目がなく、「鉱泉分析法指針」においても療養泉として定められていません。一方、腐植物質により美しく彩られた香り良いモール泉はどこにでも湧いているわけではなく、年々入浴客の注目を集めファンも増え続けているようです。日本における「モール泉」発祥の地として有名な十勝川温泉で知られ、「モール泉」を北海道遺産に指定している北海道(高野・内野・青柳, 2018)においても、その傾向があるようです。北海道立衛生研究所によれば、道内の褐色の温泉の中には、腐植質の含有量が限られた温泉もあり、例えば微褐色の着色が認められた弟子屈町(てしかがちょう)の高栄(こうえい)温泉と鈴蘭温泉では、温泉成分分析の公定法である「鉱泉分析法指針」に定められている方法で分析した結果、実際にフミン酸等が含まれているにもかかわらず腐植質が検出できないという事例があったということです。また、「鉱泉分析法指針」に定められている分析法では、酸に溶ける「フルボ酸」類は検出不可能と記載されています。そこで改めてSupelite DAX-8という樹脂を使用して腐植物質成分の分析を行った結果、高栄・鈴蘭の両温泉において、フミン酸のみでなく、フルボ酸も検出することに成功したと報告されています(高野・内野・青柳・市橋, 2016a)。モール泉を北海道遺産に指定した北海道においては、その温泉資源を有効活用し保全していくことを提唱しており、褐色に呈色した温泉の腐植物質の存在を明らかにし、温泉の特性を適切に評価することに取り組んでいるということです。
前述のように温泉法においては、モール泉の指標となる腐植質の分析や分析値の掲載は義務付けられていない中、世のモール泉ファンと同様に、私自身も通常、湯の色や香りとアルカリ性の浴感をもって、モール泉であることを感覚的に認識しその湯を楽しんでいます。そんな中2019年、九州温泉道で鹿児島県・湧水町・吉松温泉郷の「鶴丸温泉」を訪れた際、玄関右手に掲げられた大きな手書きの成分一覧の中に、「腐蝕6.40ミリグラム」の文字を発見しました。これは「腐植質」のことに違いない!その感動は今でも忘れることができません。この「鶴丸温泉」が、自身が入浴したモール泉において、成分書に腐植質の含有量が記載されているのを確認できた人生初の温泉でした。九州温泉道を通じて修行する意義を確信した瞬間でした。
また、この度このレポートを書くにあたり、モール泉について調べて行く中で、北海道には「腐植質」の含有量が記載されている温泉分析書を掲示している温泉施設が複数あることを知りました。そこで、「腐植質」の含有量を記載した分析書を発行していた道指定分析機関である北海道立衛生研究所において、温泉分析を担当されている高野敬志氏に、その背景について教えていただくことができました。高野氏によると、北海道の十勝川温泉がモール泉をPRしており、モール泉に該当するのかどうかという問い合わせが道内の他地域の温泉からもあったため、同研究所では当時の温泉分析担当者が自発的に、1997年10月以降発行の温泉分析書全てに腐植質の分析値を記載するようになったということです。同研究所を含め温泉分析を行っている分析機関は北海道内には11機関程あるそうで、その全てが腐植質の分析値を記載しているわけではないようですが、同研究所は以来、全分析試料について腐植質の分析を行っているとのことでした。
大分県内においてもモール泉とされる温泉は、大分市をはじめ、由布市・玖珠町・中津市・別府市など複数の温泉地に湧いています。私たちはそれらの素敵な温泉と出会う時、その茶褐色や黄金色の湯に見とれ、腐植物質のやさしい香りとぬめりある浴感に包まれ、「モール泉」であると認識して身も心も委ねています。しかしながら、その湯がどのような「モール泉」であるのか、腐植質の分析値を確認するすべがないのが現状です。
確実に検出可能な分析方法を活用することによって、北海道のみならず、全国のモール泉において分析書への腐植質の数値記載が一般化されるようになり、さらには医学的研究が進み、モール泉入浴の効果が実証され、温泉法においてフミン酸・フルボ酸等の腐植質が療養泉の特殊成分として認められるようになれば、フミン酸・フルボ酸それぞれの分析値も記載されるばかりでなく、例えば「含腐植質ー炭酸水素塩泉」や「アルカリ性単純腐植質泉」といったような泉質名の分析書を目にする日が来るかもしれません。そうなれば、大分市の「大深度地熱温泉」はもちろん、全国に湧くモール泉において、その貴重な湯に正式な価値を与え、公にその効果をPRできるのではないでしょうか。そんな日が訪れることを夢見ています。温泉は私たち温泉ファンみんなの遺産なのですから。
謝辞
本レポートを作成するにあたり、モール泉に関しご教示及び情報提供いただけました北海道立衛生研究所温泉分析ご担当の高野敬志様、大分市の温泉に関し情報提供いただけました大分県自然保護推進室温泉地域資源活用班様、並びに大分市福祉保健部衛生課様、また九州温泉道については九州温泉道実行委員会様に、心よりお礼を申し上げます。
温泉歴
シニア・マイスター 九州温泉道・泉人(2回達成) 別府八湯温泉道・永世名人
黒川湯めぐり達人 奥豊後温泉郷マイスター 温泉観光実践士
温泉ソムリエマスター 別府八湯温泉道・温泉まつり「風呂マラソン」完湯
参考資料: 以下は分析年月日及び掘削井の深度にばらつきがありますが、「大分の湯めぐりガイドマップ」の中から、同レポート中で触れた施設の分析値を抜粋したものです。(「-」=無表記。)
参考文献
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【シニアマイスター 西村なぎさ】