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地球のはなし 南極観測隊

 第1次南極観測隊を乗せた砕氷艦「宗谷」が東京港から南極に向かったのは、1956年11月8日である。だから、今年は、わが国の近代的な南極地域観測の50周年に当る。ということで、さまざまな記念行事が企画され、つい先だっては別府でも、最近の南極観測研究を紹介する催しがあった。

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   南極観測船「宗谷」 船の科学館から
   https://funenokagakukan.or.jp/soya/about 

 そうした行事の1つとして、観測事業に関わった人たちの個人的な思い出を収録した本が、11月8日付けで刊行された(技報堂出版)。本文の標題がその書名で、「南極に情熱を燃やした若者たちの記録」という副題が付けられている。執筆者は125人。あのカラフト犬タロとジロの話など最初期のエピソードを始めとして、昭和基地地域で行われた調査観測の喜びや苦労が主体である。500ページを超えているが、1題の長さは4ページだから、読むのには手ごろだし、公式の記録には登場しないような事柄に接することができる。

  ※南極観測隊 : 南極に情熱を燃やした若者たちの記録
   南極OB会観測五十周年記念事業委員会(編)
   発行:日本極地研究振興会 : 技報堂出版

 私も、30歳前後に行った調査のことを載せてもらった。わが国の南極観測の本筋からはずれた、ロス海沿岸の湖の話しである。書いている最中は、少なくとも気分だけは若返った気がした。  昔の若者の思い出話しと言ってしまえば身もふたもないけれども、この半世紀における科学や技術の進展のレビューとも読める。ご覧になっていただければ、嬉しい。
(11月5日に、日本人初の極点旅行を成功させた村山雅美氏が亡くなられた。本書には、同氏の手になる記録も収録されている。)

                          -2006.11.16-

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南極・ビクトリアランド・ドライバレー地域の主な湖と池の位置
細点の範囲は無氷雪の露岩地域

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ロス島のエレバス火山:標高3,794m 撮影:1981年12月頃

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ライト谷のバンダ湖 撮影:1970年12月

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調査用具を持ってバンダ湖上に出る 湖氷の厚さ:約3m

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別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。



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