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温浴施設でのみんなのモヤモヤ①脱衣場には身体を拭いて上がろう!
こんにちは。
私は銭湯で働きながら、ほぼ毎日自分の勤め先以外の銭湯に通っているので、仕事とプライベートの両方で入浴マナーの問題に遭遇しています。
みなさんも温浴施設でモヤモヤしてしまうことが多々あるかと思います。
前回はサウナ室でのタオルの使い方について書きましたが今回もタオルに関するお話をします。
前回の記事はこちら。
脱衣場の床が濡れているせいで靴下が濡れたときが個人的には最もイラッとする瞬間かもしれません。
思わず舌打ちしそうになるぐらいです。
いや、舌打ちしてしまっているかもしれません(笑)。
お風呂から上がって身体がびしょ濡れのまま脱衣場を歩く人を見かけたとき、「身体を拭いていないまま脱衣場を歩かないでほしい」とお願いしたくても言い出しづらいですよね。
自分の勤務先であればお声がけしますが、客の立場のときは黙っています。
「家でもお風呂上がりに濡れたままで部屋の中を歩いてるのかな?」
「脱衣場の床が濡れていたら誰だって不快なのに、どうしてそんなことも分からないのかな?」
などと内心では思いながらモヤっています。
前置きが長くなりました。
ネット上でこのようにマナーのことを訴求しても、あまり意味がないんじゃないかと思うのですが、発信することで知ってもらう機会はゼロではないかもしれないのでやってみることにします。
楽しい話題ではないけれど、よろしければお付き合いください。
【お願い】お風呂場にタオルを持って入ろう!
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脱衣場の床が濡れてしまう原因のほとんどは、おそらくお風呂場から上がって身体が濡れたままロッカーにタオルを取りに行くしかないからではないでしょうか?
お風呂道具と一緒にタオルも浴室の中に持って入ることをオススメしたいです。
バスタオルだと置き場に困ることがあるのでフェイスタオルを1枚、お風呂場に持って入ります。
そのタオルで身体を洗っても大丈夫ですし、髪の長い方は結える代わりのヘアキャップように頭に巻いて使っても構いません。
使用して水分を含んだタオルでも固く絞れば、脱衣場に上がる前に身体の水分を拭うことはできます。
脱衣場の床を濡らしてしまわない程度には拭えると思います。
ご自身のロッカーの中に乾いた別のタオルを取り出しやすいように入れておいて、髪などの拭き足りない部分に使うようにすると便利です。
(ドライヤーの時間を短縮できる利点も有り。)
私はお風呂場の中で身体を拭いています。
浴室と脱衣場の境界にある筵(ムシロ)やバスマットですら濡らすのが申し訳ないと感じてしまうようになりましたが、それは自分が銭湯で働いているせいでもありますので、お客さんはそこまで神経質にはならなくても大丈夫だと思います(笑)。
京都の『玉の湯』さんの脱衣場に感動
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玉の湯さんの脱衣場と浴室の境界には、タオル掛けが設けられているんです。
この位置にタオル掛けがあれば、お風呂場にタオルを持って入らなくても脱衣場に上がる前に身体を拭くことができる。
そっか…
自宅のお風呂だとタオルがある位置までそんなに距離がないから濡れたまま歩き回るなんてことが起きないんだよね…
この位置にタオルを掛けておけたら、身体は乾いたタオルで拭きたいから、浴室内にタオルを持って入ることに抵抗がある人のニーズも満たせるなぁ…
と、玉の湯さんのこの工夫に感動し、反省もしました。
濡れた身体で脱衣場に上がらないでくださいとお願いや注意するだけではなく、そうならないようにお客さんの視点で考えた工夫もすれば、利用者も施設側も嫌な思いをせずにマナーが良い環境を育みやすくなるかもしれないと思いました。
玉の湯さんでは、お客さん想いの工夫を随所に感じられて大変勉強になります。
マナーとは「思いやり」
マナーは他者への思いやりであると、私は考えています。
「こうすれば他の人も気持ち良く過ごせるかな」や「こうすると他の人に不快な思いをさせてしまうかな」というような想像力でマナーは良くなっていくと思っています。
しかし、快適や不快の感じ方が人それぞれ違うので、思いやりや想像力だけでは成り立たないのが難しいところです。
玉の湯さんのようにマナーを自然に守りやすいように工夫で歩み寄るスタイルは本当に素敵だと思います。
マナーを向上するためには、貼り紙や口頭での注意喚起だけではなく、マナーを守れない人の立場にも寄り添ってみることが有効なのかもしれません。
マナー問題に関しては頭を悩ませていない施設はないと言っても過言ではないし、いろいろな工夫を試みています。
施設側と利用者がお互いに工夫することで、温浴のマナーが向上していくのが理想的だと思うので、利用者のみなさま、どうか「施設側がもっと工夫するべき」というようなことは…少し優しい言葉でお願いします(甘えてごめんなさい笑)。
マナーを守っていない人はどうすれば良いのか分からないか知らないだけで、故意ではない場合がほとんどだと思いますし、そう信じているので、こうして定期的にモヤモヤしがちなマナーのお話をしたり、私も自身の勤め先で取り組んでまいります。
その具体的な内容もご紹介してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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löyly girl(ロウリュガール)
「湯快な毎日」がモットー。
銭湯で毎日温浴をするようになってから身体の様々な悩みが寛解し、銭湯を後世に残す重要性に気づく。温浴の素晴らしさを伝えていくために銭湯で働いています。ゆとなみ社(みやの湯・門真市)勤務。
https://twitter.com/loylyg