読後評:半導体逆転戦略 中国による「7ナノショック」後の半導体世界を俯瞰しつつ将来像を示そうとする一冊。
半導体の動向については日本経済の大きく関わる可能性があるとみて当ブログ、
半導体戦争 現在、世界で何が起こっているのか、が手に取るようにわかるという点で、今年有数の一冊!
半導体有事 「半導体戦争」に続き、今、世界で何が起こっているのか、が手に取るようにわかるという点で、この一冊も今年有数の一冊!
半導体戦争! 中国敗北後の日本と世界 生成AI登場で半導体の進歩が「軍事力」に直結する時代の日本の立ち位置とは(汗)
などと、都度々 芯を食ったと考える書籍をご紹介してきた。
そのラインに新たに加わったのが本書。
まず冒頭、ファーウェイ がアメリカの戦略を掻い潜り実現した「7ナノショック」で身を惹きつけられる。
ファーウェイ の新スマホに、実現不可能とされていた「7ナノ」のチップが使われており、どうも裏技を駆使し中国国内で生産されたらしい?
その方法論にまで踏み込んでおり、読み応えがあった!
その後も過去の半導体本より更に踏み込んだ記述が目につく
例えば、
・半導体生産は、世界を制したものだけが儲からない構造
(その理由についても記述あり)
・日本の半導体産業が凋落した理由は、技術信仰に縛られた結果
・その凋落の可能性の一要因として、文系・理系 のセパレーションが?
・ラピダスよりもJASMの方に日本の転機となる可能性がある?
・日本、韓国、台湾、がどう中国と向かい合うべきか議論
etc…
最近の新聞でも、どうインテルの半導体を支えるか議論が載っていたりして、アメリカが「7ナノショック」を真剣に捉えていることがよくわかった。
そんな中、上記の指摘がいちいち刺さったため、こうしてご紹介した次第。
結論:中国による「7ナノショック」後の半導体世界を俯瞰しつつ将来像を示そうとする一冊。