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ちびまる子ちゃんを巡る旅

 私はさくらももこ先生のファンである。
 物心ついて間もない頃、初めて読んだ漫画の単行本が「ちびまる子ちゃん」だった。

 小学生にも満たない私はこれから入るであろう小学校のこと、学校や地域の行事についてまるちゃんに全部教えてもらった。
 マラソン大会が辛いこと。
 夏休みの宿題を溜めてしまうと酷い目に遭うこと。
 りんご飴とクリームソーダの効率の良い食べ方。
 ゴキブリは怖いこと。などなど

 また初期の単行本だと巻末に「ももこのほのぼの劇場」という短編がついてくることがあり、これも面白かった。漫画家になるまでの話や、上京して親元を離れる時の話。初めて生理が来た時など人間が人生を歩んでいけば普通に起こりうるイベントが細かく、しかしユーモラスに描かれていて、子どもの私は「ああ、自分にもこれからこういうことが起こるんだな」と教えられたような気がする。人生の教科書のような、バイブルのような感覚で読んでいた。

 もちろんエッセイもかなり読んでいる。出版されているもの全部ではないけど、初期の3部作や旅行紀、今や問題作だと思われる健康手記など主な作品は抑えているはず。
 コジコジも全巻読んだ。コジコジはYoutubeでアニメが全話配信されているので今でもついつい見てしまう。

 そんな感じで子どものころの刷り込み(?)のかいもあり、私は脳内の思考をまるちゃんに育てられたと言っていいだろう。今でもなにか失敗した「ゴーン」やら「チーン」やらの効果音が脳内でなってしまうし、「○○って一体…」という作中によくあるくだりは自分が書いている小説の中でもよく使ってしまう。
 そして本当に現実逃避したい時は「なにもかも忘れてジャマイカにでも行きたい」というまるちゃんの台詞を思い出したりしている、結構アレな習慣になっている。 

出典:『ちびまる子ちゃん』コミックス8巻より

 このnoteがお笑い路線になりがちなのも、実はこの影響が大きかったり…

 さくらももこ先生が亡くなられたときはすごくショックだった。なんだか昔からの友達を亡くしたような喪失感だった。

 今年の2月、その大好きな「ちびまる子ちゃん」の舞台。静岡県清水市に小旅行に行くことができた。そしてアラサー女1人ちびまる子ちゃんランドに行き、グッズを買い込み散財してきた。そんな一人旅ルポです。

 旅行初日。新幹線代をケチり普通電車で東京から清水駅に移動。
 まずはマンホールの記念撮影!

グーグルマップなどの地図にも載ってるマンホール!

 もう一個静岡駅の方にもまるちゃんのマンホールがあるが、それはうっかり撮り忘れてしまった。次回リベンジしたい。
 その後はエスパルスドリームプラザ内のちびまる子ちゃんランドへ。このショッピングモールがめちゃめちゃ充実してて清水土産はもうここに行けば揃うくらい。

入口の金ピカまるちゃん

 ランド内にさくら家のお部屋を再現したエリアが。小物や部屋の内装がとても懐かしい感じ。

姉妹の部屋。
散らかってる机を片付けろとおねえちゃんが怒ってる。
お母さんが大事にしているオパールの指輪で遊ぶシーン。
後ろの障子の扉が自動で開いて、怒ったお母さんが出てくる仕様。

 他にも教室や公園の再現やさくらももこ先生が書いたアニメの台本の原本の展示があったり。昔のアニメのアーカイブが流れてて、それが懐かし過ぎてずっと見てられるな…と思った。

 そして展示スペースと同じくらいグッズショップでウロウロ。さくらももこ先生が大好きだったという追分羊羹は絶対に買おうと思っていた。他にここに来て清水名物だと始めて知ったモツカレー、かわいいタオルハンカチにマンホールグッズまで購入。特にお気に入りなのがおくすり手帳入れ。

おくすり手帳入れが可愛すぎると思うの(右下)

 夕飯はさくらももこ先生が行きつけだったというおでん屋さん行く予定でいた。静岡駅近くの青葉町におでん街という場所があり、そこの黒はんぺんフライがお気に入りだったとか。実際に店の前まで行ってみて気が付く、いくら観光旅行とはいえ女一人ではすごくおでん屋に入りにくい…!

 いや、周りなんて気にするなよって思うのだけど実際そうはいかない。歪みない日本人の感性が発動してしまい断念。どこかで似たようなものが食べられるところはないかと探した。
 そして見つけた。かぶら屋を。

写真は大根と卵だけど、黒はんぺんフライもあった。

 かぶら屋って池袋(職場付近)にも近所にもあるじゃん!なんてツッコミはなし。清水で食べるからいいんだ!!いいんだよ!!美味しいし!!(言い聞かせる)
 次回は誰か一緒に行ってくれる人を見つけて再チャレンジしたい。

 二日目。今度はちょっとディープな旅。
ちびまる子ちゃんの舞台は入江町という場所。実際のさくら家はもうないけど、まるちゃんの通ってた小学校や神社はあるみたいなので行ってみることに。
 この日は午前中は雨模様。こんな天候で散策できるのか?と不安だけどやるしかない。ちなみにこの日の夜は以前noteに書いたCoccoのLIVEだった。本当に私の好きな事しかしない旅である。

 雨に降られながらも静鉄を待つとちびまる子ちゃん電車が!(静岡電鉄のラッピング電車)3月26日で運行終了の期間限定だったらしいので、ギリギリ乗れてよかった。

電車内はさすがに写真が撮りにくかったけど、つり革やアナウンスも全部まるちゃん!

 そして雨にも負けず入江町へ。昼頃ようやく雨が止んできた。
 入江町は車が多く、人は少ない。結構田舎の町。
 ちなみにまるちゃんに登場する入江小学校の実際の姿がこちら。

雨模様…
出典:『ちびまる子ちゃん』コミックス10巻より

 原作と見比べてみると、似てるようなそうでないような。多分連載で書きやすいようにデフォルメとかされてるんだろうな。

 そしてまるちゃんの中で登場するこくぞうさんという神社。実際場所がこちら。

正式には淡島神社という名前
出典:『ちびまる子ちゃん』コミックス10巻より

こくぞうさんの敷地内に大きなクスの木が。

静岡市の天然記念物指定になってる

 こくぞうさんか明記されてないけど、コミックス10巻にまるちゃんとたまちゃんがタイムカプセルを作って神社の木の下に埋める回がある。もしかしたらこの木の下に…なんていう夢を感じた。

 こちらの大きな川が、原作にも度々登場する巴川。
 川田さんが大事にしてるのがここなんだな。

この日は雨だったのでちょっと増水気味。

 コミックス2巻でこの川が大雨で洪水になった回が印象的だったのだけど、確かにここまで大きいと洪水した際の被害が大きそう。

出典:『ちびまる子ちゃん』コミックス2巻より

 そしてこの日のお昼もさくらももこ先生行きつけの食堂でえび天を食べる気でいたのだけど、なんとこの日はお休みだった!!!(確認しろよ)
 前日やってたらしいのでかぶら屋に行かずこっちに言っておけばサインのひとつでも拝めたのに…いや、かぶら屋も安くて美味しくていいんだよ!!
 結局静岡駅に戻りラーメンを食べることに。(そしてマンホールの写真を撮り忘れる。)

 いろいろできなかったことも多かったけど聖地巡礼って楽しい。見方によっては私しか楽しくないかもしれない。だからこそ一人旅で行くべし。

 三日目。最終日は何も予定を決めていなかったので、地図を眺めてたら見つけた「三保の松原」という場所へ。
 有名な景勝地で羽衣伝説の場所でもあるんだとか。

これぞ清水!

 この日は晴天。富士山がきれーい!
 三日目はかなり行き当たりばったりだったけどかなりいい感じになったんじゃないかな。

 そんな二泊三日の旅行でした。とても楽しかった。
 静岡いいところです。
 おでんとマンホールのリベンジをいつかしたい!!

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