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【菅原道真公 秋の名歌🍂】 このたびは 幣もとりあへず 手向山 もみぢの錦 神のまにまに
急に秋も進み、この間までの夏日が嘘のような気候となりました🍂
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今月の「秋奉 -紅葉-」特別御朱印では、当社御配神・菅原道真公が詠まれた百人一首でもおなじみの和歌を記しました。
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35歳の若さで学者として最高の権威・文章博士となった道真公。
日本史上に残る指折りの学者でしたので、尊敬をこめて「菅家」や「菅公」とも呼ばれます。
「このたびは」に込められた秋の情景
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このたびは |幣《ぬさ》もとりあへず |手向山《たむけやま》 もみぢの錦 神のまにまに 菅家(菅原道真)
【現代語訳】今回の旅は急のことで、(道中で道祖神に捧げる)御幣の用意もできませんでした。この錦のような手向山の紅葉を、どうぞ神様の御心のままにお受け取り下さい。
この歌は、宇多上皇の御幸(上位皇族の外出・旅行)に同行した際に詠まれた一首です。
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宇多上皇は道真公の才能を評価し、右大臣にまで取りたてた人物。
この御幸は道真公以外にも多数の歌人が御供した、とても盛大なものだったそうです…!
昔は旅に出る際に神様への捧げ物である「御幣」を携帯し、道中の道祖神にお供えすることで旅行の安全祈願をしていました。
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この歌では道真公が、御幣の代わりとして見事な紅葉を捧げる、秋の美しい紅葉の情景が思い浮かびます✨
道真公の表現力はさすがの一言。 道真公といえば「東風吹かば~」に代表するように、梅を詠んだ歌のイメージが強い方も多いかもしれませんが、この歌や「秋思詩」「九月十日」の詩など、秋を詠んだ歌にも素晴らしいものが沢山あるのです🎵
秋のえも言われぬ美しい景色を頂いた、そんな自然への返礼として雅楽を捧げる…というのが今月の特別御朱印のストーリー。
山の神様のために特別にあしらえた舞台で、雅楽を奉納する舞人たち。
秋の日差しをスポットライトのように浴び、演舞にも力が入ります…✨
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御配神の道真公は舞人の舞と、見事な大太鼓に関心を寄せています。
かたわらのウシは、落ち葉を拾い上げ秋の訪れを楽しんでいます♪
まだまだ続く山の神への宴は盛大に催され、来月の「銀杏」特別御朱印と見開き4面で繋がる仕様となります…🎵
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秋は春に植えた苗が実を結び、恵みとして享受できる季節。
4面で現れる、神様へ捧げる特別な宴を御朱印でお楽しみくださいね。