愛犬の幸せを考える 2

先日、いろいろと、いろいろと悩んで、結局ケア施設にワンコをお預けした。
といっても、いきなり終身でお預けするのではなく、まずは一週間お試しで様子をみてから…という感じでのスタートだった。
ただ、短い期間で自宅や施設を往復するとワンコさんの負担にもなると思い、最初の一週間で問題がなければそのまま終身契約に切り替える…、といった想定で施設の人とも話を進めた。

本人は初日こそ環境変化にすこし戸惑っていたようだが、次の日からはもう、のほほんとマイペースで暮らし始めた様子だった(SNSで毎日様子が見れる)。
高齢化で始まっていた認知症のお陰というのもアレだが、それでまわりの環境に対して鈍感になってくれているのかもしれない。
施設は基本的にノーゲージで、まわりに危害を与えないワンコ同士は触れ合える環境となっている。なので、もしかしたらじゃれ合う姿なんかもみれるかな、なんて期待もしていたが、そこはすでに老犬で足腰も弱っているので、残念ながら今のところそのような姿は見られず…(まだまだ日が浅いので今後はわからない)。
ただ、日々、他のコの輪にはいってウロウロしたり、大きなクッションで他のコと体を触れ合わせて眠る姿などは見ることができ、そのへんは施設でなければ見られぬ姿だったので、なんだかとても安心した。

一方、こちらはこちらで、自宅でなにか音がするたびワンコさんの気配を感じて、その度にいないことを思い出して悲しくなったりしつつ。
特に初日はワンコさんが使っていたタオルのニオイを嗅ぎながら自身の心を落ち着けたりして、さながら恋人に出ていかれた人のムーブをかましまくっていた。
しばらくは「やはり一度連れ戻そう」という気持ちが強かったが、預けることの発端となった自身の体調不良の症状なども出て、最終的には「やはり自分が倒れたりしてワンコさんに迷惑をかけたら元も子もないな」という気持ちのほうがつよくなった。
余談だが突発性の蕁麻疹も発症した。お医者さん曰く、アレルギー性ではない突発性のそれは、強いストレスでの発症もあるのだとか。
思い当たるフシは「ワンコさんと離れたこと」しかない!どれだけ愛しているのだ、と自分自身に苦笑しつつ、それでもまぁ、慣れていくしかない。

そしてもう一週間が経過し、面会にいった。
ワンコさんはこちらを見つけて駆け寄ってくることもなく(これは自宅にいたときからそう)、「あ、なんか知ってる人がいるなー」くらいのノリでこちらに寄ってきたり、また離れていったり。そんな、もはや未練も何も無い振る舞いをみて、うん、これならこっちのほうが十分幸せだろうな、と思い至った。
あとすでになんか施設のニオイになっていた。

自宅では食べムラがあったご飯もしっかり食べ、おトイレもしっかり出来、夜鳴きもほぼないそうで。見た感じも元気になっている。
元気ならうちでも世話ができるのでは…?なんて思いもよぎったが、おそらくはこの環境あってこそだ、と思い直し、そのまま終身の契約を結んだ。

離れてはいるものの、思い立ったらすぐに会いには行ける距離ではあるし、なんなら時折外泊なども可能らしい(とはいえやはり往復の環境変化は負担だろうし、外泊で自宅に帰れるのがうれしいだろうと思うのはただのこちらのエゴのように思う)。

自分は自分で自分の体のケアに集中も出来るし、いつかの未来で、今回のこの選択を悔いることはないだろう、そう願って、生きていくことにする。

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