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半年超の男性育休から復帰して、半年が経ちました

ご無沙汰しております。とても久しぶりにnoteを更新してみようと思います。

実は昨年6月、結婚5年目にして第一子を授かりました。とても元気な男の子です。妻の仕事の都合もあって、このタイミングとなりました。

で、妻が退院した6月下旬から半年を超える育休を取得

そして今年1月初旬に仕事復帰して、約半年が経ちました。

自分で言うのもどうかとは思いますが、一応、僕はワーカホリックと罵られながらも頑張って働いてきたタイプです。そんな僕が長期の男性育休を取得し、仕事復帰したという経験を踏まえて、少しばかり男性育休について綴ってみたいと思った次第です。

男性育休ではよく議題となる下記のような事柄に触れていきたいと思います。(下書き無しでズラズラと書いていくので、読みづらい点はご容赦ください)

  • 育休を取得した理由

  • 育休を取得した感想

    • 家庭面

    • 社会面

    • 経済面

    • 仕事面

  • 育休取得を迷っている方へのアドバイス

自己紹介:わりかしゴリゴリ働くタイプ(でした)

本題に行く前に、

  • 僕がどんな働き方をしてきたのか

  • 現在はどんな環境で働いているのか

といったことについて、簡単に触れておこうと思います。

まず、僕は新卒でとあるブラック ベンチャー企業に入社しています。入社当時で30名規模くらいだったでしょうか。

その会社ではマーケティング担当や事業責任者として働いていました。とても忙しい会社でして、初年度に丸一日休むことができたのは、日数でいうと片手に収まるくらい

とても無茶な働き方をしていたと思いますが、そのおかげで、様々な経験を積むことができ、またストレス耐性も身につきました。現在の僕が持つスキルの基礎は、ほとんどがこの会社で身についたものと言っても過言ではないでしょう。感謝しています(本当です)。

その後、現在の職場に入社しています。当時からすでにマザーズに上場していましたが、まだまだベンチャー企業としての側面が色濃く、実情はかなりぐちゃぐちゃ。ちなみに当時の社員数は50〜60人規模でした。

入社当初の僕はスキルが足りなかったこともあって、かなり長く働いてたと思います。当時は各社員の残業時間を見れるツールがあったんですが、常に長時間残業でトップ3に入っていました。土日も当たり前のように出勤して働いていましたしね。

しかし現在、市場変更により東証一部上場企業となったこともあって、残業時間にはかなり厳しくなりました。昔のような働き方をすると、こっぴどく叱られます。(実際に執行役員とかに怒鳴られたことが3回くらいあります。反省してないとか学ばないとかではないです)

今では月に10時間も残業してないんじゃないでしょうか。僕も大人になったものです。

育休を取得した3つの理由

今は落ち着いたとはいえ、働くのが好きな僕がなぜ育休を取得するに至ったのか

その理由が以下の3つです。

  1. 子供が好き

  2. 親を頼れない

  3. ルール決めへの参加

理由① 子供が好きだったから

一番大きいのはやはり「子供が好き」だからですね。非常にシンプルな理由です。

僕は2人姉弟の弟なんですが、昔から妹か弟が欲しくて。代わりにと言ってはなんですが、近所の子供をよく世話してるようなタイプでした。意外でしょう?

子供好きな僕が、なるべく多くの時間を我が子と過ごしたいと考えるのはとても自然な流れだったと思います。

理由② 親を頼ることができない環境だったから

僕も妻もすでに父親を亡くしています。母親はそれぞれ、現在もフルタイムで働いていますから、あまり頼ることができなかったんです。

それに我が子が産まれたのは2021年の6月。

そう、妊娠から出産まで、世は絶賛コロナ禍。そんな社会情勢もあり、親を頼るという選択肢はありませんでした。

となれば、夫婦2人でどうにかするしかないということで、僕も育休を取ろうかと考えたのです。

理由③ 家庭での育児ルールを決める側に立ちたかった

僕的にはこれも結構大きな理由です。

冒頭でお伝えした通り、今回が小野家の第一子。つまり我が家における育児ルールは、今回の出産を機に決まることになります。

もし僕が育児に最低限しか参加できないと、我が家の育児ルールは妻が全部1人で決めることになりますよね。だって、育児のほぼ全てを妻がやることになるんですから、当然だと思います。

僕はそれが嫌でした

妻からいちいち「あれはこう!」「これはこう!」とグチグチ言われたくない。自分自身も育児に参加して、ルールを一緒に決めていく立場になりたいと思ったんです。

「何事にも勝利する最大のコツはルールを決める立場に立ち続けることだ」と、死んだ婆ちゃんも言ってましたしね(嘘)。

育休を取得してわかったこと・感じたこと

そんなこんなで育休を取得したわけですが、悩んだ結果、半年という男性としては比較的長めと思われる期間の育休を取ることになりました。

それを踏まえて、いろいろとわかったこと・感じたことがあるので、それをご紹介したいと思います。

家庭面:1人で新生児の面倒は不可能&夫婦仲は良くなる気がする

まず声を大にして言いたいのですが、新生児を面倒を1人でみるのは不可能ではないでしょうか。

2〜3時間ごとにベストな温度に調整したミルクをつくって飲ませ、オムツを交換。泣いている子どもを寝かしつけ。ようやく寝たと思ったら、哺乳瓶を洗って消毒し、次のミルクのための準備。それが終わったら仮眠を取れるけど、連続で1時間も寝られれば良い方。ウトウトしている最中に子どもが泣き出したり、さっき飲んだばかりのミルクを吐き戻すなんてことも頻繁にある。子どもの面倒をみつつ、スキを見て家事や自分自身の食事・入浴なんかもこなす。

新生児の世話を1人でするって、こんな感じ(これでも控えめだと思う)。絶対無理ですよね。僕は妻と2人でやったわけですが、それでも大変でした。

まぁすごく大変なんですが、我が子の成長に立ち会えたのはとても良かったです。特に新生児期って1ヶ月しかないので、今思えば一瞬でした。赤ちゃんって本当にすぐに大きくなるので、見逃さずに済んで幸せだったと思います。

また、上記のような大変な生活を2人で乗り越えたことで、夫婦仲にもプラスになったかなと思います。

一緒に世話をする中で、育児ルールも自然とできていきました。僕自身が立ち会ってできたルールですので不満もなく、今でも快適な育児ライフを過ごしております

社会面:男性育休はマジで少数派らしい

僕「実は育休中で、半年ほどお休みしてるんです」

こう話すと、誰もが「スゴイですね!」「良い旦那さんですね!」と言ってくれます。

これは自治体や保育園の職員なんかも例外ではありませんでした。おそらく、(長期の)育休を取る男性がそれほど珍しいということなんだと思います。

個人的には男性育休がもっと普及して、このようなことを言われる機会が減って欲しいなと思います。

ただし現在の環境下において長期育休を取得したことで、少なからずドヤ顔をする機会に恵まれたのは幸運でした(心のなかでどう思われてるかはわかりませんけどね)。

経済面:育休はマジでお得な制度だと思う

これは個人の考えですが、育休は間違いなくお得な制度だと思います。

概算ですが、僕の場合ですと最終的に「20万円で半年超の休暇を買った」形になりました。

これを高いと感じるか、安いと感じるかはあなた次第。詳しくは後述します。

仕事面:ぶっちゃけ、出世には少なからず影響はあると思う

男性育休に対する最も大きな不安の1つが、「出世・昇給に悪影響なんじゃ?」ではないでしょうか。

正直、少なからず出世・昇給に悪影響だと思う、というのが僕の意見です。

まず、自分が長期育休を取得しても会社の業務は止まりません。したがって誰かが自分の代わりをする"臨時体制"を会社としてはつくる必要があります。この臨時体制は育休が長くなると"常態"になりますから、自分が戻ったときに全く同じ業務を担当できる保証はないと思います

また、特に僕が参加しているような急成長中の事業においては、半年も休んでしまうと様々なことが変わっており、完全に浦島太郎です。例えば僕の場合、自分が立ち上げた事業にもかかわらず、いろいろと周囲の方にサポートいただいてようやく復帰できた感じでした。慣れるのにはなかなかに時間がかかります。

さらに復帰直後は暇になりがちです。自分がいなくても大丈夫な体制ができていたわけですから、復帰したからといって急激に仕事が増えるなんてことも少ないんじゃないでしょうか。これは個人の能力はもちろん、職場環境や上長の性格、タイミングなんかによっても大きく変わると思いますけどね。

極めつけに賞与の金額が下がるリスクがあります。評価を決めるときに休んでいるので印象が薄いのか、賞与の金額が下がりやすい気がするんですよね。実際、僕は評価対象期間の1/4しか休んでいない&一定の成果も出ていたと思いますが、賞与の金額は前年の半額でした。(これはぶっちゃけ今でも納得してません)

というわけで、以上の点からも長期育休には

  • そもそもタイムロスになる

  • 担当業務から外されるリスク

  • 復帰後は暇になりがちで、調子を戻すのも大変

  • 重要案件から遠ざかりがちで、チャンスも減る

  • 評価期間中に休んでることで給与改定や賞与で不利

こういう側面があって、出世や昇給には少なからず悪影響があるんじゃないかと思った次第です。

幸運なことに僕は出世欲が無く、そこまでデメリットには感じませんでしたけど。

育休を取ろうか迷っている男性に伝えたい。男性が長期育休を取るうえでの4つのポイント

半年超の育休を取得し、職場復帰をした経験の中で、上述のようなことを感じてきました。

それを踏まえ、これから育休を取ろうか迷っている男性にお伝えしておきたいことが4つほどあります。結婚なんてまだ先だと思っている若いあなたも、ぜひ目を通してみてください。

  1. 育休には経済的メリットがある

  2. ただし長期育休には貯金が必要

  3. 振られた仕事を断ることも大切

  4. 家族との時間にまさる幸せはない(と思う)

ポイント① 育休の経済的メリットを活かせるよう事前確認がオススメ

上述しましたが、育休はお得な制度だと思います。

僕の場合ですと半年超の育休を取得して金銭的な損失は20万円ほどに収まりました。もちろん育休中は働いておらず、給料はゼロにも関わらず、です。

なぜこんなことになるかと言いますと、長期育休により下記のような経済的メリットが得られるためです。

  • 育休期間中は社会保険料が免除される

  • 育児休業給付金は手取り収入の約8割で、非課税

  • 所得の減少により翌年の住民税や保育料が減額される

これらを合計すると100万円を余裕で超える金銭的メリットが得られました。育休を取らずに働き続けた場合と比較しても、20万円の赤字で済んだということです(ただし昇給などは考慮してません)。先述した通り賞与がかなり減っていたので、仮にそれが無ければ、プラスになっていた可能性もあります

結果的に「20万円で半年間の休みを買った」形となったわけですが、これが高いか安いかは意見が分かれるかもしれませんね。

少なくとも僕にとっては超お買得です。楽天スーパーセールも真っ青。今後もチャンスに恵まれれば間違いなく買います。

なお育休による収支の変動は、現在の所得や会社・自治体の規定などによって大きく変わります。また今年4月に育休法が改正されてるので、僕のときとは微妙に条件等が変わっている可能性もありますね。

もしも経済的観点から育休の取得を悩んでいるのなら、自分の場合はどうなるのかを試算してから検討しても、遅くはないと思います。(僕は自分で計算した上で育休期間を決めました)

ポイント② ただし長期育休を男性が取るなら、最低でも生活費3ヶ月分の貯金は用意しよう

上述した収支の計算は【翌年度】の住民税や保育料も加味して、2年ほどの期間で計算しています。つまりそこそこ長期的な収支ということです。

短期的に見ると育休はわりかし家計にダメージがあります。笑

子どもが産まれる際は少なからず妻側も産休・育休を取りますよね。そこでさらに男性が育休を取ると、家計の収入が途絶えることになります。

そこで頼りになるのが"育児休業給付金"ですが、初回の支払いは産休・育休に入ってから3ヶ月後くらいです。また育休の長さによっては年度内の住民税の一括支払いを自治体から求められることも多いです。さらに出産費用や育児用品の購入費など、支出も増えます。

というわけで、育休に入って最初の数ヶ月ほどは家計の収支が著しく悪化するんです。男性が長期の育休を取得するなら、最低でも3ヶ月、できれば半年ほどは収入ゼロでも家族が生活できるだけの貯金を用意することをオススメしたいですね。

ポイント③ タイミングによっては、頼まれた仕事を断る必要もある

一昨年の12月、上長から新規サービスのPdM(サービス責任者だと思ってください)を担当するよう打診がありました。僕が育休に入る半年ほど前のことです。

開発規模的に育休前にサービスインできるか微妙なタイミング。というか、もしも予定日より前に、妻や子どもの身に万が一があれば、当然僕は家庭を優先するでしょうから、そのプロジェクトは結構ヤバいことになるでしょう。

そこで、妻の妊娠と育休を取得したいと考えている旨を伝え、上記のようなリスクも話したうえで、断ったんです。

でもまぁ、他にやる人がいないということで、結局は担当することになりました。そして幸い、結果的にはサービスインにギリギリで間に合いました。

しかしリリース直後に育休に入ってしまったものですから、やっぱり他のメンバーの負担は相当なものだったようで・・・。これには申し訳ない気持ちでいっぱいです。(一応、数ヶ月かけて僕の代わりを務められるメンバーも準備したんですけどね)

僕の場合はギリギリどうにかなりましたけど、本当に紙一重だったと思います。赤ちゃんがいつ産まれるかなんて誰もわかりませんから、仕事的に最悪のタイミングで産まれてしまったかもしれませんし、妻が入院なんてこともあり得たと思います。もしそうなっていたら、メンバーに迷惑をかけるどころの話じゃなくなってきます。

そのため育休の取得を考えるなら、上長にだけはなるべく早めに伝えたほうが良いと思います。そして状況に応じて新規の大きな仕事は断る覚悟が必要です。

ポイント④ それでも家族との時間に勝る幸せはない(と思います)

新生児の世話は本当にしんどいです。笑

ですが、そんな日々を夫婦2人で乗り切ったというのは、個人的にとても良い思い出になりました。20年後くらいに子供が巣立ったとき、妻と「あのときは大変だったね」と笑い合うのが楽しみです。

また子どもが「赤ちゃん」でいてくれる時間というのは、想像以上に短いです。上述しましたが、新生児の期間なんて1ヶ月しかありません。その貴重な瞬間に立ち会えたというのは、とても喜ばしいことでした。

今まで仕事ばっかしてたように思いますが、まとまった家族との時間を取ってみて、とても幸せでしたので、強くオススメしたいと思います。

男性育休、「3ヶ月」がオススメ。無理なら退院後1ヶ月ほどあると良いと思います

で、結局は男性にどのくらいの育休を勧めたいのかと言いますと・・・夫婦2人だけで面倒を見るなら3ヶ月以上の育休がオススメですね。

3ヶ月ほどあれば子どもも比較的大きくなり、睡眠時間なんかも落ち着いてきます。奥さん1人だけでも、どうにか世話をできるレベルになるでしょう。

ただし長期育休が取れる職場ばかりじゃないでしょうから・・・

その場合は、奥さんの退院から1ヶ月を目処とするのが良いと思います。退院から1ヶ月ほど経てば、奥さんの体調もかなりマシになっているはずですから、あとは気合とお金で解決できると思います。

まとめ:世の男性のほとんどには、育休取得をオススメしたい

僕、お恥ずかしながら、もともと「男性も育休を取れる」ってことすら知らなかったんですよね。

現在の職場に入社した直後、僕の面接官もしてくれた男性社員が半年間の育休に入られまして。それで「あ、男も育休って取れるんだ」って気づいたんです。

それ以来、ずーっと「将来的には自分も育休を取ろう」と思っていたわけですが、ついに実現しました。実はビジネス系職種ではおそらく僕が初の男性の長期育休だったと思います。

が、上述の先輩社員を含め、技術職ではそこそこ長めの育休を取る方もいました。そういった先人たちのおかげで、僕もわりとすんなり育休を取ることができました。

育休を終えて半年が経ち・・・もう1度育休に入りたい気持ちでいっぱいです。笑

経済的なデメリットもそれほど大きくはありませんし、ぜひ世の男性には育休を取得して欲しいと思います。

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小野 修嗣
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