MIU404見た 2024/07/15

見ました。見たら面白いのはわかりきっていたが見れずにいた……。11話のドラマで二の足踏んでたら海外ドラマなんて一生見れねえな(実際ザ・ボーイズとかゲームオブスローンズとか止まってる)。

てかアンナチュラル見たの2020年!?!?!?!?! 嘘だろ、マジでか? 

まあそれはいいや、これで来月「ラストマイル」を見に行けるぜ。1話ごと一口感想言って終わりにするか。ネタバレあります。


1話

刑事モノの1話として構成が完璧すぎる……!  カッコいい女隊長率いる新設機動部隊で、何か抱えてそうな切れ者刑事と熱血直情刑事がタッグ結成! 二人の強みを見せつつ、危うさも描いて、冒頭の伏線を終盤で回収! みたいな。基本このドラマ構成としてはめちゃわかりやすいのがすごいよなー。

2話

冷静に考えればいやそんなことある!? って話なんだけど、ずっと謝ってもらえず他責思考になって道を踏み外してしまった男と、謝る先を永遠に失ってしまった夫婦の出会いで泣かないのは不可能です。最後「ごめんね!」っていう心からの叫びに深々と頭を下げるシーンは良すぎる……。代償行為だとしても、折り合いをつけて生きていくしか無いということでもある。

3話

少年犯罪と少年法に対する機捜メンバーと九重の向き合い方の差異がああ回収されるのはおもしろすぎる……! さらに一人逃がしたことで作品に通る縦軸もしっかり動かしていくのが恐ろしいワザマエ。イタズラ通報という言ったらしょうもない犯罪内容で「こういう経緯ならやっても仕方ないか……」「いや、許される行為じゃない……!」みたいな気持ちを呼び起こすってすごい。

4話

マジで悲しくて美しい話……! 通して見るとわかるけど、このドラマに出てる女性は皆悲劇のヒロインになることを拒絶して自分の意思で抗う人たちなんだなあ。余命幾ばくもない中で、今自分ができるもっとも善き行いを世界に対する反抗、あるいは復讐に出来る魂、気高すぎます。稲妻のように生きていたいだけ。

5話

答えが出ない問題過ぎる……! いや、答えは出ている。皆で向き合って、不断の努力と相互理解を続けて、負担(あるいは不便)を均等に分け合うしか無い……! この話を酒かなんか飲みながら見て「答えが出ない問題やなあ」という感想を抱くこと自体がおれたち全員の罪だ。ということを大して不自由もない生活の中で書いている。どこまで行っても……。

6話

志摩の悲しき過去……。 自らの正義に焼かれて死んだ相棒が最後に遺したもの、守った命……。「俺は警察だ!」理想と希望が輝いて燃え尽きる瞬間……。いやーめちゃくちゃ好きな話ですね。警察側も犯人側も愚かで失敗をし続けるっていうことを示す回でもある。

7話

この回一番なに!? 謎の女装コスプレ弁護士もトランクルームに10年住んで異様に強くなった(!?)逃亡犯も、キングヌーも、オチのライブも意味わかんなすぎる。最近ベイビーわるきゅーれも見たんですが、この回の逃亡犯とラスボスが同じ俳優さんなんですよね……。アクションが凄い人だしいつか逆に主役とかでも見たい。

8話

キッチィ~! 一線を超えてしまうか踏みとどまるかの話を続けてきて、ここで「自らの覚悟ですべてを捨てて線を超える」人を描くのもキチィし、それが伊吹にとって一番の恩人であるってのもキチィ。ひき逃げ犯が最後まで「殺す気はなかった」って言ってたのが最悪だよな。殺意を認めて許しを請うわけですらなくて「そんなつもりじゃない」って言い続けて一生反省しないやつをどうやって赦せばいい? そんなことはわからないし、法律はそういう気持ちに回答を与えるものではない……。UDIラボと中堂さんが活躍してキャッキャしてたら犯人は踏みとどまれなかった中堂さんIFそのものって、脚本家はクロスオーバーの悪魔か何かか? ラストマイル、不安になってきたんですが……。

9話

ハムちゃんさん、メンタル強者すぎる……! 俺はハムちゃんが自分の状況を省みつつも助けに行った(結果として罠にハマった)のもすごくわかる。もともとダブルワークして生きていくほど自立心が強く、命の危機があるのもわかりながら警察に事情を話すほど正義感の強い人が、ただ逃げ惑うだけの悲劇のヒロインに押し込められて平気なわけはないと思うんだよな。警察内部で戦うききょうさんもそうだし、男バディの話でもあるけど反骨心あふれる強い女性たちの物語でもある。だからこそ成川くんもやっと心から自分の罪に向き合うことができたんだと思うしな。九重の成長も良かった……。うどん作ったりもそうだけど、むしろ地金は心優しくて熱い九州の男なんだよな。

10話

インターネット、ユーチューバー……! 許せねえ! みたいなところからインガオホーもちゃんと見せつついつのまにか味方寄りに変える、みたいなテクめちゃくちゃ得意ですよね。アンナチュラルの検事とかもそうだったけど……。酔ったききょうさんに仏壇の前に連れてかれる志摩おもしろかわいそうすぎる……。これは本当に刺されかねないですが好みの話なので聞き流してほしいのですが、男バディは男バディであってそれぞれ好きな女がいるみたいなの、好きなんですよね(女性バディでもそれぞれに好きな男とか彼氏いるほうが好み)。あ! 怒んないで!

最終回

シャブ漬けになった志摩と伊吹がそれぞれ最悪な幻覚を見るけど実際にはそこまで派手なことはなくて(その方が合理的だからだと思う)、海に捨てられにいくだけだった……みたいなの、最初はよくわかんなかったけど1時間くらい経ったらわかってきた。久住(仮名)は要するに個々人の裡に潜む冷笑、悪意、諦観、予防線、現実を追認して楽になりたいという気持ち……みたいなものの象徴として存在していて、追い込まれた中で志摩も伊吹もそれぞれ「久住的なモノ」を自分の中に感じていたからああいう幻覚を見たんだなと思う。捕まったあとも自分の履歴を一切語らず「俺はお前たちの物語にはならない」と言い放ったことからもそれがわかる。久住は、現実は、人間はどうしたって最悪なんだという事実を事実として確定させるために、指向性のない悪意そのものになりたかったのかなと思う。それを彼は神と呼んでいるんだろう。世界中に広がった分薄くて見えなくなったデスゲームのマスターみたいな感じ(伝わるかこれ?)。ほんで、それに対して「それでも」と抗う男たち女たちの話ということなんだなあ。それにしても久住の倒し方はオシャレやった。機転を効かせて相手の正義を利用したと思った瞬間、シャブ漬けでパーになった連中を見た時の表情! これはすごい……。ラスボスの倒し方としてめっちゃカッコいい。あとメロンパン号が最後間に合うのも、オタクのくすぐり方わかってますねえ! という感じで良かった。

以上!


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