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焼きそばの果てしなき旅【その86・マルタイ焼きそば】
カップ麺のマルタイ焼きそばと云うのを戴いた。出ていたのは知っていたけれどなかなか見つからずにいたものだ。即席マルタイラーメンは1959年(昭和34年)に発売されたロングセラー商品。通称棒ラーメン。僕が子供の頃にも家にあったのを覚えている。馴染み深いインスタント麺だ。こちらはそれの汁なし焼きそばカップである。早速戴いてみることにした。
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現在はこうしたカップ麺などはサンヨー食品の工場で委託製造されているそうな。パッケージデザインもなかなか良いと思う。
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粉末スープと調味油のコンビネーションは棒ラーメンと同じ。
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かやくも入っている。かやくを麺の上にあけて、お湯を注いで3分待つ。3分経ったら粉末スープと調味油を入れて混ぜて出来上がり。
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こんな風に出来上がる。かやくのキャベツは上の方に箸で配置して写真を撮った。大体麺の下に隠れてしまっていて、食べ終える寸前にかやくだけ残っていたのを食べねばならないのはどうにかならないものか。これは全てのカップ焼きそばに共通する問題化と思われる。解決したらノーベル賞をもらえたりしないだろうか。
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カップ焼きそばのかやくを満遍なく行き渡らせる技術を開発してノーベル賞を受賞するとして、何部門で受賞するであろうか。物理学賞か。やはり平和賞であろうか。がんばって開発しようと思う。
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ウマウマウー。うむうむ。マルタイラーメンの味がする。とても美味しい。でもちょっと待て。何かが腑に落ちない。それは何だろうと考えた。
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麺が違う。明らかに違う。このウェーブのかかった麺ではマルタイらしくないと思う。味は美味しい。だけどあの真っ直ぐな麺でないといけないのではないか。如何なものだろうか。文句を云うだけなら誰でも出来る。ここから僕は即座に検証作業へと移行したのだ。
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棒ラーメンが台所にあった。探すと必ずあるのである。生の風味。煮込み3分、味一流。生の風味とは何を指して生と規定しているのか。味一流の一流とはどの辺りのレベルを想定しているのか。その場合の二流はどう云ったものなのか。超一流や三流、そうしたものは存在するのか。いつも余計なことばかり考えていてすみません。
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真っ直ぐな麺と、粉末スープと調味油のセット。麺を茹で上げて、それを調味油で炒めたら焼きそばになるであろう。調味油だけではちょっと足りないかも知れないと思い、少量のオリーブ油を追加して作った。粉末スープは半分くらい入れて、味が足りなかったら追加することにした。
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思い付きで作った自作マルタイ焼きそば。こんな風に出来上がった。あまり焼きそばっぽく見えないが焼きそばである。
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以前博多天神の屋台で焼きラーメンなるものを戴いたことがあるが、こんな殺風景なものではなかった。具を入れねばならぬか。そうか。それでもまずはこれで味見をしてみる。イタダキマス。
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ウマウマウー。こう来なくっちゃ。この麺の真っ直ぐな感じですよ。これこそがマルタイであると思う。味付けを控えめにしたのも好判断。自画自賛ばかりで申し訳ないが、これは格別にウマイ。今までこうして作ってみなかったことを悔やんだ。ああ悔しい。
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大変にウマイが、もっと焼きそばっぽくしてみたくなった。2食入りだから麺がもう一把ある。作りましょう。
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キャベツを入れましょう。こうやって細めに切っておけばすぐに火も通る。ずぼら方式で麺と一緒に茹でちゃうことにする。
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ここのところこうやって色々試してみる時間がある。有り難いことだ。余計なことを考えているとすぐに3分経ってしまう。麺とキャベツをザルにあけて、オリーブ油をフライパンで熱して、麺とキャベツを炒めて、調味油と粉末スープで味付け完了。出来上がりである。
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続・自作マルタイ焼きそばの出来上がりである。シンでも良いが続の方がマカロニウエスタンっぽくて好きである。趣味のなるとも載せてみた。これですっかり華やかになった。よしよし。
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前作よりもオリーブ油の量は多くした。ちゃんとチリチリと音がするまで焼いてみたのである。これでどうだろうか。
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ウマウマウー。こりゃウマイ。簡単にできて、マルタイらしい味も楽しめて、麺の真っ直ぐさに歓びを感じつつ、そしてちゃんと焼きそばである。これを作ってから、ネットでマルタイラーメンのアレンジレシピなどを見てみたら、やはり皆さん考えることは同じで、焼きそばとして作っておられる方がかなりおられた。そりゃそうよね。大変に参考になった。今後の糧にしたいと思う。
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これにもう少し要素を増やして、シン・自作マルタイ焼きそばを作ってみようと思う。今回はここまで。こんな行き当たりばったりの内容ですみません。いつもそうか。そうですよね。まだまだ精進します。焼きそばの果てしなき旅はまだまだ続きます。
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