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焼きそばの果てしなき旅【その27】

僕の焼きそばの旅で2度ほどご紹介した北海道美唄市『角屋』のやきそば。最初は有楽町の北海道アンテナショップで偶然に出逢い、食べてみてとても気に入った (【その2】)。そしてこれはそのまま焼いたりせずに食べるのだと云うしきたりを検証すべくそのまま食べてもみた(【その5】)。もう一度食べてみようと思い立って、アンテナショップに行くもその日は残念ながら売り切れ。ならばAmazonで取り寄せるしかあるまい。そして今回は他に二つあるやきそばのバリエーションも入手したのでそちらもご紹介する。

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美唄市角屋の焼きそば3種類がセットに!袋入り焼きそばセット(3種×3袋)計9袋」と云う商品タイトル。僕が心奪われた赤のやきそば、そして塩やきそば石炭やきそばの3種類。塩と石炭には紅生姜は付いておりません。

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早速塩やきそばから作ってみよう。

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作るもなにも、フライパンを熱してそこでほぐしながら炒めるだけ。麺に油がまぶしてあるので、テフロン加工のフライパンなら改めて油を入れる必要もナシ。弱火でほぐしながら炒めれば出来上がり。

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なかなか素っ気ないルックスではある。

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細かいネギの存在がお判りになるだろうか。このネギが味のポイント。

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おおウマイ。シンプルな塩味にネギの少しワイルドな風味と香りがナイスマッチでウマウマウー。このシンプルさは食欲に歯止めが利かなくなるヤバイヤツ系。食べながら昔ながらの喫茶店のバジリコスパゲティを思い出して、そちらもまた食べたくなってきた。ジャポネではなくさぼうる2の方。これだけで通じた方は僕の心のスパ友です。

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そして炒めずに食べるのもやってみた。うーん。炒めた方がイイと思います。

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続いては石炭やきそば。本気で真っ黒だ。石炭と云っても使われているのは食用の竹炭パウダー。炭鉱のあった街の商品と云うことで石炭の黒をイメージしておられるとのこと。イカスミより黒いと思う。漆黒と云う言葉は使えるだろうか。

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テフロン加工の黒と相俟って更に真っ黒だ。炒め油必要ナシ。じっくりほぐしながら炒めれば出来上がり。

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それにしても黒い。昔の僕だったら色だけで遠慮する。だって黒いでしょ。黒いと苦いでしょ。そう云う思い込みがあった。イカスミスパゲティなどで黒くても苦くないどころかウマイと認識出来ているので、この黒い石炭やきそばも大丈夫。人間なんてちょっとした思い込みで大半が出来上がっている。チョロいもんだよね人間。チョロいのは自分だけか。失礼しました。あーチョロチョロ。

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そう云えば2017年に閉店した神戸新開地の食堂『トシヤ』の名物「そば焼き」が真っ黒だったのを思い出した。ソース味だけれど麺は何と日本そばの麺であった。以前食べた時にその真っ黒さにビックリしたが、更に定食でご飯と味噌汁が付いてきたのにのビックリした。「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」なんて交通標語が昔あったのだけれど、いえいえ日本は狭くない、山一つ越えれば別の国(それはちょとオーバーか)、日本は広いのだ。日本のあちこちへ行けば行くほどに広いなあと実感する。またこの広い日本を巡り歩きたい。旅に出たい。その日が来るまでもうちっとガマンすべし。

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お箸も黒いので何が何やらの写真だけれど、味はウマウマウー。穏やかな味わい。イカスミのような深い旨味はないけれど、ああ角屋の味だなと納得。それにしてもこの真っ黒さを何とか緩和出来ないものだろうか。具をいれてみようか。トッピングか。

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お馴染みナルトの登場です。キャベツも入れた。何となく良いような気もするし、逸脱してしまっている気もする。

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キャベツだのナルトだの出逢う機会はあまりないだろうから勘弁してください。アイムソーリー。

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そうかそうか。麺に味付けがされているのでキャベツには味が回らないのか。ナルトは載せただけなので更に味わいに影響力少なし。でもウマウマウー。しっかり炒めた方が麺がキュッと締まるのだけれど、味わいや香りは炒めすぎない方が残る。ここはお気に召すまま。Any Way You Want It、はジャーニーの曲。この曲が収録されていたアルバム名がパッと頭に浮かんだ人は僕のジャニ友です。

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そして真打ち登場。オリジナル復刻版、角屋のやきそば。食べたかったんだよねこれ。

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オリジナルの方のパッケージには<フライパンでいためてお召し上がりください>とある。

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これが塩と石炭の方には<フライパンで炒めて頂けると、いっそう美味しく召し上がれます>とある。やはり炒めずに食べる人が多いからなのか、炒めた方が美味しいですよと炒めアピールの度合いが親密になってきている。オリジナルの方の文言は、炒めてくださいね自己責任ですよ、そのまま食べるのならどうぞと云う自助方面のちょっと突き放した物云いに思える。後者の方が共助、なんなら公助も視野に入れますよと云うこのご時世にマッチした文言ではないかと思う。すみません云い回しの違いがちょっと気になっただけです。あまり深く考えないでください。僕も考えていません。

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そんなわけでこちらもフライパンでほぐしながら炒めて、紅生姜を載せて出来上がり。このビジュアル、秀逸だと思いませんか。そうでもないですか。そうですか。

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よく見てください。やはり秀逸でしょ。

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ウマウマウー。薄味です。でもとても良い香りがします。麺の素っ気ないようなそれでいて笑顔が優しいようなそんな感じがとてもスキです。量も少なめなのでおやつ感覚でピッタリ。これをあまりカスタマイズするのは得策でないと思いつつも、やってみたいことが一つだけある。それをやってみよう。

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目玉焼きをのせてみた。ナイスビジュアルでしょ。

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僕はパッと目玉焼きを焼ける人間になることが出来た。自分の人生において前半の玉子断固拒否の姿勢から、許容もしくは歓迎の後半から現在にかけての成長を再確認し、ここに慶びの意を表するものである。皆さんに感謝を伝えたい。ありがとうございます。

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一つだけ。冷蔵状態で届いたやきそばはかなり圧がかかっていてギュッと麺がくっついている。アンテナショップで買ったのはすぐにほぐれたのだけれど、届いたのは麺をほぐすのにちょっと時間がかかった気がする。そして冷蔵庫で何日か保存した後ではくっつき度合いも顕著になる。なかなかほぐれない。固まった状態でフライパンにころんと転がっている状態。どうすべきか。これはじっくりじっくりとほぐすしか手はない。やきそばのパックを電子レンジで温めてから炒める手順だとだと風味が少し損なわれるような気がした。なのでフライパンでほぐすの一手かと思われる。人の心もやきそばもじっくりと炒めてほぐせばきっと最後は綺麗にほぐれる。その時が来るのを信じて根気よく慌てずに対したいと思う。今日は本当に何を云っているんだ自分。

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ウマウマウー。目玉焼き合います。だけどやきそば自体の香り一部が、多分ソースの中のニッキの香りだと思うのだけれど、それがカバーされてしまってちょっと残念。そうかそうか。お取り寄せは手軽だけれど、やはりアンテナショップなどで買った方が状態が少しだけ良いように思えるので、また楽しみに店舗を覗いてみることにする。僕はすっかり角屋のやきそばにもハマってしまった。また食べます。

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次回はまた袋麺ワールドに帰還予定。焼きそばの果てしなき旅はまだまだ続きます。

【索引】焼きそばの果てしなき旅

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小野瀬雅生
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