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焼きそばの果てしなき旅【その76・京都西院野口商店もうすぐ閉店】

取り急ぎのことを取り急ぎ書く。先日京都に行った際に西院にある『野口商店』に伺って焼きそばを食べて来た。大変に歴史のあるお店なのだが、2023年3月31日をもって閉店されることとなった。残念なことではあるが、ご店主も高齢で(ほぼ一人でやっておられる)体力的にもかなり難儀とのことである。ゆっくりと休んで戴きたい。まだこの文章を書いている時点で閉店まで10日ほどあるけれど。お疲れさまでした。

野口商店外観

創業は昭和23年(西暦1948年)。75年間営業されていたのだ。凄いことであると思う。僕がこのお店を知ったのは2021年4月。つい先日のことである。この店構えに様々な妖気を感じつつも入店して、焼きそばを戴いた。あまりに気に入ったので2日連続で伺った。以来、訪問すること6度。今回のこの6度目が最後の訪問になると思う。長い歴史の最後のところにちょっとだけお邪魔した格好となった。

焼きそばミックス大盛

初訪問からずっと食べ続けたのがこの焼きそばミックス。具がイカ、豚肉、牛肉のミックスである。豚肉と牛肉が両方入っていると云うのは珍しい。ここだけかも知れない。テーブル席に鉄板はあるけれど、焼きそばは店内奥の鉄板で作られて、こうして皿盛になって提供される。最後なので大盛にしておいた。大盛と云ってもそんなに多くはないので、もっと早く大盛にしておけば良かったと思った。

焼きそばミックス大盛

玉子はご覧の通り黄身は潰され、それでもスクランブルにすることはなく、焼かれてある。オールドスタイル。半熟など最近の流行であろう。それではイタダキマス。

焼そばミックス大盛を食らう

ウマウマウー。ソースはたっぷり使われているが、香りに角があったり味が濃すぎたりと云うことは皆無。とてもフレンドリーでスッキリした味わいだ。中太の麺が大変に美味しい。麺の美味しさをソースの按配が見事に引き出している。これはウマイ、本当にウマイ。焼そばミックスブラボー

焼そばミックス大盛を食らう

ウマウマウー。豚肉と牛肉の混在は全く気にならない。お肉がいっぱい入っているなと云う感じでしかない。その融和を促進しているであろう存在が長ネギ。しっかり炒められた長ネギの旨味が、ソースの影で見事に繋ぎ役をしてくれている。この不思議な平和観に僕は心を奪われたのだ。ミックスブラボー。

焼そばミックス大盛を食らう

ウマウマウー。混沌としているようで混沌のまま整然としている。説明は無用。ただひたすらウマイウマイと食べ進めるのみ。ここで焼きそばを食べているこの時間、心から幸せなひとときであった。感謝します。野口商店の焼きそばブラボー。

完食

美味しかったです! 御馳走様でした!

閉店のお知らせ

僕が訪問した時は満席で、ご店主の提供も丁寧にゆっくりなので、店の前で20分程待っていたであろうか。お孫さん(かな)が「もう少しお待ちください」と声をかけてくださった。たぶんこうした文章やディスプレイも若い彼が手がけておられるのだろう。

お知らせ

FINALである。全員集合である。

お知らせ

なかなかセンスのあるポップだと思う。

お知らせ

こちらこそありがとうございました。

メニュー表

お好み焼きは食べず仕舞いだった。よく見ると丁寧に牛の字が消してある。ファイナルは牛肉抜きだったか。まあよかろう。

暖簾

やきそばの四文字がとても雄弁でとてもさりげない。そして何と嬉しい四文字であろうか。

手ぬぐい

帰りに手ぬぐいを戴いた。100年先もこの場所で、とあるがそれは叶わぬ夢となった。あと10日ほど、元気に営業して戴きたい。焼きそばの本に掲載許可をくださってありがとうございました。最後にちょっとお話が出来て嬉しかったです。そして僕の焼きそばの果てしなき旅はまだまだ続きます。

野口商店
京都府京都市右京区西院西三蔵町24
11:30〜21:00
不定休
2023年3月いっぱいで閉店

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小野瀬雅生
末永くがんばりますのでご支援よろしくお願い致します♫