焼きそばの果てしなき旅【その56・焼きそばライスを考える】
焼きそばとご飯。焼きそばとご飯。ずっとその関係性について考えている。世の中には焼きそばをおかずにご飯を食べる風習と云うか習慣と云うか、それが極めて普遍的に存在するのだと云うことを最近思い知った。僕的には今まで馴染みのなかった焼きそばとご飯の関係性なのだ。焼きそばは焼きそばで独立したものだと云う認識が今でも強くある。それが全国を見回すと焼きそばをおかずにした定食が多々存在することに驚く。外食だけでなく家庭でも極めて普通の取り合わせであり、何ら驚くべきことではないようなのだ。そして極めつけが富士宮の『鉄板焼ちゃん』で出会った焼そば丼であり、札幌の『焼そばランラン』で出会った焼そばライスである。
まずは富士宮『鉄板焼ちゃん』の焼そば丼。これはかなり具だくさんで焼きそばの麺自体はトッピングの完全なる主役ではないように思える。それでも富士宮やきそばのあの麺のくきくきとした食感とご飯との取り合わせがかなり衝撃的であったのは間違いない。僕の今年のトピックスの一つである。
そして札幌『焼そばランラン』の焼そばライス。この衝撃的なルックスに出会ったことも今年の重大なトピックス。カレーライスのカレー部分が焼きそばになっている。手前の魚肉ソーセージソテーはオプション。今度伺ったらオプションナシの写真も撮らなくてはならない。
焼きそばと同時にライスを食べる。当たり前のことを書いているようだけれど、僕にとっては青天の霹靂のような、銀河系と銀河系が衝突するような、そんな気持ちになった。確かに合う。焼きそばをおかずにすることの不思議さ。そしてまだ多少の違和感を払拭することが出来ていない。これを自分で作るのだとしたら、僕はどうするだろう。そこに興味があったので幾つか焼きそばライスを作ってみた。
まずは物凄く手抜きのところから始めてみよう。冷凍食品の日清焼そばをコンビニで買ってきた。電子レンジで簡単に出来上がり。
あとはレトルトのサトウのごはんと、毎度お馴染み岩下の新生姜スライスを以て準備完了。組み合わせれば完成となる。カンターン。
焼きそばライス・冷食の日清焼そばバージョン。『ランラン』の焼そばライスと違うのは焼きそばとご飯の左右逆転しているところ。僕的にはカレーライスのカレーは右側と云う信条があるので、その信条に従ってみた。魚肉ソーセージパートを岩下の新生姜にリプレイスしても同じピンク色でなかなか良いアイディアだと自画自賛している。
色彩的にもなかなか良いと思う。早速戴いてみる。
ウマウマウー。冷食の日清焼そば、なかなかウマイ。でもご飯と一緒となるとちょっと素っ気ないような気もする。焼きそばは焼きそばとして完結している。ご飯との補完関係が築けていない。さあどうしたものか。
そこで日清焼そばの袋麺タイプ登場である。これも非常に簡単に出来る。ご飯に載せてみよう。
具も何も入れずに作ってみる。具が入るとその具自体がご飯のおかずになってしまう懸念があるのだ。あくまでも麺をおかずにと考えてみる。
焼きそばライス・日清焼そばの袋麺タイプバージョン。付属の青海苔のカラーがとってもステキ。大変に美味しそうに見えるが如何だろうか。イタダキマス。
ウマウマウー。日清焼きそばウマイ。だけどご飯との関係性は個人的には解決出来なかった。焼きそばは焼きそばなのだった。もっと簡単に出来て小ネタ程度に扱おうと思っていた焼きそばライスがなかなかの難問であったのだ。方向性を変えてみよう。
それならやはりマルちゃん焼そばにご登場願おう。これをご飯のおかずにしている方は日本にはかなりおられるのではないか。僕は勝手にそんな予測をしているのだけれど如何なものだろうか。具として肉も入れて野菜も入れてとなればご飯のおかずとしてしっかり成り立つであろうことは予測出来る。でも僕が検証したいのは、麺とソースとご飯、その関係性なのだ。
焼きそばライス・マルちゃん焼そばバージョン。具をキャベツだけに限定して作った。さあどうだ。イタダキマス。
ウマウマウー。焼きそばはウマイ。ヒジョーにウマイ。ただご飯と一緒となると、ああ、そうなのか。僕にとってマルちゃん焼そばは子供の頃から食べ付けていて、その頃からの経験値や思い込みが多々あって、ご飯との新たなる関係性を新たに築くことは出来なかった。これはとても個人的なことだと思う。そしてもしかしたら粉末ソースの味わいが、僕にとっては完全体的なものなのであるのかも知れない。以前マルちゃん焼そばの粉末ソースを使ってヤキメシを作った時にかなり違和感を感じたことを思い出した。そうだったそうだった。何にでも使えそうだと思って買った粉末ソース1kgの袋がどこかにしまってある。全然使っていない。あれをこれからどうしようか。年末年始によく考えてみよう。課題が出来た。それも難題だ。
それならば液体ソース方面に行ってみるしかない。宮城の『めんのマルニ』製深蒸し焼そばがたまたま我が焼きそばストックの手前にあったのでこれで行ってみよう。
焼きそばライス・めんのマルニ深蒸し焼そばバージョン。やはり液体ソース方面は麺の照りが違います。イタダキマス。
ウマウマウー。来た来た来た。液体ソースだ。ちょっと甘味の多いマルニの液体ソースが麺にしっかり絡んで、これはご飯との関係性がバッチリであると思う。そうかそうか。急に視野が開けて広い平原に出たような気分である。味覚やセンスの合う合わないは大変に個人的なものだから、これが完全な正解とは云えないけれど、僕は色々とインスピレーションを得た。焼きそばとご飯の関係。もう少し探ってみよう。
そして毎度お馴染み(でもないか)『めんのマルニ』伊達焼そば。こりゃご飯に合うでしょ。検証してみる。
忘れてはならない岩下の新生姜スライス。便利この上ナシ。これがあったからこそ焼きそばライス研究のフットワークが軽快になった。これからもずっとお世話になります。
焼きそばライス・めんのマルニ伊達焼そばバージョン。麺を炒める時に長ネギを投入した。具材はそれだけ。シンプルに行こう。
ルックス的にもなかなか良いと思う。岩下の新生姜スライス多め。イタダキマス。
ウマウマウー。こりゃええわ。ラードを使った濃厚で甘辛の液体ソースの味わいがご飯とも合わないわけがない。とてもイイと思います。はい。
焼きそばとご飯の関係性、とてもスバラシイものだとしっかり認識することが出来た。以前だったらもっと量的にも増やして大盛り爆盛り大満腹バージョンなんてのを作ったかも知れないけれど、鋼鉄の胃を持つと云われた(本当に云われたことがあります)僕もやはり来年は還暦を迎えるにあたって、程々にしておけと云う心の声と云うか魂の叫びと云うかそんなのも聞こえてくるんです。まだまだアイディアはあるのですが、年末年始にのんびりやりますので今後とも焼きそばライスのことをどうぞよろしくお願い致します。焼きそば定食のことはまた別途考えます。今回はここまで。焼きそばの果てしなき旅はまだまだ続きます。カレーもよろしくね。