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多重録音によるMATのテーマ制作メモ

今年2021年は『帰ってきたウルトラマン』初放映から50周年のメモリアルイヤー。ご存じでしたか。最初の『ウルトラマン』も『ウルトラセブン』も最高に素晴らしい(と云うかその2作こそが世界最高峰)のだけれど、僕が8歳から9歳の時に真正面から受け止めたのが『帰ってきたウルトラマン』だったので思い入れは一番ある。

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第37話「ウルトラマン夕日に死す」で坂田さんもアキちゃんも宇宙人に殺害されてしまう(キャスティングの都合でそう云うシナリオになったそうだが)と云うショッキングな場面を見て憤りで心が張り裂けそうになったり、最終51話「ウルトラ5つの誓い」で登場した2代目ゼットンのフォルムがあまりにも崩れていて落胆したりもした。

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でも巨匠本多猪四郎監督が手がけた第1話「怪獣総進撃」と第2話「タッコング大逆襲」は全ウルトラシリーズの中でも最高峰の2話だと思う。他にもグドンとツインテールの大暴れ以上に地球防衛軍内部の人間模様の理不尽さとMATの悲壮感溢れる戦いが描かれる第5話「二大怪獣東京に出現」第6話「決戦!怪獣対マット」、始めてシリーズの中で主役級のウルトラ兄弟が同時に登場した第18話「ウルトラセブン参上!」、差別問題を描いて物議を醸した「怪獣使いと少年」など、素晴らしい話は枚挙に暇がない。

他にも個人的に好きな話はいっぱいあるがまたの機会に書く。とにかく50周年だ。4月2日は帰ってきたウルトラマンの日として祝日にすると良いと思う。自分が総理大臣になったらまずそれを実行したい。

そんな僕だから、家を出かける時に頭の中に「MATのテーマ」が流れて「わんだばだばわんだばだば」と呟いて歩き出すのは自然なことだ。マスクをするのを忘れて基地に戻ることもあるが、勝算があまりないのに悲壮感を持って出撃するMATの切なさやるせなさがこの曲に体現されている。そして遂に思い立って自分一人で多重録音(録画)による「MATのテーマ」を制作することとなった。イントロが長くなったがこれからその制作メモを記することにする。

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こちらがファーストバージョン
https://www.youtube.com/watch?v=NEM-iGdp3Ak

マリンバ実機演奏によるセカンドバージョン
https://www.youtube.com/watch?v=0JwWQp7vqAo

テンポは94。正確にレコーディングソフトで測ったわけではないので(タップテンポのアプリ使用)もう少し遅いのかも知れないが、全体の尺が大体同じになったのでテンポはほぼ合っていると思う。キーはDm。コード進行だけ簡単に書いておく。

Dm  |Dm  |Dm  |Am  |
E♭m   |E♭m   |E♭m   |B♭m  A7 |
Dm  |G  Cm |F   B♭m|E♭ A7|
Dm  |Dm  |

以上のコード進行2回繰り返しで、最後にDmでジャン!と締めてお終い。この曲の独特な雰囲気を醸し出しているのが10小節目の2つ目のコードCmと11小節目のB♭m。メロディーが10小節目では3拍目にかけてBで残ってCm△7(シーメジャーセブン)、11小節目ではその全音下(Aで残ってB♭m△7)になって、曖昧で暗い響きとして聞こえる。マリンバはそこでB→C、A→B♭と動いているのでもしかしたら偶然の産物なのかも知れないが、この響きに云い知れない奥行きと悲壮感と寂寥感とロマンチシズムと時代性を感じるのだ。自分で演奏する時にそこが再現出来るかどうか心配であったが、何とかその雰囲気を出すことがある程度叶った。ああよかった。

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まずは基本となるリズムギターを録った。これが今後のパートのコンダクターとなる。云い忘れたが録画録音から編集までiPhone SE(昔のヤツです)一台でやっている。なので音声はモノラル。モノラルにモノラルを載せて行くので音質が良くなるわけもない。でも何とか個々の音量バランス(音色は録る時にアンプなどで調整)で賄う。多少のズレは含み損で気にせずどんどん重ねる。行けばわかるさ。

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ベースは良い音で録っても全体の中に潜ってしまう。なのである程度ハイもローもカットして音程感だけ後で判るくらいにシェイプアップする。ファズなどで歪ませても良いくらい。何度もやっているとこうしたコツ(他では役に立たないけど)も掴めてくる。そう云えば頭の弱起(一音オリジナルより多い)は勢いを付けるために最初のリズムギターとベースが弾いていて、後で削除すれば良いかと思ったけれど、自然に思えたのでそのままにした。コーラスの入り口に於いて発射台として役に立った。

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ワンダバのコーラスは4声で。オリジナルから聞こえるのはほぼ3声だがきっと余り目立たないローのパートもいるはずだと類推して一番ローのパートを加えてみた。僕の声質が今風でなく、単体よりもこうして昭和っぽいコーラスを目指すとしっくり来ると云うのも因果である。さすがに何度も重ねていると口が回らなくなってワンダバがワンママになってくるので、休憩をしっかり取って4声コーラスを完成させた。コーラスも10小節目のG→Cmのコードチェンジに付いて行かずにトップがB→Cと動かずにBのまま。セカンドはGのまま。サードはさすがに動かないと気持ちが悪いのでD→E♭とした。一番下はちょっと特殊な動きでB→Gとしてみた。結果として自画自賛グッジョブ。

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ブラスのパートをギターでやること自体無謀なのだがやってみないことには検討も検証も出来ない。まずやってみる。色々と学ぶことが多かった。思い込みでメロディーが一音足りなかったりして録り直しも幾度となくやった。こと音楽に冠してだけは根を詰めてちまちまと進める作業が苦にならない。気が付くと数時間がアッと云う間に経っていることもある。結構な年齢になってきたけどまだ集中力がそんなに落ちている感じはないので(当社比)まだまだ色々やってみようと思う。

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セカンドバージョンでは遂に念願叶ってマリンバの実機を演奏することも叶った。最初は木琴を買ってみようと調べてみたら音程のしっかりしている機種はそれなりの値段がする。この商売あがったりの時期にMATのためだけに木琴を買うのも如何なものかと思い、更に調べていたら東京は東急東横線祐天寺駅近くにマリンバを手頃な料金で借りて演奏出来る「スタジオSHINKI」の存在を知り、早速連絡をしてスタジオ予約。1時間の限られた時間内で何とか素材録りをすることが出来た。この手の楽器を演奏するのは、実はクレイジーケンバンドの初期のレコーディングでビブラフォンを演奏して以来。その時がビブラフォン初体験。マリンバはその時にほんの少し触った程度。ワンダバにせよマリンバにせよやれば何とかなるものだ。僕はこうやって58年生きて来たのだ。出たとこ勝負。行き当たりばったり。何とでも云え。剣さんがステージのMCで「雑!」と云う度にドキッとしていたのは僕です。すみません。

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全然わけのわからない内容で失礼しました。この調子であの曲もこの曲も演奏してみようかと企画中。ワンダバコーラス自体もグレードアップの予定アリ。色々書いてスッキリした。ありがとうございました。

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また焼きそばの旅も続けます。本も読まないとね。意外とのんびりとは出来ないものだ。先行き不透明で不安と云えば不安だけど不安だと云っていても不安は消えたりしないので、面白そうなことはあれもやってこれもやって活路を見出そうと思う。今日も明日もワンダバを口ずさみながら元気に出撃する。やったるで。

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小野瀬雅生
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