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全日本 皮だけ選手権

テレビとかのコメンテーターとして出ている僕の大嫌いな〇〇〇の話を聞いていると本当に中身がないと思う。よくぞこれだけ中身のないことを話せるなと思うのだが、じゃあ皮だけなのかと云えば皮ですらない。皮に失礼だ。と云うわけで、皮は皮だけで偉いのだぞと思い全日本皮だけ選手権を開催する。ただ僕の好きな皮を羅列するだけなので中身がなかったらご容赦願いたい。

横浜伊勢佐木町『文明堂茶館ル・カフェ』のパステル

皮だけの最たるものは、横浜は伊勢佐木町にある『文明堂茶館ル・カフェ』のパステルである。パステルとは三笠山(どら焼き)の焼きたての皮。餡は入れずに皮の焼きたてをクッと曲げて、バターやシロップや生クリームなど(パステル1枚につき1種類頼めます)と共に戴くスタイルのスイーツである。

横浜伊勢佐木町『文明堂茶館ル・カフェ』のパステル

焼きたてが命であるので、テイクアウト不可。ここで食べるしかない。横浜で生まれ育った僕にとって、このパステルは崎陽軒の昔ながらのシウマイ級に横浜が誇る横浜の味だと考えている。

横浜伊勢佐木町『文明堂茶館ル・カフェ』のパステル

ウマウマ王。こんなにうまいものはそうそうない。仄かに感じる上品な甘さを感じるためにシロップなどはかけずに、バターだけで戴くのが好きである。しっとり、ふんわり、香りも良く、最高である。皮だけでこんなにも素晴らしい。むしろ皮だけであるからこそ、この気品が醸し出されている。

横浜伊勢佐木町『文明堂茶館ル・カフェ』のパステル

全日本皮だけ選手権の東の横綱である。横浜に来たらパステルを是非ご賞味戴きたい。コーヒーもとても美味しい。喫茶店としても最上級である。

沖縄那覇『松原屋製菓』のぽーぽー

西の横綱はこちら、沖縄県那覇市の国際通りから牧志公設市場に向かう市場通りにある『松原屋製菓』のぽーぽー。黒糖味のロール蒸しパンと云った感じ。具は入っていません。皮だけです。

沖縄那覇『松原屋製菓』のぽーぽー

ぽーぽーと云うと、どうしても子供の頃にテレビで見ていたハンナ・バーバラのアニメーション『怪獣王ターガン』に出てきたヒューヒューポーポーを思い出してしまう。ダングロー、リキラー、マリューと云った個性豊かな怪獣達がいたが、結局のところ一番強いのは不定形でオールマイティーなヒューヒューポーポーではなかったかと今でも真面目に考えたりする。大幅に脱線した。閑話休題。

沖縄那覇『松原屋製菓』のぽーぽー

ウマウマ王。素朴でどこにでもありそうな味ではあるが、甘さの丁度好さとしっとりした食感が卓越しており、これ以上のものに出会ったことはない。ここでしか手に入らない特別なお菓子。僕にとっての西の横綱ぽーぽーに決定。圧勝である。

沖縄那覇『松原屋製菓』

沖縄に行くと、まずここへ来てぽーぽーを買うことにしている。それでないと安心して街歩き(食べ歩きとも云う)が出来ない。味噌ぽーぽーと云うのもあるが、皮が全く違う。お間違えのないように。

京都『本家西尾八ッ橋』の生八つ橋

京都に行くと良くお土産で買う『本家西尾八ッ橋』の生八ッ橋。左のは江戸時代からあるハードタイプの八ッ橋(ニッキ)。固い方は軽く400年以上の歴史がある。生タイプも1960年代に発売されたとあるのでこれもかなりのベテラン菓子である。

京都『本家西尾八ッ橋』の生八ッ橋

最初は餡を包んだ形で発売されたようだが、きっと僕のような皮だけ好きが皮だけ売ってほしいと頼んだのであろう。知らんけど。ああ、この知らんけどって云うのがどうもあまり好きでないのだが使ってしまった。まあいいか。

京都『本家西尾八ッ橋』の生八ッ橋

ウマウマウー。この食感と云うか、歯応えと云うか。これが身悶えするくらいに好きである。厚さも絶妙で、きっとこれより厚いと感動しないであろう。丁度良いのである。流石だと思う。

京都『本家西尾八ッ橋』の生八ッ橋

ウマウマウー。そしてこの抹茶味が秀逸である。抹茶味のお菓子は世に数多くあれど、僕はこれがかなり完成度が高いと思う。格式張ったり気取ったり肩肘張ったりせずに、素朴でフレンドリーで良い案配なのである。皮だけ選手権の大関襲名である。

神戸三宮『ハハハクレープ』のホットバターシュガークレープ

続いては神戸三宮駅から歩いて数分、旭通にある『ハハハクレープ』のホットバターシュガークレープ。店内BGMが全てクレイジーケンバンドと云う奇特なお店。いつもは季節のフルーツやクリームたっぷりのクレープを戴くのだが、こちらは皮だけでも美味しい。皮だけ選手権に堂々出場である。

神戸三宮『ハハハクレープ』のホットバターシュガークレープ

ウマウマウー。もちろん焼きたてである。とても良い香りがする。味わいも自然でとても美味しい。日本ではクレープと云うとフルーツや生クリームを載せたり巻いたりするけれど、クレープの本家のおフランスではみんな皮だけを食らってるそうな。知らなんだ。シンプルだからこそ深くまで感じることが出来る領域。パステルもぽーぽーも皆その領域にある。皮だけ、なかなか深い世界である。こちらのホットバターシュガークレープ大関襲名である。

神戸三宮『ハハハクレープ』のコーヒー

ちなみにここは、僕にとって行くところではなく、帰るところである。

神戸三宮『ハハハクレープ』外観

全日本皮だけ選手権、今回はここまで。まだまだ皮だけの世界は広いと思うのでまた巡り会ったり遭遇したり発掘したりしたらお知らせする。そう云えば福岡のもつ鍋で、餃子の皮だけ入れるところがあったな。それが一般的なのかどうかもまた調べたいと思う。皮を愛でよ。皮だけを愛でよ。愛や優しさのない中身なのだったらなくてよろしい。皮だけで充分。皮なめんなよ。

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小野瀬雅生
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