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血圧について
こんにちは。臨床経験16年目の理学療法士です。
一般の方、医療従事者問わず皆さん日頃から血圧の測定というのは身近なものだと思います。
皆さんは、血圧っていったい何なのか考えたことはありますか?
日々何となく計測している血圧が何を意味するのか、何のために測定するのか、今日はそんな話をしていきます。
血圧って何?
血圧とは、血管にかかっている圧力のことです。
血圧は血管の硬さ、血液の状態、心臓から血液を押し出す力などによって数値が変動します。
例えば、水道のホースにたくさんの水を流すと、ホースはパンパンになります。これはホースにかなりの水圧がかかっているということです。
血圧もこれと同じです。心臓から送り出す血液の量が多かったり、血管が硬かったりすると血圧が高くなります。
収縮期血圧と拡張期血圧
収縮期血圧(上の血圧):systolic blood pressure(SBP)
心臓が収縮して血液を押し出している時の血圧です。血圧値が最大となります。
収縮期血圧が基準値より高い場合は脳出血や脳梗塞、低い場合は敗血症性ショックなどの循環不全が疑われます。
拡張期血圧(下の血圧):diastolic blood pressure(DBP)
拡張期血圧は送り出した血液が戻って心臓が膨らんでいる時の血圧です。血圧の測定値は最小となります。
拡張期血圧が基準値より高い場合は末梢血管の動脈硬化のリスク、低い場合は心筋梗塞や狭心症などの心臓疾患のリスクが高いと診断されます。
血圧の基準値
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血圧の基準値です。
腎症があるか、脳血管疾患や心疾患の既往の有無で多少前後します。
ここで大切なのは、診察室血圧と家庭血圧の両方を把握することです。
普段の緊張していない平常な時の血圧をしっかり把握しましょう。
そのためには心不全手帳などを活用して、普段の記録をしっかりと確認しましょう。
ここで大切なのが、診察時に叱責されたり、血圧が高いことを恥じて嘘の記載をしていることがあるので注意が必要です。
この場合、数値には一定の法則があります。末尾の数値が同じことが多い、同じ数値の使い回しが多いなど、明らかに一定の法則があります。
平均血圧
皆さん、平均血圧って聞いたことありますか?血圧の平均値?
一般的には平均血圧というと、収縮期、拡張期それぞれの血圧の平均という意味で用いられます。
しかし、収縮期血圧、拡張期血圧を1つの数値で表したものを平均血圧ということがあります。
計算式:
平均血圧=(収縮期血圧ー拡張期血圧) ÷ 3 +拡張期血圧
基準値:
成人男性が90〜110、成人女性が80〜110です。
平均血圧は血管の弾力性を反映し、動脈硬化の進行の指標になります。特に心臓より離れた細動脈や毛細血管の状態を反映し、脈圧は心臓に近い大動脈や動脈の状態を反映します。
目安として平均血圧が90以上であれば循環器疾患特に動脈硬化のリスクが高く注意が必要です。
離床する時のポイント!
平均血圧の数値で判断
70以上:どんどん離床していこう!
65−69:経験の浅いセラピストでも離床進めましょう!
60−64:経験のあるセラピストならOK!
59以下:離床はちょっとやめておこう!
平均血圧は離床を進めていく上で重要な指標の一つです。上記の数値を参考にして離床を進めていきましょう!
血圧とリハビリ時の注意点
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血圧について簡単にまとめてみました。
若手セラピストがリスク管理をする上で役立てて頂ければと思います。