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ブルーフォレスト③

7時のめざましが鳴った
もう起きる時間か、
ぐっすり寝られたわけではないが、ホテル発の十二湖行きのバスは出てしまうので仕方なく起き上がる。

そのままレストランへ
朝はビュッフェスタイルでその土地のものをふんだんに使った料理がずらりと並ぶ。
意外とお腹も空いていたので、大皿に乗ったサラダや肉じゃがや魚の煮浸しなどをどんどん自分の皿に盛り付けていく。この作業が一番好き。

朝食

腹が満たされたところでホテル発の十二湖行きの観光バスに乗り込む。スーツケースはホテルで預けてくれて、そのまま規定の時間になると十二湖の駅まで届けてくれるようなのでそのサービスを活用することにした。とても便利である。

山道をぐんぐんバスが進む。途中車内にアブが入り込んだが、バスガイドが躊躇なく雑誌でバンバン、アブを叩く様がとても逞しかった。
そのバスガイドは十二湖到着までこのホテルの歴史や青池の基本情報など面白おかしく話してくれた。
このホテルは当初サンタクロース村として機能していたみたいで、トナカイを何頭か飼っていたようだが、もともと北欧の動物にはこの日本の気温に適応できず病死してしまったらしい。
そういえば夏真っ盛りだというのに、ホテル近くの広場に設置された遊具にサンタやトナカイのオブジェがあったのはそういうわけだったのか、謎が解けてなんだか嬉しかった。

十二湖は12個の湖で構成されているわけではなく
近くにある大室山と言う山から地上を見た時に湖が12個見えたことからその名がついたらしい。本来この近くの湖は合わせて33も存在する。かなりの数である。
バスの車内から一つ目の湖が現れた。
かなり大きな湖で、遠くで水鳥が泳ぐのが肉眼ではっきり見えた。色は緑緑していて、木々の色とうまく溶け込んでいた。

そのまま坂道を上がり、転々と様々な湖を眺めた。これだけで十二湖観光できてしまうくらい湖を見ることはできたが肝心の青池は見えなかった。

十二湖の点在する近くの土産物屋にバスは停車した。
観光客はみんなここから探索を始めるらしい。
降りたらもう各自自由解散となり、バスに乗っていた人々はそのあと、取り残されたと言わんばかりにその辺りに立ち止まり困っている様子にもみえた。もちろん私もその1人だったが、とりあえず大きな道を歩けばどこかに辿り着けるだろうと、早々と歩き出した。
人が来る前に、青池を見つけMVを撮らないといけないからである。

大きな池の周りを数十分間歩き続ける。
この池もガイドブックに載っているものだろうが
あとでゆっくり見ることにしようと休むことなく歩き続けた。


青池の看板を発見し、安堵した。
青池に続く木でできた階段を上りデッキにゆっくりと上に上がっていく。

この鳥たちは一度も見かけることはなかった



上がった先の光景は今でも忘れない。
ガイドブックで見た青池そのままの姿が悠々と現れた。自然界で出せる色だとは思えないくらい透き通ったブルーが一面に広がっていて私はその場所から動けなかった。ずっと釘付けになってその光景を目に残そうとした。


透き通ったブルー

まだ誰もここにはきていなかったので、はっと我に帰り撮影のセットを行った。
簡易的ではあるが、早く始めなくては
とりあえず青池のカットと私が歌っているところさえ撮れれば、、
人が来るのを気にしすぎて私は焦っていた。
この誰もきていないこの時間を無駄にしてはいけない、、ひどく慌てていたこともあり何テイクも撮り直していた。
下の方から人の声がする。
急いで撤収を始めた。

ビデオを確認する暇もなく、私はまた青池を眺める観光客に戻った。

青池との撮影はあっさり幕を閉じてしまったが
他の池も散策しながら、撮影場所を探すことにした。

ブナの香りが鼻を抜ける。ブナ林の奥には青池のように青い池、滝壺の池があるという。
自然の香りに癒されながらも、自然には厳しさがつきもので私はその道中、アブや蚊と戦わなくてはならなかった。腹痛を想定し胃腸薬は買ったとしても虫対策としてのスプレーまでは考えられなかった昨日の私を呪った。

ブナ自然林

服装もかなりミステイクだった。
完全に自然を舐めた服装は撮影のためであるとしても完全に場違いだったと思う。幸い長ズボンは履いていたので足へのダメージは少なかった。(しかしくるぶしは刺された)



ブナ林を変えたところにある滝壺の池も神秘的な雰囲気を放つ透明度の高い美しい池だった。

滝壺の池

そして最後はバスで通った道沿いにあった
大きな池の麓で撮影をした。
ロケーションもよく、倒木が池に浸っているところがとても気に入った。
人の目を気にしながら撮影をすると、あっという間に帰りのバスの到着時刻が近づいていることに気づき、慌てて撤収。

いい景色

その時に思い出した、
青池は昼間が一番綺麗に見えると観光ガイドにのっていたこと、
時間はそんなにはないが、もう一度目に焼きつけておきたい。
その思いが募り、バスを降りたあの土産屋まで走った。そこから青池まで約10分

ちょうど陽の光が空の真上にきていたので期待が高まる。この光に反射して見える青池はどれほど綺麗なのだろうか

青池の看板をよこぎり、またデッキを駆け上がる。
すると


写真だとあまりわからなかった



朝来た時よりも中の様子がもっとはっきり見えた。
昼間の方が綺麗である。
幻想的な光景にしばし見惚れていた。ちょうど人もいなかったのでその様子も動画に収めた。

しかしそんなに時間は残されてはいなかったので、撮影が終えるとすぐにその場を離れなくては行けなかった。

でも私は満足した。
次はいつ見に来れるかはわからない。
でもここに来れたことは自分にとってかけがえのないものになった。

土産物からバスに乗り十二湖駅に向かう。
バスは観光客でいっぱいであり、少し疲れもみえた。
十二湖駅に着くと私は朝ごはんから何も口にしていないことに気づいた。
なんかお昼を食べたい。
近くに食堂があったので入る。
ラーメンと塩ラーメンと言うシンプルなメニューにレジ横にはおにぎりが2種用意されていた。
私はラムネとラーメンと鮭のおにぎりを注文した。

普段ラーメンは食べないが冷房の効いた場所で食べるラーメンは美味しかった。お店の人も優しくすいかをサービスしてくれた。
まさに夏の午後である。

おまけのスイカ

ここの食堂では荷物の一時預かりも行っているので十二湖観光の際は利用するのはいいかもしれない。

十二湖駅の土産物屋で、十二湖アイスを食べながらしらかみ鉄道を待つ。
この時間も楽しい。

十二湖アイス



列車が到着し、窓側の席に座る。
列車から午後の晴れた海を望むのもこれで最後かと思うと少し寂しい。行きは夕方だった海の景色も、晴れていると、こころまで晴れやかな気分になった。途中で先程買った鮭おにぎりをほおぼり私はまた、弘前へと向かう。


次で最後かな。一番書きたかったのは
青池のところだったので次からはささっと書いてこの旅日記は終わろうと思います。
ふぅー疲れた。

青池が映ったMVはこちら
曲もとても気に入っているのでぜひ聞いてみてください🙏
"Water Algae 水藻" Onore(己)


ではまた!

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