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SONY WF-1000XM3 を購入3ヶ月で紛失し悲嘆に暮れていた僕が AirPods Pro を手にしてふるえた話 (1)

3ヶ月前に、いま話題で売れに売れまくっている SONY の最強ノイズキャンセリング機能つき完全ワイヤレスこと WF-1000XM3 を、ついに僕も手にした。ノイズキャンセリングは他メーカーの同じカテゴリの製品を含めても 1 • 2 の性能を争い、デザインも良くて勿論音質も最高だ。そして所有すること自体にある種恍惚を覚えるような「ホンモノ」感がある代物だった。その頃の僕は、イマドキに表現するなら嬉しみに満ち溢れていた。ある日バッグの定位置から居なくなり、どこかに置き忘れたのか落としたのか、紛失したことに気づくまでは。

そして悲嘆に暮れること約10日。いまだ無念の気持ちが冷めやらない毎日を送っていたところ、やつらは Apple おなじみの発表会を経ず突然に発表され世に放たれた。AirPods Pro だ。

言わずと知れた「うどん」の進化版である AirPods Pro は、これまでのデザインから刷新され純正イヤフォンとして初めてノイズキャンセリング機能を搭載し、ウェブサイトでクルクルクルクルクルクルクルクルと仕切りに周り続け、私たちは特別だぞ、Pro だぞ、スペシャルなんだぞとアピールしてくる。

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(Photo by @JESSI)

悲しみを埋めるためなのか、そのクルクルに催眠をかけられたせいなのかは分からないが、寝起きのベッドの中で、気がつくと Apple Pay で購入の決済をしてしまっていた。正直なところお財布には痛い。僕のお財布はお財布 Air になりかけている。

そしてたった24時間後には、僕の耳にすっかり収まってしまった彼女たちは完全なる主導権と定位置を獲得してしまい、そこに至る鮮やかな手法のあれやこれやに僕は驚いているのだ。

結論から言って、AirPods Pro は Apple のティム・クック期において最大のヒット作だ。iPhone が食傷気味の地味な更新を続けるなか、久々にワクワクする Apple が帰ってきたのだ。

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Unboxing / 開封の儀

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10cm 四方 • 深さ 4.5cm の箱は、蓋を持ち上げると内部の気圧の低下により開けられることに一定の抵抗を試みるが、そのまま続けカポッという脱力音とともに露になるのは

Designed by Apple California

San Francisco フォントで印刷されたテキストと立ち昇る芳醇なアップル臭だ。うむ、予想通り。

その後に続く、先ずは製品そして付属品という並びもお馴染みのものだ。僕はたいそう敬虔なアップル信者であるので、いかに Apple 製品の極上のパッケージング技術と言えど僕を驚かすのはもはや難しい。ただそのレベルはおそろしく高い。


Connecting / 魔法のような接続

AirPods Pro を箱から取り出したからには次に行うのはもちろん iPhone への接続で、ここから魔法が始まる。

AirPods Pro を接続するには、ただ iPhone の近くでケースの蓋を開けるだけで良い。すると AirPods Pro に搭載された専用設計のチップに反応し、iOS にあらかじめ仕込まれたイベント処理が起動し直ちにウェルカム スクリーンが現れる。

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あとはスクリーン上にある「接続」をタップしさえすれば iPhone と AirPods Pro の間で Bluetooth ペアリングが確立され次の瞬間には音楽を楽しめる状態になってしまう。

他メーカーの Bluetooth ヘッドフォンやイヤフォンも、音楽を再生したい端末に接続するには同様にペアリングの手続きが必要となるが、その方法は特定のボタン(複数かも知れない)を押し続ける、あるいは接続のための専用アプリをダウンロードするなど機器によって手順なども異なるため、先ず取扱説明書を読むところからスタートしなければならず非常に手間を感じてしまうところ、それが AirPods Pro では一瞬のことだ。

これは iPhone というハードウェアと iOS というソフトウェアを自社で設計・生産することの出来る Apple ならではの強みで、純正品である AirPods • AirPods Pro と、同等の専用チップを搭載した Beats 製品にしか許されていない強力なアドバンテージと言える。 

加えて、一度ペアリングを行うと iCloud のアカウントを通じて自身の所有するその他の macOS • iOS • iPadOS を搭載した全てのデバイスに「ペアリングをした事実」が共有される。

AirPods Pro で音楽を聴けるのは iPhone に限られているわけでなく勿論 Mac や iPad からも可能だが、それらの機器ではまだペアリングを行っていないにもかかわらず、不思議なことに「ミュージック」アプリを起動するとそこに接続先として既に新しい AirPods Pro が鎮座していることに驚く。AirPods(第1世代)を所有しているためここは一度は通った道ではあるが、あらためて思うに鮮やかとしか言えないシームレスさだ。

ペアリングした事実に辿りつかない者もいるだろう、それが魔法でありゴールド・エクスペリエンス。

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ここまで読んで、イヤフォンの話なのに未だ音質やノイズキャンセリングの機能に触れられていないことに驚くだろ。じつのところ僕がいちばんびっくりしている。B’zの歌のように長いタイトルを付けてしまった時点で気づくべきだった。話はまだ続くのでもう飽きたという人はきっと席を立ちやすい。

その2につづく。

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