Voigtlander NOKTON 35mm F1.2 にゾッコンの日々
富士フイルムのカメラにマニュアルフォーカスのレンズを組み合わせて使っているフォトグラファーたちが、必ずとまでは言いませんが辿り着くことになるレンズの一つがコシナの Voigtlander NOKTON 35mm F1.2 ではなかろうか。
自分もまんまと堕ちてしまったわけですが、noteにも多くのレビュー記事が掲載されているとおり、評判に違わぬ良いレンズだなと染み染みと感じている今日この頃。
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レンズのルック&フィール
まずルックスがすこぶる良い。小ぶりで扱いやすく、金属成形の質の高さを放つ重厚感。Xマウント専用設計ということもあり富士フイルムのカメラへの収まりは絶妙といえるサイズ感です。X-Pro3と組み合わせるとイケメンが際立つ…
AF機構持ちのレンズと比較するのは酷かもしれませんが、同じ35mmの富士フイルム純正 XF35mmF2 R WR と比べてみると、最大径はほぼ同じサイズながら長さはNOKTONの方が6mmほど短くコンパクト。レンズが明るい分、正面からの見た目はNOKTONの方が大口径に見えます。
加えてフィーリングも素晴らしく、絞りリング・フォーカスリングともに軽すぎず重すぎずでなめらかに動き、触っていてとても気持ちが良い。
また、MFのレンズですが電子接点を備えており、(機種によりサポートできる範囲の違いはありますが)X-Pro3では撮影時のシャッター速度・絞りやレンズ名などのEXIF情報もしっかり記録してくれますし、フォーカスリングを回せばボディ側が自動的にフォーカスアシストモードに突入するという点にもスムースな使い勝手の良さを感じる。
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スナップショット
昨年12月中旬に状態の良い中古品を入手してひそかに使い始めていたのですが、週刊にしている SNAPSHOTS マガジンの「W51-2023(2023年 第51週)」以降に頻繁に登場しているとおり、すっかり気に入ってしまいました。
MFのレンズはこれまでそれほど好きではなかったのですが、いまやAFのレンズを使うとフォーカスを合わせる所作を味わえないぶんどこか物足りなさを覚える自分がいます。
以下すべて撮って出しのスナップショット。
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多くのレビュアーの方が書かれているとおりで受け売りとなってしまうのですが、開放 F1.2 のピント部はやわらかくも甘すぎない写りとなり、一段絞った F1.4 から急にキリッとした立体感を発揮してくる。
ダイナミックレンジも広いし現代的な描写なのかなと思いきや、強い光源に向けるとブラックミストフィルターを使ったときのような柔らかなゴーストやフレアが現れオールドレンズのような味わいも出してきて、撮っていて・使っていて深みを感じる面白さがあります。
このレンズを使いはじめて以降は、光ではなく影の撮り方を意識するようになってきました。使いこなすのにはまだまだ修行が必要ですが、夜を撮るのが特に楽しいレンズだと思います。
マガジンの方にはまだまだスナップショットがありますので、ご興味ありましたら眺めてやってください🙏