X-Pro3とGIZMON Utulensと。
界隈では名の知れたトイレンズだと思いますが、GIZMON Utulensがずっと気になっていてふらっと立ち寄ったヨドバシカメラに在庫があったのでついつい手を出してしまった。
いくつか存在するモデルのうち購入したのは最初にリリースされた 32mm / f16 のスペックのもの。FUJIFILM X-Pro3ユーザーなのでもちろんXマウント用を選択。
購入して帰宅するその足で、さっそくスナップショットを撮ってみましたが、裏切られることなく、期待してかつ予想したとおりの写りを見せてくれる。
学生時代に写ルンですを通ってきた世代としては、けして綺麗ではないのだけど、このどこか懐かしくてあたたかみのある写りには妙にしっくりとくるものがある。
絞りは写ルンですよりも深めに設定された f16 固定。パンフォーカスレンズだから、フォーカスを合わせる工程が省かれるのでシャッターを押す指がいつもより軽快に動く。
普段はEVFを使う機会が多いですが、パンフォーカスとX-Pro3のOVF(光学ファインダー)の相性がここまで良いことに気づいたのが最初の収穫です。
X-Pro3はメインディスプレイを隠す仕様になっていることも手伝って、写ルンですを使っていたあの頃の体験がまま蘇ってきて、まるでカメラそのものが写ルンですに変化してしまったかのような不思議な感覚に陥る。
本格的に写ルンですをシミュレーションしてみるのなら、実機のスペックも反映して
シャッター速度: 1/140秒
ISO感度: 400
フィルムシミュレーション: Classic Nega
グレインエフェクト
あたりを設定してみるといいのではないかと思いますが、そのあたり研究されている方もいらっしゃって面白いなと思いました。
「きれい」という意味での写りに関してはデジカメとトイカメラのあいだのポジションですが。そんなスペック上のうんぬんを超えて、エモい…いえEMO感度が高くて独特の風合いの写真と、その撮影体験を得られるUtulensには値段以上の価値があるように思います。
旅行を本当に楽しむのなら、写りやフォーカスに気を取られず撮りたいものに集中し、さっと撮影が可能なUtulensという選択はアリなんじゃないかと思えてきた。もし本体サイズの小さいサブカメラがあるのならぜひとも常用したいと感じるレンズだ。
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ひとつ付け加えておくと。Utulensにはいちおう49mm径のフィルターが取り付けられる溝が刻まれていますが、僕の購入したものはその彫りの精度が甘かったのか空回りしてしまいレンズフィルターを付けることはできませんでした。
自分の場合はまぁそんなこともあるよね〜ってことで流せてしまう点でしたが、もしレンズフィルターを付ける前提で検討するのなら、店頭で購入まえに確かめさせてもらっても良いかもしれません。