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「あのね、   」



たまに、心がキューッと狭くなって、涙が溢れそうになる。

とどめようって、深呼吸すると、心の隙間に寂しくなる時がある。


何でそうなるのかは、ずっと分からない。

頭がパンクしそうだったり、
色々な感情が訪れてわからなくなったり、
何かを思い出したかのように不安になる。


あの時、自分の心には小さく穴が空いていて

どんな言葉を受け取っても、
何度愛に温められても、

時間と共に少しずつ隙間が広がって、気がついたら涙が溢れていた。


誰かに、みんなに、置いていかれるって、

横に並んでおしゃべりしながら歩いていたはずの人たちが
自分の少し前を楽しそうに歩いていて、

だんだん、ゆっくりと、離れていく。

自分と繋いでいたはずの手は
違う人と繋がれていて、

笑いかけながら呼ぶ名前は
別の誰かのものになっていた。


もう怖いわけじゃない。

信じようって思わなくても大丈夫になったから。



でもこの隙間が言うんだ、

「寂しいよ」

って。



あの時できなかったこと、少しは出来てる。

わからなくて
どうすれば良いのかな
少し聞いて欲しい
一緒にいたい


だからね、たまに隙間は現れるけど、
自分を信じられなくなった時に静かにやってくるけど、

一つ武器を手に入れたの。


「あのね、   」


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