[北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2024] 建山義紀氏、ロッテコーチ就任の衝撃/加藤豪将引退/石井FA/補強状況etc

 契約切れということでハムを退団した建山義紀元コーチが、ロッテのコーチに就任するという発表がありました。まだどんな役職かははっきりしてないようですが、ロッテには既に小野晋吾、黒木知宏と生え抜きの投手コーチが2人いて、おまけに吉井監督も投手コーチ出身です。これ以上通常の1軍投手コーチが必要なのか疑問ですし、まさかファームのコーチに招聘するとも思えないので、やはり建山のハム投手に関する情報や、他球団攻略のノウハウなど、コーチとしての手腕もさることながら彼のもっている知見を求めての招聘だと考えられます。肩書きは「投手戦略コーチ」とか(金子誠が「戦略コーチ」なので)そんな感じ? ハム投手陣に関する情報、ハムがもっているロッテ打線対策の情報、ロッテ以外の他球団の打者攻略の情報……日本代表コーチとしての経験もある建山のもっている知見は、今季ハムにカモにされたロッテにとっては喉から手が出るほど欲しいものでしょう。ハム退団後にロッテにコーチとして招かれたといえば金子誠もそうですが、今回もハム出身の吉井監督に呼ばれたカタチです。

 ハムを退団したからロッテから声がかかったのか、ロッテから声がかかったからハムを辞めたのか、そこは不明ですが、いずれにしろこれでハム投手陣はロッテ側にすべて丸裸にされるものと考えたほうがいい。今年のようにロッテをカモにするのは難しいと思ったほうがいいでしょう。もちろんどこかの球団を辞めたコーチが即座に他球団のコーチに就任するのは普通だし(さすがに監督は少ないですが)、そこで他球団に情報が流れるのは当然のこと。ハム側も建山を手放した時点で覚悟はしているでしょうから、その裏をかいてさらなる対策を練らなければならない。その駆け引き、情報戦もプロ野球の醍醐味です。来季のハムロッテ戦は面白くなりそうですね。

 それにしても吉井監督、金子コーチ、黒木コーチ、建山コーチ、さらにGAORAで長年解説をやっていた光山と、ある意味ロッテ首脳陣はいまのハムよりハム色が濃いですね。

 そしてメジャー帰りの加藤豪将が突然の引退。これはおそらく来季の契約を結ばないことを通告したものの、彼のプライドを考慮して「戦力外」としては発表せず、去就を加藤自身に委ねるというカタチにしたのだと思います。もし現役続行希望なら「自由契約」という発表になる。要は助っ人外国人と同じですね。今後どうするつもりなのか不明ですが、彼の経験などを買ってなんらかのカタチでハムに残るのではと想像しています。

 FA権を取得した石井一成の去就も注目されます。作新学院→早大と名門校でキャプテンをつとめた野球エリートですし、球団はできれば手放したくないはず。宗山を獲得できていれば微妙でしたが……もしハムに残留すればコーチを含む球団幹部としての道も開けているはず。

 そしてここに来て大型補強の情報が流れています。まずは中日の絶対守護神ライデル・マルチネス。

 「日本ハムが獲得レースに参戦となれば、一番怖いですね。外部から補強した選手が次々に活躍していますし、中日で一緒にプレーしたアリエル・マルティネスがいる。日本ハムの情報を耳にしたら、『このチームで野球をしたい』と心が動く可能性がある」

「(山﨑福也は)在京球団の巨人、ヤクルト、DeNAへの移籍が有力視されていましたが、蓋を開けてみれば日本ハムだった。条件面では日本ハムより上の球団がありましたが、獲得に熱心な姿勢と交渉能力の高さが実を結びました。一昔前と違い、マネーゲームを望まずプレーする環境を重視する選手が増えています。マルティネスの場合は何を大切にするか。豊富な資金力のソフトバンクが必ずしも優位とは限りません」(スポーツ紙記者)

 いくらエスコンマネーがあると言っても他球団、特にソフトバンクに条件面で勝てるわけがない。補強のポーズだけを見せる、なんてことを今更しても仕方ないので、参入するならそれなりに成算があるのかもしれませんね。とはいえ北海道とハムに少なからぬ縁のあった山崎福也と一緒にするのは乱暴すぎるでしょう。そんな浪花節ではなく、アリエル・マルチネスでできたキューバコネクションを使うことで、なんとかなりそうな手応えがあるのかもしれない。それがライデルの意思に沿うかものかどうかはわからない。

 もし万が一ハムに来たら、抑えが固定できると同時に、球の威力はあってもメンタル面で抑え向きではない田中正義をセットアッパーに回し、次世代抑えの柳川をじっくり育てることもできる。一石三鳥なんですけどね。

 そしてもうひとつは、今年メジャー移籍を目指し渡米した上沢がハムに復帰するのでは、という情報。

 既にネット上のハムファンの間では上沢復帰は当然のこととして語られてるけど、どうなんでしょうね。ポスティングで行きながらわずか1年で戻ってきて他球団移籍じゃ、有原以上に嫌われそうだから、ハム復帰が一番丸く収まりそうですが。

 だいたい有原がポスティングでメジャー移籍した経緯も、戻ってきてハムではなくソフトバンクと契約した経緯も、外部からはよくわからない。もしかしたら一定年数が経過したらその時の状況関係なくメジャーに送り出すという入団時の契約があったのかもしれない。であるなら有原にとってポスティングはハム球団の好意ではなく当然の権利だったわけだし、そこで義理を感じる必要もない。帰国すると決めた時、ハムから復帰のオファーがあったのかも不明だし、もしあったとしても、比較にならないほどソフトバンクの条件が良かったのかもしれない。確かにポスティングで渡米しながらわずか2年で帰ってきて他球団と契約、というのでは元の球団のファンの気持ちは収まりませんが、そうなった経緯がわからない限り、有原を一方的な悪者とする気にはなれません。海外FA権を行使して渡米した田中賢介はハムに戻って現役を終え、同じく海外FA権を行使した建山はハムには戻らず阪神で現役を終えた。それぞれの人生です。

 私はと言えば、もちろん上沢は好きな選手だから復帰なら大歓迎だけど、加藤山崎上沢と、来季ローテに30代が3人(バーヘイゲンも加わるようなら4人)並ぶことになる。来年はまだ、ギリ大丈夫かもしれないが、根本とか福島とか達とか細野とか、そういう若手の一本立ちを考えたら、ベテランが透明な天井になるような状況はあまりよろしくないと思います。球団としては再来年以降のことより来年なにがなんでも絶対優勝する、という意気込みなのかもしれませんけどね。


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小野島 大
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