[北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2021] 4/8　対ソフトバンク3連戦

　対ソフトバンク3連戦は2試合連続の逆転負けで3連敗。本拠地札幌ドームで3カード8試合を6敗2分けと未だ勝ち星がなく、通算成績は1勝8敗2分とまったく浮上の兆しがありません。

　ソフトバンクとの第一戦は先発池田が野村のエラーにも足を引っ張られ2回までに4失点。以降も小刻みに失点。相手先発千賀がケガで早々にマウンドを降りたものの、その後出てきた中継ぎに手も足も出ず4安打無得点、0-7で完敗。

　2戦目は先発の新人・伊藤の圧巻のピッチング、大田の今シーズンチーム初HRで6回まで1点リードしたものの、7回表一死1，3塁からの中村晃の投ゴロを伊藤が併殺を狙って2塁に投げたものの中島が捕球できず後ろに逸らして（中島のエラー）同点に追いつかれ、続く松田への110球目、高めに浮いたストレートを打たれて逆転。続く8回にも長谷川が打たれて3失点、2-6となって勝負ありでした。

　もちろん焦点は7回の中村晃の一打です。タイミングは完全に1-6-3のゲッツーでしたが、伊藤の送球がレフト側に逸れたことは確か。とはいえ1度グラブに当てて逸らしたように獲れない球ではなかったし（だから中島にエラーがついた）、もし念のため足をベースから離して捕球したとしても2塁走者はアウトにできたタイミングでした。ただし態勢的にそこからカラダを反転し1塁に送球してもゲッツーを獲れたかどうかは微妙で、そうなると3塁走者の生還は避けられず、同点にされるのは仕方なかったかもしれません。しかし伊藤はそれまで5回表のエラー絡みの無死1、3塁のピンチを三者連続三振で切り抜けるなど、かつてのダルビッシュのような圧巻のピッチングでゲームを支配していただけに、中島の軽率なプレーが流れを大きく変えたことは確かです。二死1塁と一死1，2塁では投げる側の心理状態が全然違うので、落ちついて松田を打ち取り、同点のままで7回を終わっていれば、まだゲームはわからなかった。今季、中島はこうした軽率なプレー、あるいはあと1歩足が動かず、去年までなら追いついていた打球をヒットにしてしまう例が非常に多い。岩本勉は「球際が弱い」と言ってましたが、はっきり言って固い守備が取り柄の選手がこんな拙い守備ばかり繰り返していては、ゲームに使う理由は全くありません。

　そして今日。先発河野が5回投げて7安打を打たれながらもなんとか相手を1失点に抑え、打つ方では樋口の2本のタイムリーで2−1と1点をリードし、玉井〜井口と無失点でしのいでなんとか8回セットアッパーの宮西まで繋いだものの、なんと宮西は自らのまずい守備と、バントを警戒するあまりの四球で無死満塁のピンチを招き、犠牲フライとタイムリーで3点を奪われ逆転されるという悪夢のような展開。犠牲フライも許されない場面で普通のセンターフライで満塁の全走者がタッチアップ進塁したのも驚き。相手投手から7回までに10安打6四球とランナーを出しながら2点しかとれない「残塁打線」も致命的でした。

　昨日の試合の伊藤見殺しも酷かったですが、より深刻なのは今日の3戦目でしょう。今季ここまで、先発が早々に崩れて試合が壊れるケースが多く、勝ちパターン継投を出すような展開にならなかったので、なかなか宮西の出番がなく、今季わずか3試合目の登板でしたが、その絶対的切り札のセットアッパーがまともにストライクが入らず、自らのまずい守備もあって自滅に近い形でリリーフを失敗したのですから。いわばハムの命綱、唯一の勝ちパターンが崩れた。これがたまたま今日調子が悪かっただけならいいですが、今季35歳となるベテランの衰えの兆候だとすると、ハムのゲームプランは根底から壊れることになる。しかしこれは十分事前に予測できたことで、ショートスターターだのオープナーだのという愚策で先発をマトモに育てようとせず、中継ぎを酷使してブルペンを疲弊させた栗山政権9年間の当然の帰結と見るべきでしょう。

　昨日の試合で中田が謎の途中欠場、おまけに今日の試合前に右目を腫らして登場しスタメン落ちするなど、なにやらベンチ裏の混乱を象徴するような出来事もありました。開幕からずっと調子が良かった野村も、謎の2試合欠場、ただでさえ厳しいソフトバンクの攻めもあって、すっかり調子を崩してしまったよう。打つ方は当面好転は期待できないだけに投手陣が踏ん張ってロースコアの接戦に持ち込まないと勝負にならないですが、肝心の勝ちパタン継投が不安定でアテにならないとなると、勝機をどこに見いだしていいものやら。玉井が徐々に復調し、今日ファームからあがってきた井口が使えるようなら、この2人を軸にブルペンを立て直すしかないでしょう。あとはバーヘイゲン、アーリンという外人投手待ちですが、果たしてそれまでチームがどれだけ踏ん張れるか、そしてファンが我慢してくれるか。今日の観客の入りを見ても、そろそろ札幌のファンにも見放されつつあるようですね。