[北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2024] いざ、福岡へ 

  2024年クライマックスシリーズ・ファースト・ステージを2勝1敗で突破。ソフトバンクとのセカンドステージに挑みます。

 CSファーストステージは先手必勝。第一戦をモノにしたチームが80%以上の割合でファーストステージを勝ち抜く、というデータがあるそうですが、私は第2戦の勝ち方を見て、ハムが絶対有利な立場になったと思いました。結果が出た今書いても後出しジャンケンで説得力ないですがw 9回裏の万波の同点HRは彼の個人技ですが、10回裏のサヨナラは二死から松本四球→清宮ヒットと繋ぎ淺間の右前打で決めたもの。HRでなく二死から打線が繋がって決めたのが大きい。しかも今季レギュラーシーズンでは全く手も足も出なかった澤村相手です。万波のHRで一気に試合のムードが変わり、緊張とプレッシャーでガチガチに固くなっていた選手の心がほぐれ、劣勢の試合でも投手が踏ん張り、終盤にしぶとく繋いで点をもぎとり逆転する、強い時のハムの試合運びができた。こうなるとレギュラーシーズンでロッテに圧倒的に強かった相性の良さが発揮できます。

 今日私はライヴを見る用事があり、試合は途中までしか見られませんでしたが、2点先行されてもすかさず清宮のタイムリーで追いついたところで、昨日からの流れは続いていると確信できました。7回裏の勝ち越しは双方にミスが出て、流れがどっちに行くかわからない感じでしたが、上川畑のバント失敗併殺打でチャンスが潰えかけた時に、粘り強く繋いで四球をもぎとり決勝打の水野に繋げた田宮の働きが大きかったと思います。

 そして多くの人が指摘するように、超満員のエスコンフィールドの観客の後押しは大きかったはず。第2戦7回裏から、チャンスでもないのにチャンステーマを懸命に歌い続け球場全体を巻き込み選手らを鼓舞し続けた応援団のみなさんの力は大きかった。

 私が思い出したのは2006年のソフトバンクとのプレーオフセカンドステージ第2戦。八木と斉藤和己の緊迫した投手戦を稲葉のサヨナラヒットで勝った試合です。その時私は札幌ドームの内野席で見ていましたが、それまで完璧な投球を続けていた斉藤が9回裏に突然乱れ、先頭の森本に四球を与えたのは、その直前、9回表を八木が抑えたあとに自然発生的に観客の間で起こったウエーブが影響していたと思います。広い札幌ドームを何周もするような巨大なウエーブ。あの時の球場の盛り上がりと高揚感は、一生忘れられない体験でした。俺たちが勝つに決まってる、さあ、そろそろ決めようぜ、と、球場全体がそう言っているような、あの異様な雰囲気に完全無欠の大エース・斉藤といえど呑み込まれてしまった。そう私は確信しています。テレビ中継ではその間CMが流れていたので、テレビ観戦ではわからない現場の体験というやつです。

 その時戦っていた選手が、まさに新庄剛志その人だった。その年日本一をチームにもたらして新庄はあっさり現役引退してしまうわけですが、18年の時を経て、再び新庄が観客を巻き込み味方につけて、チームに勝利をもたらした。なにか不思議な因縁を感じますね。

 そして息つくひまもなく、水曜日からはソフトバンクとのセカンドステージが待っています。2006年とは反対に、今度はハムが相手本拠地に乗り込み挑戦者としてリーグ王者のソフトバンクに挑みます。

 しかし今年のソフトバンクはほぼ完全無欠の強豪チームです。2位のハムとは13ゲーム差。得失点差も、打率も、防御率も、リーグダントツ。選手層の厚さもポストシーズンの経験もハムよりはるかに上。ケガしていた柳田や近藤が打線に戻り、「完全体」になったソフトバンクには正直、付けいるスキがない。大きな味方だった観客の力は、今度は逆の立場となって我々に襲いかかる。数少ない望みは今季の対戦戦績が五分であることと、それから相手が真剣勝負の場から離れているため試合勘が鈍っている可能性があることぐらいです。セカンドステージを見据え伊藤大海を温存し初戦にぶつける策も、逆に言えば第一戦を落とせばたちまちチームが窮地に陥ることを意味する。 

 しかしシーズン2位のチームとしてはファーストステージを勝ち抜いたことで最低限の責務は果たしたわけですから、あとはのびのびやればいいと思います。監督は「日本シリーズに出ないと意味がない」と言ってますが、出られれば超ラッキー、ぐらいの感覚でいた方がいい。圧倒的多数のソフトバンクファンの圧力に負けず、昨日今日の試合のような粘り強さを発揮できれば、面白い勝負になるでしょう。先発は伊藤→バーヘイゲン→加藤(中5日)→金村(中5日)→北山(中5日)or 山﨑(中6日)→伊藤(中6日)でしょうか。練習中にケガした伏見の代わりに梅林あたりを呼ぶか? 

 新庄采配について気になる点は、ファーストステージ3試合でバントはことごとく失敗、盗塁も不発で、攻めるほうの策が外れ続けていることです。バントの失敗はシーズン終盤から続いているので、選手全体に「失敗したらどうしよう」というプレッシャーがのしかかっている可能性がある。その代わり継投策は不気味なぐらいハマってますが、ロッテ相手に通用した我が投手陣が、完全体になったソフトバンクに通用するか。楽しみです。

 

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小野島 大
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