[北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2024] 2024年シーズン終了、ストーブリーグへ
2024年シーズンが終了しました。CSファイナルステージ、もう少しやれるかと思いましたが、完敗でしたね。試合見た人はみな、ホークスとの圧倒的な力差をヒシヒシと感じたと思います。13.5ゲームというゲーム差通り、いやそれ以上の差でした。チームとしても、個々の選手同士でも。そうなると、シーズン終盤の対ホークスの連勝はなんだったんだという話ですが、ゲーム差のついた独走状態で、ホークスは早くからCS を想定して、目先の試合の勝ち負けよりいろいろデータを収集して対策を練っていたんだと思います。伊藤も加藤も山﨑も、清宮もレイエスも万波も、ソフトバンクに完全に解析され研究され尽くして丸裸にされてる感じでした。スコアラーによる配球パターンやバッティングの傾向分析は当然のこと、いまはホークアイとかトラックマンとかラプソードとか、最先端の弾道・フォーム解析の機械があってハムの主要投手打者は全て分析・対策済みでしょう。それでも伊藤はタマの力で少しは抑えられるが、加藤みたいにかわすタイプの技巧派投手は完膚なきまでにやられる。凡打も含め、すべての打球に対して迷いなく振り切られて完璧に捉えられていましたからね。単に調子が悪いとかじゃない。クセも見抜かれてるのかもしれません。もちろんデータがあっても選手にその通り実行できる技術がないと意味がないわけで、ホークスはそれができる一流選手が揃っているという話です。同様の対策はハムもやってるはずですが、選手の力量も指揮官のデータの生かし方も違ったということでしょう。それをホークスはロッテ、楽天など、CSの可能性があったチームすべてにやっているはず。だから今回ホークスを抑えるなら、データが蓄積してない若手を使うしかなかったかもしれない。ウチなら達とか細野とか。ちょっと打線をいじったぐらいじゃダメ。大ギャンブルだけど、それぐらいやらないと厳しかった。
主力打者ひとつとってみても、栗原山川近藤に柳田が加わり、今宮や周東が脇を固める布陣は、ハムのそれとは完成度も実力も経験値も精神力も全然違う感じ。采配のここに問題があった、ここでミスしたというよりも、とにかく力量が違いすぎて、選手はこうすれば良かったという悔いよりも自分の力のなさを痛感したと思います。そうなれば選手に悠長にオフを満喫する余裕などこれっぽちもない。練習練習また練習、これしかない。
さていろいろ取り沙汰されてる監督の去就ですが、
ドラフト会議終わってから進退決めるって、そんなことあるんでしょうか。辞めるかもしれない監督の意向をドラフトに反映させるはずがないし、ドラフト終わって、やっぱ辞めまーす、なんて許されるはずがない。第一監督が代われば下のコーチも代わる。ドラフト終わってからクビになって次のコーチの口を探そうととしても各球団の体制が決まってからじゃ遅い。コーチのことを考えても、早期に監督が去就の結論を出すべきなのは普通の配慮です。だから実際はもう留任は決まってるんでしょう。なにを考えて表明しないのか知らないが、ドラフト終わって、こんな凄い選手が獲れたから、こいつらを一人前にするまで辞められないと思った…とか言いたいから?
そして新規のコーチとして楽天から的場コーチ、横尾コーチが入団と報じられました。
今年のハムの二軍は専属のバッテリーコーチがおらず、山中潔さんがアドバイザー的な役割だったはずですが、的場コーチならハムでの指導者経験もあるし安心です。横尾コーチは池田との交換トレードで楽天に行き、引退して即コーチ。まだ若いのにずいぶん買われてたんですね。打者としては最後まで殻を破れなかったですが、打撃理論もあり人格的にも温厚で人望もあるらしい。特に有薗、阪口など伸び悩む若手を手助けしてほしい。なお現ファーム打撃コーチの小田コーチや佐藤コーチの去就は不明です。
そして24日にはドラフトが控えています。ハムはいろいろ噂されてますが、まだ1位指名を表明していません。下馬評では大学NO.1遊撃手・宗山を指名するのでは、と言われてますが、ショートには今季台頭してレギュラーを勝ち取った水野がいます。まだ若いし、もちろん足りない面も多々ありますが、守備の動きの良さ、小さな体に似ぬパンチ力、意外な勝負強さなど、才能の片鱗はうかがえ、今後の伸びしろも大いに期待できます。打率が極端に低く確実性に欠けるのが難点ですが、もしこれで3割、とは言わないまでも2割7分でもコンスタントに打てれば、ベストナインもゴールデングラブもとれるでしょう。ホークスの今宮ぐらいにはなれる素材だと私は思います。そこであえて年齢も近い宗山を指名するかどうか。もちろん森本とか陽とか松本とか、入団時はショートで(金子誠の壁を越えられず)コンバートして成功した先輩がいっぱいいるので、競り合わせ、どっちかをセカンドにコンバートして水野ー宗山の二遊間、という構想はあるかもしれません。つまり球団が水野の将来像をどう見ているか、ということだと思います。水野、上川畑、石井、奈良間、細川、中島と二遊間の人数だけはいますが、抜けた大物がいない。宗山は鳥谷二世と言われる大物、スター性のあるスマートなイケメンなので、そういう意味ではハムフロント好みかも。
現在のハムに足りないと言えば、先発投手です。加藤や山崎は二ケタ勝って頑張ってくれましたが、今後は年齢との闘いになり、長いことローテーションを守れるとは限りません。伊藤を柱に金村、北山……の次がはっきりしない。今季1年でずいぶん経験を積んだ福島、終盤にあがってきてプロ初勝利した達あたりが来季ブレイクしてくれれば、細野や育成の孫あたりが出てきてくれれば、伸び悩んだ根本が復調してくれれば……と期待はしたいですが、アテにはできない。となると、ローテを担える即戦力投手の補強は急務と思えます。ここ数年高卒の投手が育っておらずハムの育成体制に疑問を投げかけるむきもあって、高卒投手をじっくり育てるというよりすぐ使える大卒社会人、となれば、やはり宗山と並ぶドラフトの目玉の金丸(関西大学)は魅力ですね。どっちを指名しても競合は必至ですが……
もうひとつ欲しいのは外野です。西川が抜けたあとの一番センターを担える選手がいない。本来であれば五十幡がその任をになうはずが、その並外れた脚の速さを重宝され代走要員として便利に使われてしまい、実戦の打席経験が絶対的に足りない。これではいくら才能があっても開花は難しい。本当ならこれと見込んだ選手はファームで一定数の打席を与えてじっくり育成するのがハム流のはずですが(森本も田中賢介も中田も陽もみなそう)、今の新庄体制になってからは、そんな感じではなくなっている(それを一概に悪いとは言いません)。去年のドラフト3位・宮崎はそんな感じで下で育成してますが、来季は宮崎だけでなく五十幡、そして矢澤あたりもそうしてファームでじっくり熟成させ、台頭してきたら一軍で腰を据えて使ってほしいですが、そうもいかない事情があるなら、やはり一番センターを担える俊足好守の外野手がほしいですね。(追記:松本剛のことを忘れているわけでなく、私の理想とする一番センター像とはちよっと違うんですね)
捕手に関しては田宮が一年通して戦える体力がつけば、スタメンレギュラーで問題ないと思いますが、ファームの捕手事情が逼迫してるので、下位で高卒の捕手をとりそうな気がします。
あとはいつも通り、中位〜下位指名で大学社会人のすぐ使えるリリーフ要員を。田中正義、池田、斎藤友貴哉、山本、杉浦と、今季ブルペンを支えた投手の多くがトレード組で、ドラフトで取った生え抜きでは河野、それからずいぶん時間はかかりましたが生田目ぐらいしかいない。やはりドラフトが機能していないのは球団として健全ではないと思うので、かつての武田久や増井、谷元、そして宮西の衣鉢を継ぐようなタフな選手がほしい。
これから戦力外、現役トレード、FA、トレードなど、プロ野球ファンとして見過ごせないイベントが控えています。続報を待ちましょう。