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【キリスト教YouTubeチャンネルレビュー】 #1 真駒内教会

はじめに

以前教区の研修で発表を担当した際、いくつかのチャンネルを簡単にではありますが、紹介しました。そこに載せられなかったチャンネルを今後は少しづつレビューしていこうと思います。

チャンネル概要

今回紹介したいのは、日本キリスト教団真駒内教会(札幌市)のチャンネル「真駒内教会」です。

Zoomを使用しての礼拝配信もされているそうですが、私は同じ時刻に職務がありますので、参加したことはありません。Zoom使用なので、オンライン参加は事前に教会に連絡をする必要があるそうです。
YouTubeにアップされているのは、聖書朗読部分の音声と、説教+祈祷の動画をまとめたものが礼拝関係のもの、その他に子ども向けプログラム資料としてアップロードされている手話賛美レクチャー動画です。

このチャンネルの魅力①

いきなり最後のことを言うのですが、これが最大の魅力だと私としては思っておりますので…。

牧師・杉本和道さんの説教の締めくくりが巧みです。

実は、説教の、特に締めくくりのパターンの固定化が指摘されるようになって久しい…のかもしれません。たとえば下の「いのフェスチャンネル」で公開されている平野克己さんの説教学の講座は、動画リリースこそ最近ですが、これが雑誌付録DVDとして配布されたのは2015年です。その中にこのような話があります。

「(……)主イエス・キリストは世の罪を負って十字架で死んでくださいました。(……)それゆえあなたの罪はゆるされています。(……)私たちはそのことに感謝して今週も生きていきたいものであります。(……)全部似てます。」

下のリンクの28:00付近からです。

講師の平野さんの感覚的なものとは思いますが(とは言え彼は恐ろしいほどの数の説教に触れているのでその肌感覚を信頼してもいいでしょう)、80%くらいがこのパターンの締めくくりとなっている、と動画中で語っています。

しかし杉本さんは、私が見る限り、このような締めくくりがかなり少ないです。こうなってくると、先程とりあげた問題とされたパターンもひとつのバリエーションとなり、息を吹き返すのだと思います。
そして、特筆すべきことと私は思っているのですが、彼は「聴衆への問いかけ」で説教を終えることがあります。例えば1月9日は、このような締めくくりでした。

神さまの愛は今日もすべてのいのちに向かいます。この教会の礼拝堂の中で終わるんじゃないんですよね。ここを越えていく。もっと言えば、皆さんがそれを携えて出ていくんですよ。神さまの愛を皆さんが携えて出ていく。それぞれのお家に。それぞれの生活の場に。救い主は、すべてのいのちと共に喜び、共に泣いておられます。皆さんは誰と一緒に喜び、誰と一緒に泣きますか?

下リンクの14:30ころからです。

これを、「それゆえ私たちも隣人と共に喜び、隣人と共に泣く者として一週間を歩んでいきたいものです」と語っても、それぞれ意味することは正反対ではないとは思います。
しかし、印象というものは全く違ってきます。

問いかけで終わる。これは、「たとえ話」というある種の問いかけの性格を持った語り口で語ったイエスのスタイルにマッチしているような思いもします。また、それは聴衆(もっといえばそれぞれの人の背後で支える神)への信頼の表れとも言えるかもしれませんね。

この「くどく教えない」というスタイルは、言い切りでの締めくくりでも表れていて、好印象です。

このチャンネルの魅力②

もうひとつは…。

「解放」の風が、牧師の語り口や聴衆(子どもたち)の反応と相まって
優しい色合いで流れていることです。

メッセージの多くで、「小さくされた人びとと共に生きる神」が語られるのですが、その話し方は柔らかで、聞き取りやすく、聴衆が自分で考えて思い巡らせる「余白」があると思います。
少し杉本さんにインタビューしたところ、この「解放」の目線は、前任代務者である大倉一郎さんとの学習会が要因のひとつとなって培われているのでは、とのこと。今後このような学習会は続けられていくでしょうし、より強く、優しく、この風が教会を満たしていくことが期待されますね。

ちなみに大倉一郎さんが最近翻訳した本は、私のふるさと(というか実家の目の前)の「道北クリスチャンセンター(道北センター)」にまつわる物語だったりします。もしよければそちらも…(笑)

さて、真駒内教会の紹介に戻りましょう。
礼拝に参列ができている時には(北海道のCovid-19感染状況によって参列の制限がかけられるときもあるようです)、会衆の反応も時々音声に入ってきます。また、子どもたちの声も聞こえてきます。それぞれ明るい教会の雰囲気を伝えてくれます。この雰囲気は礼拝動画以外のものからも伝わってきます。

おわりに

現在は登録者数40人程度の小さなチャンネルなのですが、たとえば「説教の締めくくりを考察する」というだけでも、牧師・信徒問わず視聴の価値があると思います。
もしよければ、見てみてください。教会ホームページなどは以下にリンクを置いておきます。

ホームページ

YouTubeチャンネル

トップ画像は教会ホームページからお借りしました。感謝いたします。

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