制作過程と裏話 その4・心在らずフェス〈夢中のストラット〉

月刊ニュータイプ 2023年7月号掲載
夢中のストラット
その4『心在らずフェス』


〈memo〉

野外の音楽フェス、人生で2回ほど行ったことがあるんですけど、
あれ楽しいんですよね。
お外で、大好きな歌を生で聴いて、踊るって、食べのものの屋台もあるし、
まさに祭り……

インドア派の私には、体力的にハードル高いので、
そんなに頻繁には行けないですが、
けっこう好きな場です。
夕方とか本当に、人生のハイライトになりがちなやつ……はぁいい。

でももう暑すぎて、音楽フェスで一日中外で歩き回って踊り狂うなんて
夢のまた夢みたいに思えますね……
できてる人、まじですごいと思います。健康……


今回は、コラージュ的な構成をイメージしました。
コラージュってそもそも「貼り付ける」意味で
連続性や関連性のない印刷物を切り貼りすることですが、
その「コラージュ感」って、その切り抜き一つ一つの
経緯や素材や目的のバラバラさがあってこそ成り立っているので、
経緯も素材も目的も一致した1枚絵として
全部同じ技法で描こうとしたところで、
コラージュ感出ないんですよね。

過去のいろんな場面からレイヤーを持ってくる、みたいなことで
完成時期をばらつかせる、というやり方も、
結構ちゃんとコラージュっぽくなると思うんですけど、
今回は普通にこの1枚は同時に生まれる新作なので、
そこも敢えてやるしかありません。

あとはまぁ「紙で貼った感」みたいなものは
可愛らしくなりそうですけど、別に本編に不要だったのでやらず、
技法とテクスチャは統一のまま、
ならばいかにコラージュするかということが課題だったんですけど、

まぁ、パースとか具体物の、抽象度の差をつけることで
どうにかなるんじゃないかなと思い、描いてました。

「パースの抽象度」って何のこっちゃって話ですけど、
まぁレンズで除いたようなボケ具合とか、伸び具合とか、
そういうものをどう崩して、どう印象に近づけていくかですよね、
キュビズムってほど解れてはいないですが、
方向性としてはそういうことをしたことになります。

具体物の抽象度、モチーフ自体の具体度をどう崩していくのか、は、
客観的に見たら絵柄が違うように見えますよねもはや。
その点で言えばブブとナガヲもそうなのかもしれません。
まぁそれでいいんです。



7月号から9月号まで、同じ時間軸のお話にしました。
次回も続きになります。お楽しみに。



そして、東京国分寺で、
私の最後の抽象短編アニメーション作品類展、開催中です。
ぜひお越しください。
開廊日が少し変則的ですので、スケジュールご確認くださいませ。


では。


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小野ハナ 作品展
『 いえ 』

2023年9月4日(月) 〜 2023年9月27日(水)
月〜木:11:00 〜 17:00  日:11:00 〜 18:00
お休み:金、土、祝、12日(火)、20日(水)

second 2.
https://second02.com/
JR中央線、西武国分寺線、 西武多摩湖線
国分寺駅北口より徒歩約3分
〒185-0012 東京都国分寺市本町 4-12-4 1F (103)
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小野ハナ
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