建築の新しい在りようへ③ - abhi から「月ぬれず、水やぶれず」、そして精神的自動機械へ
序 : 道元『正法眼蔵』におけるシークエンス建築のデザインの根幹に触れる。
こちらの取り扱う道元とスピノザの言辞が開く観念のことである。
道元の主著、『正法眼蔵』のなかで「現成公案(げんじょうこうあん)」の巻は周知のように「白眉」であり、圧巻と言われる。短編である がこれほど著名で、内容について感得されきたった巻はない、という。それは仏道という証(さとり)を求めることからの視点からであろう。こちらの表題から見れば、門外漢が見るこの巻の世界は、