やばい、しんどい
日銀からのマイナス金利終了のお知らせ。
そのまま円高がやってきて株価は下がるのだろうか。
経済ってのは実にややこしい。
円高がやってこないパターンもあり得るとかなんとか。
その上、生活には直結しているというやつだ。
いつの間にか「やばい」は定着していた。
流行言葉で終わるんだろうなぁと思っていたけれども。
意外にももう何年も通じてしっかりと残っている。
元々は窮地に立ったときの言葉でネガティブだった。
それがいつの間にか「Cool」という意味が付与されていた。
かっこいい的なポジティブな意味になっていた。
若い世代から順に浸透していって、今では誰もが使うようになった。
出始めの頃はここまで浸透すると予想できなかった。
変なの!って言ってた人も今では使っている。
ここ最近「しんどい」という言葉が目に付くようになった。
消耗するというようなネガティブな意味だったはずだけれど。
どうやら若い世代を中心にポジティブな使用を始めている。
まだまだ僕の世代なんかには浸透していないから困惑する人も多いかもしれない。
夢中になって心が持っていかれて消耗する、みたいなことだろう。
「愛くるしい」であったり「神々しい」みたいに使用されているようだ。
少し前に「尊い」がはやっていたけれどすでに見かけなくなってきた。
それに入れ替わるように「しんどい」が増えてきている感じだ。
前髪がしんどい!みたいなのはもう何が何だかわからなくて面白い。
言語は日々変化していく。
口語から始まり定着して文語にまで影響を与えていく。
だからこそ現代語辞典は毎年発売されている。
江戸っ子のはやりの置き換え言葉でアラタシイがアタラシイになったように、やばいもしんどいも、新たな意味が辞書に書き加えられることになるのだろう。
僕たちは変化し続ける社会の中に浮遊している。
言語は文化のもっとも前衛にいる。
「やばい、しんどい」
こう書いてあったら何をイメージするだろう。
マラソンのゴール近くでのランナーの心の叫びとかだったはずだ。
それが今では、
「かっこいい、たまらん」と同義になった。
やばいね。かなりしんどい話だ。
やっば、しんどっ。
果たして、尊いは古い言葉になるのだろうか。
そして、しんどいは定着するのだろうか。
誰もそればかりは読めない。
映画やドラマで最初に脚本に落とし込むのは誰だろうか。
尊いをまだまだ使っちゃいそうではあるけれど。
おじさん構文、おばさん構文。
色々と言われる世の中でござんす。
「宜しくお願い致します」って書くと仕事が出来ないイメージらしい。
「よろしくお願いします」って書くと仕事ができるイメージらしい。
ツールそのものが変化しているし、メッセンジャーでのやりとりも増えた。
かつてメールは手紙の代わりだったけれど、今ではコミュニケーションツールの一つになっている。スレッド表示が当たり前になったから冒頭の「お世話になっております」を割愛するケースも増えてきた。
国際的なやり取りをしている人ほど、形式的なものを使用しなくなった。
コミュニケーションは構文になった時点で破綻するからだろう。
まぁ、僕には関係ないさと思っていても。
そうもいかんみたいで色々な場面で変化に対応している。
日銀の方針なんか変われば、色々な場面で変化していくだろう。
企業の売り上げ目標も変わるだろうし、コーヒー豆の値段も変わる。
小さい変化のようで、それがさざなみのように押し寄せてくる。
ああ。生きる以上はその変化に対応し続けなくてはならん。
霞を食って暮らす仙人にでもならない限り。
仙人になんかなりたくないもんなあ。
やばい。しんどい。