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irodoriのおと#17吾妻山麓醸造所    代表取締役社長/栽培・醸造責任者 牧野修治さん

irodoriのおと
irodori編集長小野寺彰子が気になる方へインタビュー
または1人で気ままにお喋りをするポッドキャスト
ふくしまものがたりで対談動画も公開した吾妻山麓醸造所
代表取締役/栽培・醸造責任者である牧野修治さんにお話を伺った。


2024年5月に代表に就任した牧野修治さん

ポッドキャスト「irodoriのおと」ではオフトークのお話が中心。
まずは葡萄畑での様子をお届けする。

実際にワインになる葡萄を試食させてもらったのだが、想像よりも甘い。
実は、生食用の葡萄よりも甘いのだという。
糖度20度程にもなり、完熟マンゴー以上のレベルだ。
ワイン用葡萄は、粒が小さい分だけ果皮に旨みが凝縮している。
そして酸味もあることで、ワイン熟成に耐えうるだけの力を持つ。

鈴なりになる実を見るだけでテンションが上がった

実際に葡萄を口にして、種の熟成度を見たり、黒葡萄であれば皮を擦って
どれだけ色素が出るかなどを見る。
加えて、分析することで収穫や醸造のタイミングを図る。
同時に、他地域から届く葡萄もあるので、タンクの使用状況を確認しながら
醸造を行う。綿密なスケジューリングをしていても、
なかなか計画通りにはいかないことが多いそうだ。 

ふくしまものがたり用の収録後も、話はまだまだ続く。

山形から届いた葡萄なのにトロピカルな味わいになったり、
長野の葡萄で作ったものが、涼しげな味わいになったりと一筋縄ではいかない。
それが難しいけれども、面白いところだと話す。 

加えてここ最近の気候の変化は、ワイン作りにも大きな影響を与えつつある。

吾妻山麓醸造所のある福島市は、言わずと知れたフルーツ生産量の高い地域だ。
しかし、これまで作られてきたリンゴや桃も、気候の変化で、
これまで通りとはいかないこともある。
品種を変えながら行なっている栽培農家も増えてきているらしい。

葡萄は植え付けて収穫、植え替えて3、4年ほどは実がつかないという。
加えて温暖化の影響で、シャルドネが採れていた地域では、
酸味のある品種に変えたり、栽培の工夫をしたりと
生産者としては苦労が絶えない。

北海道ではピノ・ノワールが増えてきているというのも気候変動の影響だ。
イギリスの南部では今、スパークリングワインが作られたりしている。

平均気温が2度上がると、葡萄栽培地が半分になるという話もある。
生産者としては高緯度化や海抜の高い場所を求めて動いていたりするそうだ。
現在作られている品種が、10年後、20年度同じ場所で栽培されているかは分からない。
もしかして全く違う品種が栽培されているかもしれない。

福島は県土が広い。
浜通り、中通り、会津。
夏の暑さも、雪の量も違うということは、出来上がる葡萄やワインも違う。
広い県土だからこそ、それぞれに特徴の出るワインになると期待している。

牧野さんが特に注目しているのは、猪苗代や伊達や霊山などのエリア。
それぞれの土地や気候など特徴を活かしながら、葡萄を栽培し、
それを醸造家がワインにするよう、「整えていく」だけだという牧野さん。

厳しい自然、最近の気候の変化
向き合う課題は毎年違っていて気苦労は絶えないだろう。

しかしだからこそ、自然と人が繋がって
素晴らしいワインが出来た時
何にも代え難い喜びになるのではないか。

「ワインは、祝いの酒」
牧野さんの言葉が、ふと聞こえた気がした。



株式会社 吾妻山麓醸造所
福島県福島市桜本字梨子沢4番地の2
代表取締役 牧野 修治
設立 2019年8月

HP


自社栽培の葡萄で作られた待望のエステートワインが登場!

FUMÉ BLANC 2023 / フュメ・ブラン 2023
草原を吹き渡る風、トロピカルフルーツのようなニュアンス、
そしてスモーキーなテイストのある白ワイン
福島県福島市桜本ならびに上野寺にある自社圃場で栽培された
ソーヴィニヨン・ブランを使用し、ステンレス樽にて6ヶ月間育成

WINERY AZUMA SANROKU(ワイナリー吾妻山麓)の南側に位置する
「横森ヴィンヤード」は、阿武隈川の支流である白津川の堆積土壌によって
構成される扇状地の裾野にあたり水捌けのよい土壌
また「横森ヴィンヤード」には近隣の温泉地からの硫黄の香りが流れ込み、
世界的にも類を見ないような独特のテロワールを有している
その特徴的なテロワールを表現するべく、柑橘系の香りやパッションフルーツ、
ツゲの葉などを濃く表現した近代的なソーヴィニヨン・ブランではなく
「横森ヴィンヤード」がもたらす硫黄の「煙」(フュメ)を彷彿するような
クラシックな「フュメ・ブラン」とした

産地:福島県福島市桜本・上野寺
ブドウ品種:ソーヴィニヨン・ブラン
収穫年:2023
醸造法:ステンレス樽熟成(6ヶ月)
容量:750mL
アルコール:12.5%
酒質:辛口

ALVARINHO 2023/ アルバリーニョ

柑橘や福島の桃、紅茶などを彷彿させる、爽やかな酸味が特徴の白ワイン
WINERY AZUMA SANROKU(ワイナリー吾妻山麓)の南側に位置する
「横森ヴィンヤード」は、阿武隈川の支流である白津川の堆積土壌によって
構成される扇状地の裾野にあたり水捌けのよい土壌
また「横森ヴィンヤード」には近隣の温泉地からの硫黄の香りが流れ込み、
世界的にも類を見ないような独特のテロワールを有している
その特徴的なテロワールを表現するべく鉱物的な塩味を感じることから
「海のワイン」と云われるアルバリーニョをポルトガル語表記の
「ALVARINHO」とした

2023産地:福島県福島市桜本「横森ヴィンヤード」
ブドウ品種:アルバリーニョ
収穫年:2023
醸造法:ステンレス樽熟成(6ヶ月)
容量:750mL
アルコール:11.5%
酒質:辛口

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