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最終日、新宿テアトルに映画『PARALLEL』を観に行く。レイトショー。

監督は「コンムオーベレ vol.2」での宴席をちびっとご一緒にした仲だった。作品のおそろTシャツを着ていて、いいな~と思ってしまう。

夜でも猛暑。

冒頭の虐待シーンがド直球で、およよ、こりゃ見てらんない映画かもしれんーっておもったけど、まったくの杞憂。

それらは、ロマンスの始まりというか、さすが物語の序章にしかすぎずで。中高生時代に食べ尽くしたとおもったあの粗暴で雑な味付けのジャンクフードが大好きだったことを齢32にして思い出させてくれる作品だった。昨今ふんわりした愛だの恋だの、キラキラ生クリームにみたいな作品もいいね、って味わいに慣れ切った自分をすこし恥じる。そうだよ、オレこれ、大好きだったじゃん。なんで忘れてたんだろうね、って。
著名人の推薦コメントの数々(主に男性)にも大いに納得である。

これが才能か~!とひれ伏す。

公園や駅デートシーンとか、ちょっとのつたなさが、また二人の不器用さを表現しているようで、よき。

パンフにサインを、とアナウンスされ、そうだ!とおもったけど、Tシャツ買ってサインしてもらうべきだったような……とミーハー心がつよい自分。「変身するときは光るんだよ」というのはこれ、名台詞~。刻まれる~。

そしてこの愛の語り足りなさと言語化の難しさは小説『ネガティブハッピーチェーンソーエッジ』の近しさをも感じたというか。本編とはずれていくかもしれないんだけど、このルサンチマン的というか、そこに陰キャ的な「好きな女の子の前で、カッコつけられたらそれでいい」という男子の謎願望、ひいてはいつまでも続くヒーローになりたさが表出されると、自分ではなかなか描ききれないの気もしてて、余計に好きが増してしまう。

まだ劇場公開は続く模様。機会あれば、また行きたい所存。

(そして、そういう男子は私のことに振り向きはしないんだろうなという次の連鎖を生み出す……話なら書けるような気がするけど、面白くない気がするなあ)

そんな熱量を劇場でみかけた、O氏やS氏、M氏には語れそうになく、妙なテンションで挨拶してしまう。

23時を回っていたので、そのまま別れ、東京オフラインセンターに1本だけ見つかった電池を返却しに行く。慣れた道のりで帰宅。

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Hikari Onodera| 小野寺ひかり
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