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梅雨入り前か。思い立ったが吉日、朝8時台から映画を見に行けばいいと朝一上映で映画『碁盤切り』を見る。思い出の太秦。雑誌『映画撮影』の記事で美術の準備にも言及されていた。

のだけど、始まって冒頭、碁石とともに流れるピアノの音色にぐっ…とうなる。阿部海太郎氏、W座の音楽を担当していた方…と妙な親近感で高まる。

クリエイティブな映像の連続で往年の時代劇をほうふつとさせるトラディショナルなカットもあって、後半から魅せる格之進、感情の発露。怒りや明かされる過去。

ストーリーも50両で自ら身売りに来た古典落語が挿入差し込まれてくる。

全てにおいてフルコース的。

一番は小泉今日子氏の、あの、あの頬のたるみと視線や、腹の底で何を考えているか、わからないこわさや、その佇まいの美しさでもあるわけだけど。

これは、大変面白かった。

しずかな興奮をたたえながら、パンフと、原作小説を携えて帰る。

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Hikari Onodera| 小野寺ひかり
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