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2024年 Toreru Media 執筆記事振り返り
\知財系 Advent Calendar 2024 12/7(土) 記事です/
ケイバリュエーション鈴木さんからバトンを受け取りました。
2024年に Toreru Media で執筆した知財記事4件について淡々と紹介していきます。桃鉄、ぬか漬け、冷房コタツ、こち亀。
1. 桃鉄×知的財産権 2024.1.9 公開
筆者が大好きなゲーム「桃太郎電鉄ワールド」を通じて、世界各地のユニークな知的財産権事例を紹介。実際に旅行等で訪れた際に撮影した写真も盛り込みつつ、以下5都市に関連する知的財産権を取り上げました。
1. アメリカ:フェニックス
サボテンバーナーに関する特許権(US630823)を紹介。
特許図面:おじさんがよそ見をしながらサボテンを燃やしている。
2. フランス:リヨン
サン=テグジュペリの代表作「星の王子さま」の挿絵に関する商標権。
挿絵は物語の世界観を象徴するものであり、いくつかの挿絵は商標権として保護されている。
3. シンガポール
高級ホテル「マリーナベイサンズ」のカジノに関連する特許権と意匠権を紹介。
ルーレットホイールに取り付け可能なスマートカバーに関する特許(特許第6150902号)は、同ホテルのCCOであったAndrew MacDonald氏が発明者。
4. 台湾:台北
猫型のマッサージデバイスに関する実用新案権(TWM361342U)を紹介。
可愛らしい猫の形状が特徴的なマッサージ器具。
5. 日本:大阪
阪神タイガース岡田監督(執筆当時)の名言「そらそうよ」に関する商標権(商標登録第6710506号)を紹介。
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何歳になっても桃鉄は面白いです。地理は桃鉄で学びました。
2. パテントクッキング 2024.4.9公開
この記事では、特許情報を参考にして日本の朝食メニューを調理する「パテントクッキング」を紹介。特許に基づく3つの和食レシピを取り上げ、調理方法やその美味しさを紹介しました。
1. 炊き込みご飯
特許第3845324号「炊き込み御飯の調理方法」を参考に、具材を水面から出した状態で乾燥味付け材をふりかけて炊く方法を紹介。これにより、具材の濃い味付けが可能となり、炊き込みご飯の美味しさが増します。
2. 冷ややっこ
特許第5684933号「豆腐、豆腐成形用具および豆腐成形方法」を基に、豆腐の表面に切り込みを入れ、有色の液体調味料をかけることで視覚的にも楽しめる冷ややっこの作り方を紹介しています。これにより、食事者が視覚的にも楽しめる効果があります。
3. ぬか床
特許第3594302号「甘酢ぬか床」を参考に、米ぬかに水、塩、酢、甘味料を混ぜて作るぬか床のレシピを紹介。この方法により、カビの発生を防止し、長期間使用できるぬか床が作れるようです。
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ぬか漬けは今も現役で活躍中です。キュウリのぬか漬けが最強。
3. 次世代家電 2024.7.9 公開
この記事では、昭和時代に出願された特許や実用新案から、現代でも通用する(?)次世代家電のアイデアを紹介。以下の3つのユニークな家電製品アイデアを取り上げました。
1. 浴槽洗濯機
概要:浴槽の底部に撹拌器を設置し、入浴後の残り湯を利用して洗濯ができる装置。
利点:水道代の節約や大物洗いが可能。
出願情報:実全昭56-114790(1980年出願)。
2. テレビ付冷蔵庫
概要:冷蔵庫にテレビなどの表示装置を組み込み、庫内の食品情報を表示したり、エンターテインメント機能を提供する。
利点:キッチンでの作業中や食事中の情報取得が容易。
出願情報:実全昭63-19177(1986年出願)。
3. 冷房コタツ
概要:コタツ内部に空調装置を取り付け、冷暖房の両方に対応。
利点:局所的な冷暖房が可能で、エネルギー効率が高い。
出願情報:特開平02-103322(1986年出願)。
冷房コタツ、欲しいです。
4. こち亀×予言 2024.10.1 公開
この記事では、漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(こち亀)に登場する先進的なアイデアと、関連する特許情報を紹介。こち亀は、その先見性から特許審査で先行文献として引用されることもあります。(参考記事)
1. 警察が鳥型ドローンを活用
第197巻「ドローン来襲の巻」(2015年12月初版)では、主人公の両津が鳥型ドローン「バードロン」を開発し、犯人捜索に利用するエピソードが描かれています。関連する特許として、鳥の羽ばたき機構を持つ航空機に関する特許第6313628号や、警察官がパトロールに活用可能な小型ドローンに関するUS9471059B1を紹介。
2. 屋台や風呂を楽しめる電車
第54巻「列車よいとこの巻」(1988年10月初版)では、車内に屋台や風呂を設置した電車のアイデアが登場。関連する特許情報として、観光ホテル旅客列車の運行システムに関する特開2018-195311を紹介。この出願では、車両内に宿泊設備や食堂、娯楽施設を備えた観光列車が提案されています。
3. 超高性能な嘘発見器
第132巻「本音で行こう!の巻」(2002年11月初版)では、両津が高性能な嘘鑑定機「証人尋問君」を開発するエピソードが描かれています。関連する特許情報として、音声解析を用いて嘘を検出する腕時計に関する特開2004-246275を紹介。この出願には、音声の振幅レベルの変動を比較して嘘を検出する技術が記載されています。
こち亀を引例とした新たな審査事例が出てきてほしいです。
以上、今年執筆した4件の紹介でした。以前と比べると頻度は落ちましたが、今後も細々と執筆していきます。
明日は鈴木康介先生の「商標と企業価値」関連の記事です。とても楽しみです!
Uchida
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