混沌と前ならえ
人間の世界に上手く紛れ込もうと、外に出る。
「靴」を履くのを忘れて。
おひさまと、おつきさまが選手交代する時は、屋根の上にいる。何をすることもなく、ただそこに。
綺麗に一列に並べられた屋根の瓦。
どれも同じで、みんな前ならえ。
このうちの一つでも欠けたら、全部ダメになってしまうんだろうな。
前に自転車で行った島で見た岩の群集は、どれも形も、大きさも、向いている方向も、考えていることもぜーんぶ違った。
だから、一緒にいたけどそのうちのひとつやふたつ居なくなったって、どうってことない。
どうってことのない世界へ。