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映画『女たち』公式note オープンしました

篠原ゆき子、倉科カナ、高畑淳子、サヘル・ローズらが共演!チームオクヤマ発足 25 周年の節目に、奥山和由が製作総指揮を務める『女たち』が2021年春公開!公開を記念して、公式noteをオープンしました。

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ポスターデータ

ストーリー

主人公の美咲は、母の介護をしながら地域の学童保育所で働いている。東京の大学を卒業したものの、就職氷河期世代で希望する仕事に就くことができず、恋愛も結婚も、なにもかもがうまくいかず、40 歳を目前にした独身女性である。娘を否定しつづける毒母、そんな母に反発しながらも自分を認めてもらいたいと心の奥底で願う娘。そこに「介護」という現実がのしかかってくる。お互いに逃げ出したくても逃げ出せない。あるとき、美咲が唯一心のよりどころとしている親友・香織が突然命を絶ち、いなくなってしまう。美咲にとって、養蜂家として自立する香織は憧れだった。美咲の心もポキリと折れ、崩壊へと向かっていく。

イントロダクション

映画『ハチ公物語』(1987)、『その男、凶暴につき』(1989)、『GONIN』(1995)と邦画斜陽期から攻撃的な姿勢で様々な色合いの映画を製作してきた、レジェンダリープロデューサー・奥山和由。現在もプロデューサーとして『海辺の映画館―キネマの玉手箱』、『銃 2020』などの意欲作を手掛けるとともに、映画監督作も発表する八面六臂の躍動を見せている。そんな奥山が、コロナ禍でふさぎ込んだ時代に風穴を開ける新作映画を製作した。それが『女たち』だ。

舞台は透き通った青い空と、自然豊かな緑が眩しい山あいの田舎町。年老いた体の不自由な母親と二人暮らしをする美咲は、母・美津子のホームヘルパーとして自宅を訪れる直樹との結婚を夢見ていた。罵詈雑言を浴びせかけてくる毒母・美津子との息苦しい日々のオアシスは直樹との逢引き。そしてもう一つは幼なじみの親友・香織が営む養蜂場。丹精込めて作った香織のハチミツは甘く優しく、癒される。ところが直樹の手ひどい裏切りと香織の突然すぎる死によって、美咲の心のダムは決壊寸前を迎える。「なんで死んじゃったんだろ…」。人と人との距離が引き離されたコロナ時代。でも心と心は?ひとさじのハチミツが“女たち”の心を繋ぎとめる。

製作総指揮の奥山和由がギリギリの女たちの生き様を見つめるのは、映画『GONIN2』以来約 25 年ぶり。加えてチームオクヤマ発足 25 周年の節目にもあたる。映画作りに奇縁や必然はつきもの。当然のようにキャスティングにも、幾多もの必然が生まれることになった。

主人公の美咲を演じるのは、卓越した演技力で『浅田家!』『罪の声』などの話題作に出演するほか、人気連続ドラマシリーズ「相棒 season 19」のレギュラーキャストにも抜擢された女優の篠原ゆき子。かつて出演した映画『おだやかな日常』(2012)は、奥山がエグゼクティブディレクターを務める沖縄国際映画祭のクリエイターズ・ファクトリーで高い評価を得たという奇縁がある。出演場面は短いながらも、奥山がプロデュースした武正晴監督作『銃 2020』で魅せた体当たり演技が、『女たち』主演への切符になった。自ら脚本作りにも参加し、美咲の抑圧と解放を全身全霊で表現。女優としての凄みを爆発させる。

美咲が心の拠り所にする親友・香織に扮したのは、人気・実力ともに評価の高い倉科カナ。『真幸くあらば』(2010)を始めとする奥山プロデュース作品のファンであり、長らく奥山との初仕事を熱望していた。それだけに並々ならぬ気迫で難しい役を演じ切った。また脚本からインスピレーションを受けて、ロングヘアーを約 40 センチもバッサリとカット。長いキャリアの中でへばりついた“明るく・可愛く・可憐な女性”というレッテルも自らバッサリと切り捨てた。そのパッションは香織にとって最も重要な場面にも悪天候を呼び寄せ、土砂降りの中での壮絶かつ印象深いシーンを誕生させた。倉科は精神的にバランスを崩した哀しき孤独な女性をリアリズムで体現。“新境地開拓”という手垢のついた言葉だけでは物足りない、新生・倉科カナをスクリーンに焼き付けた。

生きる目的も失い、自暴自棄で娘に当たり散らす毒母・美津子に挑戦したのは、ベテラン女優の高畑淳子。役作りのために現役の介護ヘルパーに話を聞き、美津子の体の症状と心情を自らの肉体を通して代弁。眉毛のほとんどないノーメイク状態に白髪交じりの毛髪を振り乱して絶叫する姿は、“毒”を超えて“鬼”の様相を呈している。奥山曰く「樹木希林さん以来」という、自らのアイデアを活かした小道具の持参など、美津子が実際に生きて存在しているかのような生活様態を微細に創造。クライマックスでの娘 VS 母の愛憎混じった取っ組み合いは、映画史に残るベストバウトシーンになるだろう。

そのほか窪塚俊介、サヘル・ローズらネームバリューある逸材のほか、筒井茄奈子ら期待の若手も出演。脚本・監督を務めたのは『おだやかな日常』でメガフォンを取った、内田伸輝。撮影に至るまでに脚本の稿を何度も重ねる慎重さがある一方で、撮影現場では“女たち”に扮した“女優たち”の意見やアイデアに耳を傾け、フレキシブルに対応。スタッフ・キャストに共同作業という一体感を共有させて、いまだかつてないコロナ禍という難しい状況下での撮影を駆け抜けた。

透き通った青い空と目を奪う豊かな緑。風光明媚な景色の中には、コロナ禍の重く淀んだ空気に囚われて生きる女たちの営みがあった。蓄積された感情がついにスパークしたとき、その衝撃と光線は目を覆わんばかりに眩しく、儚く、そして美しい。

篠原ゆき子・倉科カナのコメントはこちらから。

Ⓒ「女たち」製作委員会