声のこもる人へ・扁桃腺のでかい人へ(2)

喉奥を拡張するイメージで声を出すととても音が響くようになります。これは多分3つの要素で変化が生じています。1声帯を引っ張る筋肉。2口腔の形の変化。3空気の流れ。心当たりがある人は読んでも得る物は無いかと思います。


この記事を読んでる方は「それをしても意味がない」と思われてる筈です。私もそう思っていました。効果が無いどころか、余計に音が濁るとさえ思っていました。そしてそれは扁桃腺のせいに違いない、と。しかし実際は、どうやら鼻が大きく関係しているようでした(ただし、鼻のコントロールの邪魔を扁桃腺はしていると思います)。ですので、まずは前回の(1)の記事を読んでいただけたらと思います。推測でしかないのですが、鼻と喉の合流地点の「喉の高い位置」は鼻に強く影響を受ける為、鼻の空気の流路をしっかりコントロールしないと音が強く濁ってしまうのだと思います。

喉の奥を手前側に引っ張る、などのように表現する人も居ますし、私の場合は拡張するというイメージですし……難しいのですが、これをすると明確に響きが増します。空気感も足されて、共鳴が強調されます。その結果「鼻の操作が不十分だと籠もりも強調される」のだと思います。コツは意外と力は要らないという点ですね。むしろ力を入れると喉や舌の方が閉塞して籠もりが助長され、その状態ですと違いを実感しづらくなって変化を妨げるかも知れません。動かし方がわかると力を入れなくてもスイッチを切り替えるようにできるようになりますので頑張ってみてください。

これができるとお得な副産物が二点(2.5点?)あります。一つは高い音程が比較的楽に出る事です(ただし限界音は変わらないっぽいです)。声帯は幾つかの筋肉で伸び縮みさせて音を高くしてるらしいのですが、この喉の動作でその内の一つの大きな筋肉を引っ張れるっぽいです。2つ目は楽に声が出せるようになる結果、更に喉の脱力ができるという点です。喉に力を入れて声を出していると舌根の位置だとか喉の位置だとかを考える余裕が無いのですが、この出し方で高音を出すようにすると他のポイントが自在に操れるようになり、声の出し方が自由になります。今までも自由だと思いこんでたのですが、今までが実は不自由だったのだと最近になって痛感しております。3つ目は響きを選べる事です。響きというのは一本調子じゃありません。多くの場合、響きそのものが不自然だから男だと思われるのではなく、響きが「不自由」だから男だと思われてしまうのです。女でも綺麗ではない響きの声を出す事は割とよくあります。しかし綺麗な声を出そうと思えば出せる訳です。その幅こそが大事なのです。声の出し方が自由になれば、当然、響きも選べるようになるのです。

響きに関してですが、幾つかの場所を複数同時にコントロールする事が可能になります。1.前の方に息を出しながら、奥の方に、上の方に。2.喉を下に押さえつけながら、あるいは喉を押さえつけないで。3.喉奥上を拡張したり、喉奥下を拡張したり、拡張しなかったり。それらを組み合わせる事が可能になります。

嫌っていた籠もった音は薄れて、前よりもマシな声になる筈です。濁りが減る事で怖がらずに色々な出し方に挑戦できるようになります。そしてそれはより楽な発声に繋がり、それがナチュラルさとフリーな発声感を更に増してくれる筈です。


と言うのがここ3ヶ月ばかりで私が体験した大きな変化です。私は未熟も未熟の最底辺レベルなのですが、私と同じ事で悩んでる人は多いと思ったので是非追体験していただきたく、このような記事を書かせていただきました。どうか扁桃腺に負けずに頑張ってください。扁桃腺のせいで迷路に迷い込む事のありませんよう……。

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