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トロイ・ニールという男

割引あり

テキサス州で生まれ、二十歳まではバスケットボール
に夢中になっていたニールは
ハワード大学に入学してから一転、野球を始めると
すぐに頭角を現します。

1986年のMLBドラフト9巡目で
クリーブランド・インディアンスから指名され
入団、5年間はマイナー暮らしを余儀なくされましたが
1991年、オークランド・アスレチックスに
移籍した途端、その才能が一気に開花、
3Aタコマで首位打者を獲得したほか、
投手としても3試合に登板するほど脅威の
身体能力を見せ、
メジャー初昇格を果たしたのです。

翌1993年にはメジャーに定着し19本塁打を放つと
1994年は4番(よばん)を任される事もあり
4打席連続ホームランをふくむ15本塁打を記録、
さらにメジャー屈指のスラッガー、
ビッグマックことマーク・マグワイアと
クリーンナップを形成する機会にも恵まれました。

やっと調子が出てきた矢先でしたが
ここで
運命を変える出来事が起こります。

1994年の8月頃から選手とオーナーの
主張がぶつかり合い、長期のストライキに突入した
MLBは一時中断、出場機会を求めて多くの
メジャーリーガーが海外に活躍の場を求めたのです

ニールも同様に、日本かメキシコなど
野球で生計が立てられる国だったら
どこへでも行くつもりだったとの
言葉通り、
長距離砲の少なかった
オリックス・ブルーウェーブ
からのオファーを即快諾、
契約金と年俸(ねんぽう)それぞれ1億円で
海を渡ってきました。

トントン拍子に交渉が進んだため
わずか2週間で入団が決まった
身長191センチ、体重98キロの
筋肉ムキムキスラッガーは
準備する間もないままキャンプインしますが
「すぐに100パーセントの力は発揮できないけど
最終的に打率2割8分から3割、ホームラン30本
くらいは打てる自信があるね、ただ一番重要
なのは打点だと思っているよ」と語り
2年連続二桁本塁打を記録した
アスレチックスの4番バッターという
触れ込みにも大いに期待が寄せられました。

いざ開幕すると、イチロー、田口、DJと
繋がるブルーサンダー打線の中核を成し
凄まじいパワーから繰り出す
豪快なホームランで主砲として活躍、
1年目からダイエー小久保にわずか1本
及びませんでしたが
27本塁打を放ち、チームのリーグ優勝に
貢献します。

進出した日本シリーズではヤクルトに
完敗した事から解雇も報じられましたが
土壇場で撤回され、2年目にその雪辱を
果たす事を誓ったのでした。

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