本当にやりたいと思えることを。学校よりも現場を選んだエンジニア。
今回、ワークサイド第5回目のストーリーに登場するのは、2023年2月に入社したエンジニアの増山です。海外生活で感じた「日本の当たり前」への違和感から人生を問い続け、大学に通うよりもエンジニアとして生きていくことを決意するまでの軌跡。そしてそんな彼がなぜワークサイドを選んだのか。素直な言葉で語られる等身大のストーリーをぜひご覧ください。
海外生活で育まれた率直さとチャレンジ精神
――どのような幼少期を過ごしましたか?
小学校3年生まで日本にいましたが、小学校教員である父の赴任で小4から小6までバーレーンという国で暮らしました。
現地ではカポエイラという武術を習っていたのですが、そこではまだ身体の小さい低学年の子が、上級生に向かって「うるさい!」とか「元の位置に戻れ!」と注意していました。しかも上級生もそれを素直に聞くんです。
これは僕にとって衝撃的なできごとでした。日本では友達とうまくいかなかったり、ハブられるような経験も時々あったんですが、バーレーンにはそんな息苦しさがなかったんです。「こんなこと日本ではとてもできないぞ」と思うと同時に、フラットな関係性に何だかすごく勇気づけられました。
もうひとつ、たまたま現地にいたときのことですが、ある日父が民族音楽のコンサートに行くと突然言い出したんです。何だかつまらなそうに聞こえたんですが、しぶしぶ出かけてみるとめちゃくちゃおもしろくて。
そのときに思ったのは、一見つまらなそうだと思うことも体験しておいた方がいいんだなということです。この経験が今の自分の思考にも、最終的にワークサイドを選んだことにも繋がっていると思います。
大学受験から逃げようとした10代の終わり
――その後の学生生活は?
中学までは勉強もギリギリうまくやれていて、希望の高校に合格しました。しかし高校に入ると急についていけなくなり、ついには勉強が嫌いになってしまいました。
勉強から逃げ続ける中で考えたのは、本当に大学に行くことに意味があるのか?ということでした。言い訳だったのかも知れないけど、僕にはその理由が見つけられなかったんです。
受験のための勉強に根詰まって人生そのものをどうしたいのかを考えると「海外に行ってみたい」とか「お金を稼ぎたい」とかこれまで考えてこなかったことが出てきました。そうなるとますます大学に行く意味がわからない。やる気もどんどんなくなり、受験は半ば諦めて社会人になる道を考え始めました。
エンジニアという職業を知ったのはそんな時期でした。働きながら海外に行けるとか、お金を稼げるとか、最初の動機は不純だったかもしれませんが、少しずつ関心が高まっていきました。
意地で貫いたエンジニアへの道
――その後、進路はどうなったのですか?
一度エンジニアになることを意識し始めると、受験が迫っているのにもうそればっかり考えていました。何か道が拓けたような気がして。
案の定、受験には失敗し、進路について親と話さなければならなくなりました。「エンジニアの道を目指してみたい」と説明するんですが、親からは「それじゃダメだ、大学には行け」と猛反対されるばかり。
そのことでケンカもしましたが、ある日、将来を気にかけてくれた親からの提案でプログラミングスクールに通うことになりました。しかしそこでは全く手応えが得られませんでした。エンジニアリングの力はつかないし、親は行きたくない大学に行けと言うし、もうどうしたらいいのか…。
1年半くらい宙ぶらりんな日々を過ごしていましたが、どうしても僕を大学に通わせたい親から通信制の海外大学を勧められました。僕の海外好きを逆手に取ってのことだと思いますが、英語だし、コンピュータサイエンスも学べるし、いいな、と(笑)。エンジニアリングの勉強を続けながら親の要望も満たせるということで入学を決めました。
大学ではアメリカのコンピュータサイエンスを学び、いろいろな国、いろいろな経歴の人、優秀なエンジニアまでいたりして刺激的な環境でした。
しかし、肝心のプログラミングはここでもできるようになりませんでした。
――では一体どのように?
大学に入ったあとに時間ができ、高校のときの同級生とプログラミングの勉強をしました。分厚い本を買い、そこに書いてあることをひたすら実装する毎日を過ごしていると「なるほど、これがプログラムか!」と大学の授業ではつかめなかった感覚が得られたんです。
それでやる気が湧いて、高校生バンド向けの音楽配信サービスをつくってみることになりました。何の知見もないままつくりはじめましたが、何とかリリースまでこぎつけました。Twitterでフォロワー300人ぐらいのアカウントをつくり、そこで告知もして。
しかし1ヶ月サービスを運営してもユーザーが1人しかつかなかったんです。これにはとてもガッカリして、強い挫折感を味わいました。
挫折はしましたが、同時に開発会社に関心を持つようになりました。今の自分たちの力ではできないことをプロの現場で学びたいと思ったんです。
――学校ではなく実務を選んだんですね
そうですね。そんなキッカケからエンジニアのインターンを探しました。未経験でも受け入れてもらえる求人をようやく見つけ、入ったのが前職の開発会社です。
時間がかかりましたが、ようやくエンジニアになることができました(笑)。
――上手くできない時期も長く経験しながらイヤにならなかったんですね
「悔しい」が強かったかもしれないですね。自分の力でいいサービスをつくれなかった悔しさがあったと思います。
あとは正直に言うと「大学には行かない。エンジニアでやっていける!」と親に見栄を切った手前、逃げられなかったというのがいちばん大きいと思います。学歴もなく、他に能力もない中で、自分のプライドのために続けざるを得なかった部分もあります。
学校よりも現場で
――開発会社に入った後は?
インターンではありますがいろいろ経験させてもらい、すごく勉強しました。土日も勉強するし、家に帰ってからも勉強するし、冗談抜きでソースコードが夢に出てくるまで勉強していました(笑)。
それがよかったのか半年後に正社員にしてもらい、それで仕事の幅も広がって、1年くらいは「勉強して、成長して、楽しい!」みたいな日々が続きました。
そのときはまだ大学に籍がありましたが、仕事をした方が大学に行くより学びが多いと思っていました。「正社員としてエンジニアになれたし、もう大学行かなくてもいいよね?」と親に言ったら、「いいんじゃない。そういう道もあるんじゃない。」と言ってくれたんです。
「やっと認めてもらえた」と思いました。親から「大学を辞めてもいい」なんて言葉が出るとは思わなかったですね。
――その時は何歳ですか?
20歳です。仮にストレートで大学に入学していたら、2年生の1月ですね。
――周りが大学2年生のときに社会人になったんですね
そうですね!なんかちょっと勝ち誇った気分になっちゃいました(笑)。「2年早くキャリアを始められたぞ!」という気持ちで。
もっと顧客のために
――正社員になった後は?
結論から言うと、1年後にワークサイドに転職することになります。
前職はエンジニア集団で、自分たちがつくりたいものをつくる、やりたいことをやってみるという性質が強かったと思います。それはとてもいいことだし、純粋にエンジニアリングが楽しく、「数年間はこの会社でやっていこう」と思っていました。
一方、仕事ができるようになるにつれてユーザーを喜ばせるサービスをつくりたい、技術がいいだけでなく売上が上がるビジネスをつくりたいという思いが強くなっていきました。そのためにユーザーや顧客に近い環境に身を置きたいと思うようになったんです。
――たくさんの会社の中からワークサイドが目に止まったのは?
ワークサイドで働いているエンジニアが元々先輩だったんです。インターン時代に2ヶ月一緒にいただけだったんですが、ユーザーに寄り添った開発を志向する人だったことを思い出して家まで話を聞きに行きました。それがワークサイドとの出会いです。
――入社したいとまで思った理由は?
顧客に寄り添っていることを強く実感できたからです。例えばワークサイドのSlackには#customer-voiceというチャンネルがあって顧客の声がエンジニアにも共有されると聞き、とても魅力に感じたのを覚えています。
それ以外にも、カスタマーサクセスという役職の人がいるらしい、と。実はそのときに初めてカスタマーサクセスという存在を知りました…(笑)。
社長が営業出身ということもあってか顧客の成功を追い求めることが会社の思想のベースになっていることを強く実感しましたし、開発も顧客が何を求めているかを考えて行われていることを聞き、もはやその時に入社を決意していました(笑)。
スタートアップに飛び込んで
――実際に入社してみてどうですか?
顧客との距離の近さについてはギャップがないどころか、むしろ思っていた以上でした。
自席で開発をしていると、すぐ後ろから「これは本当に顧客が求めているものなのか?」みたいな議論が聞こえてくる刺激的な環境です。開発チームはそれがうれしくてニヤけてますよ(笑)。
あとは、開発の進め方には違いがあると思います。
開発会社には「エンジニアリングガチ勢」が多いんです。エンジニアリングのプロ集団として、例えばコードを1行書く、関数を1つつくるにしても、これは何で、なぜこういう名前なのか、などすごくロジカルにひとつひとつ理由をつけてつくっていきます。
これはエンジニアとして当たり前にやるべきことなのですが、ワークサイドはスタートアップなのである程度期限を決め、スピード感を重視して進めないといけない。完璧を目指すよりも今ある手札を駆使して前に進むことが求められるところは大きな違いだと思います。例えば設計に時間をかけられないとか、これでは汚いと思ったコードでもとりあえず書いていかないといけないとか。つまりはカオスな環境です。
失敗も多いですが、それでもチームで議論と改善を繰り返し、自分たちで考えて良いコードを書いていくことをやらざるを得ない環境です。「つよつよエンジニア」から指導してもらえる前職の環境はとてもありがたいし勉強にもなりますが、ワークサイドはエンジニアとしてとても実践的でおもしろい環境です。
僕は師匠から「本当にエンジニアリングの力をつけるには、まず1回自分でコードを書いてみること。3ヶ月後にそれを見たとき、『なんて汚い設計だったんだ』と感じて改善までしたときにやっと自分の技術になり、血肉になる。」と言われ、今でもその言葉を胸に刻んでいます。
ワークサイドにはある意味それを強制的に実現する成長環境がありますよね。
――ワークサイドの同僚はどんな人たちですか?
いやもう一言でまとめられないくらい全員個性が強いです。ちゃんと説明するにはひとりひとりのことを話さないといけませんね…。
まず社長の貫太さん(秋山)はリクルート出身でバリバリやってきた人です。営業で突き抜けて、新規事業も立ち上げて、シンガポールに赴任したこともあって、すごい経歴があるんですけど、めちゃくちゃ腰が低くて。こんな経歴があったらもっとオラオラしていいんじゃないかと思うくらいです。あとすごくプロダクトとか、スタートアップに対する熱が強い。初めて会うタイプの人だと思いました。
カスタマーサクセスのおくぼさん(久保田)は、大企業に入社して、その後転職して、社会人10年目で子どももいるにも関わらずスタートアップという茨の道を10年目にして選択した人です(笑)。
さらに、2023年4月に入社したペンペンさん(柳沢)に至っては、もっとヤバいです(笑)。上場企業の役員の地位を捨ててまで、ワークサイドに飛び込んで来てしまうという…。
エンジニアのいっちーさん(市澤)も何だか不思議な人で、自分の中に世界を持っている。常に自分と他人ではなく、自分と自分を比べるものすごくストイックな人です。
それぞれキャラクターが強いんですよ。これだけ話してもまだ全然説明できません(笑)。
――それだけ個性が強い人が集まると、雰囲気が悪くなったりぶつかり合ったりすることも多いんじゃないですか?
確かにそう思われるかもしれないんですが、不思議とそれがないんです。
まずは、どのメンバーも人と人が仲良くなる上で大切な気遣いができる人たちだと思います。その上で会社のMissionとValueをみんなが理解し、心から共感しているために尖った個性を持つ人たちが同じ方向を向いていられるのだと思います。
スタートアップは受け身だと仕事が来ない側面があると思いますが、みんなが主体的で、与えないと仕事をしないような人がいないこともやりやすさにつながっていると思います。
これから
――これからワークサイドで何をしたいですか?
実はエンジニアであることにこだわりはありません。自分はまだエンジニアしか知らず、ビジネスパーソンとしてこのワークサイドで、さらにもっと広いビジネスの世界で、どう立ち回っていけるのかを知らないんです。
ワークサイドはいろいろな役職の人がチームになって動いていて、ビジネスの話や顧客の声が毎日のように聞こえてくるのが魅力で選んだこともあって、これからいろいろ経験して、広く顧客の成功やビジネスの成功に向き合い、その中で自分がどう活躍できるのかを見てみたいです。
――ワークサイドにはどんな人に来てほしいですか?
まずはMission/Valueに共感してることが前提として必要かなと。
ワークサイドには「心を動かす」「顧客の成功に向き合う」「論より一歩」という3つのValueがあります。僕の推しは「論より一歩」。考えて考えて立ち止まるより前に進む方を選ぼうという意味があります。正しい方法を考えることには終わりがないので、自分もエンジニアとして日々このValueの実践の難しさを感じるのですが、今の環境ではちょっと粗くても進んでみる勇気が必要だと思います。
どういうエンジニアに来てほしいかを僕の立場から言えるとすると、先ほども言ったようにまだカオスなんですよね。
妥協せざるを得ないこともあるし、限られた時間の中で進めないといけない状況が半ば強制されます。正解を考える時間がないことをつらいと感じる人もいるかもしれません。逆にカオスの中で自分なりに考えて、失敗して、がむしゃらにやってみて3ヶ月後ぐらいに成長に気づくみたいな、失敗しても前に進めるようなチャレンジ精神のある人は向いていると思います。
――人生をかけてどんなことを成し遂げていきたいですか。
そうですね。ワークサイドのMissionは”People Experience for All”ですが、日本語では「全ての働く人に最高の体験を」となります。
今、自分の周りには社会人になることにポジティブなイメージを持っている人があまりいません。「大学が人生でいちばん楽しいから、今のうちに遊んどけ」みたいな感覚を持っている人が多いのですが、大学の4年間のモラトリアムが頂点になってしまう人生なんて最悪だと僕は思います。
社会人として働いていく楽しさをPeople Experienceを通じて伝えていくことは、まさに僕がワークサイドで実現したいことのひとつです。
【ワークサイドでは一緒に働く仲間を募集しております!】
ぜひこちらから採用情報をご確認ください。
https://open.talentio.com/r/1/c/workside/homes/1851