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怪談奇談

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御前田次郎が書いた怪談および不思議な話をまとめています。ほとんどが創作ですが、実際にあった事象が紛れ込んでいるかもしれません。
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#創作怪談

オートフェーダー

 レコーディングエンジニアのMさんの話。  あるアイドル系のボーカリストのミキシングを請…

御前田次郎
2か月前

ここでキスして

 私がまだ二十代の頃、不思議な女に出会った。夜中の十一時くらいだろうか。飲屋店街から少し…

御前田次郎
8か月前
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俺が退去した後の部屋が事故物件のはずはないのだが(仮)

 私は以前、神奈川県の東京寄り、新宿から三、四十分の所に住んでいた。1Kの賃貸マンション…

御前田次郎
4か月前
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居眠り

 ある日の夕方、私はお寺での朗読会を聴きに行っていた。古い文学作品にはお寺の雰囲気がよく…

御前田次郎
6か月前
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クリスマスね

 年の瀬も迫った冬の夜、彼女と近所の公園を歩いていた。人もあまり通らない小さな公園にもか…

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告ックリさん

 これは、ある二十代の男性――名を優斗さんとしよう――彼が小学六年生の時の話である。  …

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虫の命

 三十代の主婦A子さんは、とある動物愛護団体に所属している。そういった団体は数多あるが、A子さんが入っているのは主に犬猫の殺処分を問題にしている団体であるという。  ある日の午後、A子さんは市民ホールで開かれている集会に参加していた。著名人の講演がメインのイベントだったが、その後で一般の会員による自由なスピーチの時間が設けられ、A子さんも登壇して思う所を話した。  集会が終わって会場を出ると「スピーチ良かったですよ」と何人かに声を掛けられた。気分を良くして歩いていると、後ろ

私がメーテルになった日

 友人のSは古くからの松本零士ファンである。彼の部屋に遊びに行くとコミックが全巻ずらりと…

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引っ越し

 雅江の部屋がいわく付きの物件であることを知ったのは彼女が入居して三ヶ月経った頃だった。…

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