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怪談奇談

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御前田次郎が書いた怪談および不思議な話をまとめています。ほとんどが創作ですが、実際にあった事象が紛れ込んでいるかもしれません。
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#奇談

白い素肌のままでいて

 ある二十代の女性、佳奈さんから、友人にまつわるこんな話を伺った。友人の名前は美咲さんと…

御前田次郎
4週間前
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ここでキスして

 私がまだ二十代の頃、不思議な女に出会った。夜中の十一時くらいだろうか。飲屋店街から少し…

御前田次郎
8か月前
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俺が退去した後の部屋が事故物件のはずはないのだが(仮)

 私は以前、神奈川県の東京寄り、新宿から三、四十分の所に住んでいた。1Kの賃貸マンション…

御前田次郎
4か月前
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居眠り

 ある日の夕方、私はお寺での朗読会を聴きに行っていた。古い文学作品にはお寺の雰囲気がよく…

御前田次郎
6か月前
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いきる

 そいつが姿を見せるようになったのは三ヶ月ほど前だろうか。ワンルームの我が家、仕事の帰り…

御前田次郎
9か月前
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押したのは誰

 三十代の男性、渡辺さんの友人の話。その友人、気功や古武術などの東洋の身体技法に興味があ…

御前田次郎
9か月前
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夢で感じた重み

 夢を見ている時、人は身体的な実感をどれくらい感じるのだろうか。脳内で起きているだけだから身体実感なんかあるわけがないとお思いかもしれないが、そうでもないらしい。少なくとも私の場合はそれを感じることが多い。  たとえば地を蹴って空を飛んでいるときの浮遊感。美女と抱き合っているときの肉感。走って逃げなければならないのに足がなかなか前に進まない時の足の重さ。それ以外にも尿意を感じながらトイレを探すシーンにはよく出くわすが、これは現実に起きている感覚なので除外すべきかもしれない。

コーヒー豆の怪

 私は無類のコーヒー好きで、豆を自分で挽くのは勿論のこと、休日は生豆を買い出しに行って自…

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会議卓は踊る

 この話は友人のHから聞いた話であるが、90パーセント嘘ではないかと私は思っている。なぜ…

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