韓国に留学したいという娘に親が反対しなかった理由
高校3年生の娘が韓国に留学したいと言いだした時、予想はしていたので驚きはしませんでした。彼女は韓国のエンタメや言語、歴史に興味を持っていましたし、私も広い世界を見て欲しいという願いを持っていたからです。ですが、実際に大学に正規留学(学部に入学し韓国語で専攻について学ぶ留学)をするとなるとさまざまな面で現実的な検討が必要です。
この記事では私たち親がなぜ娘の韓国留学に反対せず応援したのか、について体験を紹介します。
韓国の大学に入学する目的を確認する
娘が何をしたいのか。なぜ日本ではなく韓国の大学に入学する必要があると考えているのか。動機がなによりも大切だと考えました。強い情熱が無いと、これから起こるであろうさまざまな試練を乗り越えることはできないと思ったからです。
もし私たち親が納得できる目的や理由が確認できない場合には断固反対しようと決めていましたが、娘の考えをじっくりと聞いたところ明確かつ納得できる回答を得られたので応援することにしました。
不安を分析し対処法を検討する
不安の正体
このとき私たち親の中に漠然とあった不安を整理すると以下の3点に集約できます。
経済:不安の筆頭です。留学はお金がかかります。一般的に欧米よりは費用が低いと言われますが円安の影響もあり負担が増しています。
安全:土地鑑も無く、言葉も分からないので事件や事故などに遭った際にどうすれば良いのか分かりません。特にパンデミック初期だったためコロナに感染したらどうなるのか?など考えたら不安は尽きませんでした。
将来:もし途中で挫折したらどうするのか。また卒業できたとしても日本の大学ではないことで就職などの際に不利になり苦労するのではないか。
これらを細かく分析してみると誰に対する問題なのかが分かりました。
経済:ほとんどは親が負担。娘ができるのは可能な限り奨学金などの援助を受けること。アルバイトをすること。
安全:直面しているのは娘。親が心配なら一緒に情報を集めることができる。親が有事に備えたいなら日本語対応のある語学堂(大学進学前に通う大学内の語学学校)を選択してもらうか少しでも韓国語や英語を勉強する方法がある。
将来:娘の人生なので自分で切り開くしかない。
親ができること
以上から親は下記のような決断をしました。
経済:全力でサポートする
安全:可能な限り努力する
将来:娘を信じる
親離れ・子離れのチャンスととらえる
娘の主体性を伸ばすという挑戦
娘の留学は、娘だけでなく親にとっても娘の主体性を伸ばすための大きな挑戦であると思いました。
高校進学までとは完全に方法を変え、情報収集の時点から娘が率先して行動するよう促しました。留学フェアなどのイベントにも一緒に行きましたが留学エージェントに依頼することは不可能だと伝えました。予想以上の費用がかかる点はもちろんですが、なにより他力本願になることなく主体性を持って行動しなれば外国での生活はできないだろうと考えたからです。
また語学堂に入る前に独学で韓国語を学ぶよう伝えました。それくらいの努力ができないなら本心ではないと考えていました。
不安そうな娘を見て心が揺れる時もありましたが、それが娘のためになると思い見守るように努めました。
頼るものが無い厳しい世界へ旅立つ覚悟
娘も期待と同時に不安でいっぱいだったようですが、追い込まれることで少しずつたくましくなっていきました。
もともと好きな事には没頭する性格でしたが、留学に関しては手続きなど面倒なことが山ほどあります。高校ではほとんど韓国についての進学情報が無く頼れない状況でした。それでも私たち親があまり手を貸さないため不満を口にする時もありましたが、スマホを駆使して情報を集めていたようです。
そしてパンデミックにより次々と例年の手続きの流れが変更されていきました。もともと大学の寮に入る予定が2週間の自己隔離を経てからでないと入れないと変更され、コシウォン(狭いアパートのような所)を短期間契約しなければならない事態に。しかし、そのコシウォンの入居日よりも前に韓国に入国しておかないと語学堂の出席日数が減らされることが判明したため、卒業式が終わったらそのまま飛行機に乗りホテルに滞在しないと間に合わないことに。しかし空港付近のホテルは18歳未満の一人での宿泊を断る所ばかり。
問い合わせに次ぐ問い合わせの日々。出国が近づいた頃はジェットコースターに乗っているような慌ただしい毎日でした。パンデミックで飛行機も欠航や運休がはじまっており、人との接触を避けることが推奨される中、自分しか頼れる人はいないという覚悟ができていったようです。
まとめ
私たち親が娘の韓国留学に反対せず応援した理由は以下の3点となります。
韓国の大学に正規留学する目的と強い情熱を確認できた
不安を分析し対処法を検討できた
親離れ・子離れのチャンスととらえることができた
もし私達の体験が進路について検討されている方の参考になればこれほど嬉しいことはありません。
お読みいただきありがとうございました。