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企画機能・商品化機能・販売機能の再構築 ⑷
3日間の目標は 1000 枚。
小売に初トライしたメンバーは、知人に声をかけ、みんなで売場をつくり、商品の価値を言葉にして、フェア開催に漕ぎづけた。
はじめての自社工場直売店オープンセールの結果は上々だった。チラシ効果もあったが、なにより大きかったのは社員さんからの口コミである。準備していたショーツは完売。そのほかオーダー下着などの注文をいただけた。
はじめる事業は知人から広げていく。
このことは会社組織に属していると忘れがちなところである。創業当時はどの会社もお客さまいない。どんな大企業だってそうなのだ。
ビジネスが軌道にのれば、ベクトルは、いつからか内向きに。
製造部がどうの、営業部が問題だ。
一般的な会社にみられる部門の壁が立ちはだかり、いつぞやお客さま不在の話が続いてしまう。先達がつくったシステムの上にのっかり、商売しているスタンスなら、お客さまが見えなくなっていってしまうのだ。
小林縫製さんのメンバーは、工場直売事業を起こしていく経験で、お客さま中心の社風がより強いものになった。
組織の活力を下げていたきいなら簡単だ。
それぞれに仕事の担当を設けて商品部は商品を。販売部は販売を。製造部は製造を。その線引きの中からでないようにルールを設定すればいい。
小林縫製さんは、まったく逆だからすごい。全員で企画を考え、販促を考え、知人にも紹介して、全員で臨んだのだ。セールの企画は企画部が担当し、販売部が企画を受けて販売するといった分業体制ではない。
当たり前だと思われるだろうが、今までと同じ発想で企画をすれば同じ商品が生まれ、同じように売っていれば支持率は下がっていく。製造部が顧客現場実感をなくしていけば、自分たちのペースでのものづくりを主張していくようになるだろう。そして、これらすべては自分たちのマンネリ化につながるのだが、会社というのは同じことの繰り返しを促すよう構造で押さえられている。
部門を超えて顧客接点を感じ取り未来に対して手を打つ、このアクションが増えていくのが望ましいのは周知の事実だろう。
しかし多くの企業では「何で」それをすのかの媒介があいまいだ。だから「どうする」のアクションが分業的発想の域を出ない。これらの状態を放っておけば、仕事は作業になりさがっていってしまう。
小林縫製さんでは、何を、会長ショーツを、どうする、リブランドして全員で販売していくというアクションを通じて。顧客接点を感じ取り未来に対して手を打てるチームに会社が変わっていった。
分業という問題発生の根源を変えていったのだ。