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【弓道教歌】射と弓具の関連(6)★
■過去分
1154 小笠原
上弦の 強き弓にて 射る時は
思はず知らず 矢所ちるなり
(歌意)
上弦(握りより上部)の強い弓で射る時は、矢行きが強くて、矢の行く所も散り易い、と云う意味である。
(感想)
上弦が強いと、矢所が散る、、おそらく初めて聞いたと思います。
胴が入った弓、小反りが強い弓は散りやすいと聞いたことがありますが、ほんと初耳です。
ですが、ちょっと待ってください。握りより上部と言及してるだけで、上成りとは表現されてないですね。上成りならば、そう表現すればいいだけですし。
そうすると、ここは目付け節付近のことを言ってるのではないでしょうか?
目付けが強い弓で今度試してみます。
1155 竹林
なりもよく 矢指(さし)て音を このみなば
常に心に かけてしかけよ
(歌意)
恰好もよく、弓勢の矢飛びも弦音もよいのを好むならば、常々仕掛けに心がけよ、との意。
(感想)
誰か、解説お願いしたいです。勉強不足の頭で考えるならば、筈に対してキツい仕掛けにすると、弦から矢が離れる時にマイナスになる、くらいしか思い浮かばないのです。
筈こぼれの心配が少なくなるので、キツい仕掛けにする心理は分かります。
深読みするならば、緩い仕掛けにして妻手に余分な動作をさせなければ、離れも鋭く、矢飛びも弦音も良くなる、ということでいいですか?
1156 小笠原
立居(たちい)まで 晴なる時は 射込みつゝ
上弦よはき 弓をいよかし
(歌意)
晴の場合は、射込んで手馴れた、しかも引き始めの弱い弓を以て射よ、との意。
(感想)
天候の晴れではなくて、ハレの日ですね。雨の日と分けるってあまり聞いたことがありませんから。引き始めの弱い弓、大三への受け渡しが楽な弓ですね。晴れ舞台で的中を狙うなら、使い慣れた弓が一番だと思うので、引き始め云々は関係ないと思うのは私だけでしょうか?引き始めの強い弱いは本人の好みですから。
1157 小笠原
常々は いかにも業を だふだふと
あらきの真弓 引きゞめ射よ
(歌意)
新弓(あらゆみ)は上弦が強く矢飛びが荒く、射悪いものである、との意。
※註
平素は新木の射悪い弓を堂々と射るようにして、晴の場所では射込んで引き始めの弱い弓を使うのがよい、との意味と解される。
(感想)
なるほど、理解しました。引きなれた弓というのは胴の入りも穏やかになって、上弦が多少なりとも弱くなってますね。加えて、曲がり慣れてるので、新弓よりは引き始めが柔らかい。そういう解釈をすれば、引き始めが弱いというのは個体差から来るものではなくて、使い込まれた弓を意味するのでしょう。
詩の中では表現せず、ちゃんと読み込むと解説の通りにあると、天晴れです。
以上、射と弓具の関連の話でした。あと数回で終わる予定です。お楽しみに~。