【コラム】竹弓と過ごす夏★
竹弓にとって嫌な季節がやってきました。
そう、夏です。
夏は竹弓にとって天敵です。
いつも以上に気を付けて扱わなければいけません。
弓具全般で直射日光は禁物ですし、竹弓は特に夏の影響を受けやすいものです。
今回は竹弓と過ごす夏と題して、夏の注意点をお伝えしていきます。
もう梅雨に入ってしまったので、猛スピードで仕上げます。。
車編
竹弓は絶対に車内に放置してはいけません。
弓道場に出かける前にショッピングに行こう、
ショッピングに行ってから弓道場に行こう、
どちらも高温の車内に竹弓を置いていく必要がでてきます。
夏の車内は40度を超えます。50度になる場合もあるそうです。
竹弓は熱を与えると柔らかくなり、形が変わりやすくなります。弦をかけた状態で車内に放置しておくと、それだけで成り・弦通りが変わってくる危険性があります。
弦を外していればセーフなのか?というと、Noです。
弦を外した状態でも熱を持っています。
道場について、すぐに張ってしまうと、いつも以上に形が変わる可能性があります。やんわり全体に火入れをしたようなものですからね。
気温が下がってる車外に出せば引けばいいのか?というと、Noです。
竹弓の温度はなかなか下がりません。表面が冷えていても、芯材部分が熱を持ってます。
熱をもってる状態で引いてしまうと、どんな影響があるか分かりません。
しっかりと冷える、、というより、均一な温度になるまでは引いてはいけません。
逆にメリットもあります。
竹弓の矯正にはもってこいです。矯正器をつけて、車内に30分程度置いておくだけで弦通りが動いてくれます。
保管編
家での保管、道場での保管は弦を外しておきましょう。
張った状態で負荷をかけてると、やんわり影響が出てきます。
道場にある保管所が高温多湿の場合はなおのこと家に持って帰ったほうがいいでしょう。
@練習後
夏は手汗がすごいことになります。握り革のコンディションに直結します。つまりは手の内です。滑りすぎて角見が効かない状態で打ち切りみたいなことになると、弓に悪いですね。
まずは弓巻きを工夫してみましょう。
握りの部分に新聞紙を巻いて、弓巻きと一緒に巻き込んでみてください。
完全に乾くまではいかないですが、ある程度の湿気を吸ってくれます。汗かいた時も有効ですし梅雨でも有効です。ベストにはいきませんが、ベターくらいまでは回復すると思います。
握り革をこまめに交換したほうがいいですが、時間もないので、少しでも良い状態に近づける工夫は必要でしょうね。
@家
家での保管でも風通しの良い日光の当たらない場所を選ぶとして、できることなら冷房が効いてる部屋がいいですね。(弦を張ってある場合は特に。)
常に冷房をつけておくことができるならば、それが最適解だと思います。
最近では冷房がつけたり消したりするほうが電気代がかかるそうですよ。
@道場
道場の弓具庫に保管してる方、いると思います。
日光当たらないし、そんなに室温上がらない、そんなふうに考えていませんか?
Noです。屋外に面した屋内、風も通って循環してるのに30℃を超えるんです。
屋内の弓具庫がそれを超えることは想像に難くありません。
極めつけは19時くらいに弓具庫にあった竹弓がまだ熱を持ってました。OUT〜!
とはいえ、全ての施設に当てはまるとは限らないですね。断熱がしっかりしれいば、射場や屋外からの熱が弓具庫までそこまで届かずところもあります。昼間の弓具庫で様子見、一度でいいのでしてみませんか?
行射編
春に比べて夏場は竹弓が弱く感じます。
熱を帯びた竹弓が柔らかくなって曲がりやすくなってるからでしょう。
そのため、年間を通して同じくらいの強さの弓を使いたい場合、夏用の竹弓を用意するといいでしょう。
まだ使い始めて間もない竹弓で矢数をかけると、ガクッと弓力が落ちると聞きます。(自身でやったことないです)
意図的にやるならいいと思います。
ニベ弓は引いては駄目です。梅雨も気温が高いときも、です。
行射編といいつつ、射技のことは全然出てきませんでしたね。気温によって引き方を変える必要はありません。人間、そこまで器用ではありませんし、メリットもありません。
関連記事:
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?