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路線バスのバスの中

本当に たまにだけど、とんでもないことが起こるものだ。路線バスの中でも。
例えば バスを降りるお客さんの足を 運転手の操作ミスで 前方の折りたたみドアに挟んでしまって 痛そうな音がバス内に響くとか。
運転手さんは謝るばかり。お客さんは運転手を睨みつけながら 言いたい言葉を飲み込んでいるように見える。そして 少し足を ひきずりながらバスから離れた。これは相当な アザか 傷が できていそうだと思わせた。

これは聞いた話だが、コース間違いの経験をした人もいた。まっすぐ行くべきところを右折してしまったらしい。その人が言うには おもしろいもので、まず自分を疑うとのこと。自分がバスを乗り間違えたと。でも、そうではなかった。アナウンスが入り運転手の間違えとわかった。バスをUターンさせる場所がなかなかなく、相当 先まで走ってから正しいコースに戻ったらしい。

そして、こちらは けっこう ことが大きくなってしまった話。
私は一番前の運転手のうしろの 一段高くなっている席に座っていた。お父さんと小学生ぐらいの息子が降りようとしているのだが、父親と運転手が言い争っている。どうもブザーを鳴らしたのに、止まらず1つ先のバス停で止まったらしい。
父親は、なぜ止まらなかったか と問い詰めている。
運転手はバス停を過ぎていた   という説明だ。
私は気にしていなかったので、どちらの意見が正しいか わからない。
おそらくギリギリにブザーを押して、どちらにも取れる状況かと想像する。
怒る父親に若い運転手は要領をえない。
次の瞬間 父親は、運転手の顔を殴った。グ一で。
" やばい " と私。" 止めに入らなきゃ"  あたりを見回しても、高齢の方ばかりで 私が行くしかない状況だった。席を立とうとした時 父親は 『ふざけるな』と捨てゼリフをはいて バスを降りた。
おそらく父親は殴ったことが恐ろしくなって逃げたと思う。どんな理由でも暴力をした方が分が悪い。日本は法治国家だ。
かってな 私の想像だが、この父親が 激昂したのは子供がいたからではないか、もしかしたらブザーを押したのは息子かもしれない。息子の手前というところか。でも 逆の行動を取って欲しかった。息子がいるのだから、怒りを抑えて大人の対応を取るべきだった。

暴力は ぜったいダメだ。その上で あえて 運転手に言いたい。
今回の場合は、対応の仕方、言い方で 暴力を防げたと思う。お客さんに暴力をふるわせた。と言うのは言い過ぎかな。自分の正しさを訴える前に、バスを安全に時間通りに運行するのが運転手の役目だ。バスの中を掌握しているのが運転手でなければならない。そう考えれば おのずと ムキになって 自分の正しさに 終始することはないはずである。

さて、実は この話はちょっと古い話だ。10年はたっていないと思うが。
今なら この父親は警察に捕まっているだろう。
車内で、街中まちなかで  防犯カメラに 証拠が残っている。自宅まで追えるはずだ。
バス会社だって 穏便に収めるようなことはしないだろう。当然 訴えるだろうから。

あの 殴られた運転手、相当長い間、顔に アザが あったに違いない。

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onko
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