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Photo by
waratsutsumi
今 私は、とあるビルの3階にいる
今 私は、とある研修会に参加していて、とあるビルの3階にいる。
2日がかりの研修会は、時たま休み時間があり、その度 トイレに行ったり、ボンヤリ遠くを眺めたり、窓から外の下を覗き込んだり、していた。
「今日も 朝から 暑っち―な~。しぶきのところに 行こうよ!」
『うん、こういう日は、やっぱり飛沫だね。行こう 行こう!』
「お~ やっぱり 気持ちいいや~」
『泡が気持ちぃ- わ~い!』
【若いっていいね。元気だね~】
[とてもじゃないけど、こんな炎天下、行く気がしないよ]
〔日に焼けるぞ、溶けるぞ―〕
〈ここが一番!!〉
《冷たい水も出るし、日陰だし・・》
私は、3階からビルの前にある池を見下ろしながら、そんな会話が聞こえてきそうだ、と思った。
池の中は、1段2段3段と階段状になっているところがあり、そこは 上から下へ段々と 水が落ちてくるので 小さな滝が連なっているようでもある。けっこう水しぶきも上がっている。そこに向かって 2匹の鯉が泳いでいく。
また、池の端っこには 水の管があって チョボチョボと 新しい水が 出ていそうだ。
そして そこの付近の岸辺にだけ木々があり、木陰になっている。そこに笑っちゃうくらいの鯉たちが、たむろして まったく動かない。
水の中ではあるが そう深くない池だから、そりゃ鯉だって、暑いという話なのだろう。風もなく わずかな波も立ってはいない。
とにかく 今日は 人だろうと 鯉だろうと 何だろうと暑い!
おっと、そろそろ 研修会が再開するようだ。
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