11月の靴紐
みんな愚かで楽しいね
ほどけた靴紐 結びなおしてつぶれる踵
空がきれいで嬉しいね
遠くの街から 誰かのピースサイン
恵まれないように祈ってきて
望まれないように図ってきて
それでもすくいきれない、熱量は100万ジュール
1秒の期待が 蓋を開けて百年の孤独だったり
こちらの言い分としては
死なないから 生きているわけで
諦めるふりって俺には難しい
恥ずかしさを隠して 悶々とお茶を飲む
高二の頃、たぶん秋くらいに
俺は何故だか部活休んで
親が車で迎えに来るの 自転車置き場でずっと
待ってて
タバコないのに飽きなかった
夕焼けの 上でも下でもないところ
流れる雲に同期していた
突然6時の チャイムが鳴って
あれこれなんだっけ、絶対知ってるな、
ああ夜空ノムコウ、SMAPね、そうだ、
イントロクイズのアハ体験と
雲の長閑さに心が晴れて
あーずっとこれでいいやって泣きたくなって
なんかそれだけのことで感動して未だに覚えてる
冷静に考えてそれって当時けっこうしんどかったってことじゃないすか?
思い出すたび笑っちゃうんだよなあ俺
結局すべては 自分の問題
他人のことも 自分の問題
認識は、存在に先立つから
風は目に見えてても見えてなくても
どっちだって正解だから
でも認識は物質として現に存在してるから
ああ根本的にねじれてる
根本的になにか間違ってる
また靴紐ほどけた
ワイシャツを クリーニングに出してみて
今日は明かりも つけずに眠る