尾根
山から雲が流れていてこんな日は明け方が長くなるから散策師。尾根に整備されたふかふかの遊歩道は喉に詰まる山臭に足元をとられてこんちくしょう襲撃されるがすぐに馴れたら枝葉から光でた美しさや時折訪れる世界で一番静かなときにとてもうるさい私はなんだろうと散策していた矢先に気がついた。どこから尾根に合流したのか胴長を穿いた女が歩いている。いったいいつから前にいたのか検討がつかないのだけれど、確かに私の前をガブガブと足音をたてながら東へ進んでいる。後ろ姿から若い女の雰囲気を感じとった。一本に縛った髪の毛は肩甲骨あたりで揺れている。白いテイシャツにモスグリーンの胴長を履いて時に周囲を見渡すが足を止めることはしないでガブガブ進む様子は私には気がついていない。
女のペースに合わせると息が軽く上がるいい速度でもってあたる風がひんやりと感じる。なるほど、女は目当ての場所へ降りるところを探しているのではないか。
確かに少し降ればちょろちょろと沢が流れているが行くなら綺麗に整備された道があるのだが女はそれを知らないのかもしれない。朝は明けたのかまだなのかわからず他にすれ違う人もいない。
開けない梅雨おとう日間ここには私と女と大きなひとつが数百万しかいないし女は自分だけと認識してるかもしれなかった。
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