53MM その13 53歳のおじさんが「もの書き」になる物語
社会人編 深夜の仕事と、少しの仮眠と、駅前留学と
20代だったおじさんは、深夜の駅の清掃をしていた。仕事が終わって、帰宅する時間は朝の6時。少し仮眠をとって、仕事に行くまでの間、何かできることはないかと考え、駅前にある英会話学校に通うことにした。
その学校は、当時のTVCMで有名になった、うさぎがキャラクターの学校ではなく、埼玉県に数校ある、地元の英会話学校だった。授業料も月謝制で良心的な金額だった。
最初にレベルチェックをして入るクラスを決めた。たしか初級クラスだったと思う。そのクラスはネイティブの先生が1人、生徒が3人で合計4人のこじんまりしたクラスだった。
その先生は、アメリカのワシントン州出身の女性の先生だった。日本語はあまり話せなかったが、日本の文化や生活を理解しようという気持ちを持っていた。とても知的で優しい先生だった。2年間、日本で英会話の先生をしていたが、その後アメリカに帰られた。
その先生とは、音信不通となっている。今も元気で過ごしているのだろうか?と時々思うことがあるおじさんであった。
(注釈)
アメリカのワシントン州というと、議会や大統領府がある街と思ってしまう方もいると思いますが、それは、ワシントンD.C.です。私も勘違いしていました。実際にはアメリカ西海岸の北部にある州です。シアトルマリナーズの本拠地、シアトルもワシントン州を代表する街の一つです。
著者:オニワ晃秀(電子もの書き屋オニワ)